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天平大仏記 みんなのレビュー

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紙の本

天平の世に生まれた東大寺大仏(盧舎那仏)造顕にまつわるストーリー

2006/02/19 21:05

5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ドン・キホーテ - この投稿者のレビュー一覧を見る

 奈良には誰でも修学旅行で行ったであろう。最近は修学旅行自体が流行らなくなってきたそうであるし、京都、奈良に行くのもステレオタイプということで敬遠されているのかもしれない。しかし、私は中学生時代に修学旅行で奈良に行った際、東大寺の大仏殿を見ただけで圧倒されてしまった。はるか遠くに見える大仏殿であるが、下を見ると人間が何と小さいことか。中に鎮座する盧舎那仏も巨大としか言いようがない。
 本書は題名の通り奈良天平の時代である。聖武天皇の御代、平城京へ遷都が決まり、その中心に大仏、すなわち盧舎那仏を造立した頃のストーリーである。主人公は奴婢の身ながら造仏の腕があった天国(あまくに)である。
 天国はその腕を見込まれて大仏造顕に駆り出された。この巨大な大仏をどうやって造って行くかであるが、それは本書を読めば分かることであるが、確かな技術を要することは明白である。
作業をする奴婢同士の争い、天国の登用を快く思わない一団、一癖ありそうな造仏所長官、様々な人間模様が描かれている。この造仏に携わった奴婢は良民として解放されるという。
 嫌が応にも意欲を掻き立てられるほどのご褒美である。大仏は鋳造である。ほとんどの成分が銅で鋳造されるが、どうしても鋳造の熱や金属の蒸気を吸い込んで健康を損なってしまう。寿命を縮めるという犠牲を払うのである。
 これだけでは奈良時代の奴婢の人生を描いたドラマで終わってしまうが、これに学校で歴史の時間に学んだ史実が登場する。大仏造顕を命じたのは当初は、聖武天皇であった。ところが、天皇は難波宮、恭仁京、紫香楽宮と毎年のように宮城を変えていく。遷都といえば聞こえはよいが、単に気まぐれなだけだったのかもしれない。
 そのうち聖武帝は健康を害してしまう。こういう帝に対しては必ず政権を我が物にしようという輩が出現して、権力闘争が始まるわけである。藤原仲麻呂である。時の大臣橘諸兄を排除して政権を掌握する。大仏が完成して開眼を行ったのは、この仲麻呂が政権を奪取する三年前である。仲麻呂はこの後恵美押勝と改名して政を壟断した。
 本書はこれらの歴史上の出来事と盧舎那仏造顕との係わり合いが、主人公の天国の人生を通じて記されている。興味の尽きないこの時代を知るには格好の小説である。

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