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黒マメコンビシリーズの第1弾。
銀行強盗が人質をつれて逃げ、身代金をまんまとせしめる。しかし、本当の犯人は?
最後の犯人の告白による真実は、思ってもいない大どんでん返しでした。
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なるほど・・・のタイトル。
このエピローグは想像できない、全く思いつかないモノだった。
書き手のアイデアと、読者の想像力のせめぎ合い?
なんだか違った形での読書の面白さを感じた作品。
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大阪府警捜査一課のシリーズ。
まずは第一弾。
黒マメコンビ、
大阪弁の掛け合いも軽妙で面白かった。
最終章は事件の種明かしになるのだが、
あと味苦いものとなってしまい、少し残念。
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たしかに、2度のお別れだった。
その後、どうなったんだろう・・・と想像してしまう。
(2度目のお別れのあと)
大阪弁のやりとりが、よんでて、すーーとはいってくる。
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冒頭───
風呂あがり、やっとありついた晩飯。冷めたアサリの吸物をひとすすりして、さてこれからと箸をとりあげた時、電話が鳴った。反射的に壁の時計を見る。もう午後十時、こんな時間の電話にろくなものはない。
「おーい、電話やでー」
ちょっと振り向けば電話に届くものなぜかおっくうで、隣の部屋にいるはずの佐智子に声をかけた。返答がない。代わりに、ザーッと水の走る音のするところをみれば、残り湯で洗濯でもしているのであろう。
「えーい、しゃあないなあ」
受話器をとる。
「破門」で直木賞を受賞した黒木博行さんの、正真正銘のデビュー作。
第一回サントリーミステリー大賞佳作賞受賞作品である。
キレのある日本語。
関西弁特有のテンポの良い文章が続く。
実にうまい。
エンタメ読み物としては、すでにこの時点で一流である。
主人公の黒田とマメちゃんという、漫才風の会話のやり取りをする二人のキャラも面白い。
この面白さは、のちの「疫病神」シリーズでも存分に活かされているようだ。
これは銀行強盗から派生した誘拐ものだが、警察と犯人との身代金の受け渡し方法などは、今でこそ同様のものが多くあるが、当時としては画期的だったのではなかろうか。
最後のどんでん返しについては、動機的にはやや弱い気もするが、それでもあっと驚かされる。
いやあ、面白いミステリー作品でした。
これでも佳作なのだから、サントリーミステリー大賞はレベルが高かったんだよな。
そういえば、第一回で読者賞を受賞した「桜子は帰って来たか」というのも、遥か昔に読んだが、かなり面白かった覚えがある。
でも、受賞者のみなさんが、今でも作家として活躍しているかというと、そうでもないところに文筆業の難しさがあります。
一発屋で終わる受賞作家のなんと多いことか。
黒川博行、今後も読み続けます。
好きな作家がまた一人増えました。
直木賞のおかげです。
受賞しなかったら一生出会わなかったかもしれない作家だから。
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サントリーミステリー大賞第一回佳作にて、デビュー作。
大阪府警・黒マメコンビシリーズの第1弾、1984年の作品。
銀行強盗が人質を連れて逃げ、身代金を要求。その犯人を追う警察の話。
オチがあると思いつつも誘拐ものは好きじゃない。
黒マメコンビの軽妙な大阪弁の会話が楽しく、悲惨な事件を和らげている。
(図書館)
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普段から刑事小説が好きで色々と読んでいるが、これは新感覚で個人的に中々 面白い作品だった。
大阪弁で展開される会話のテンポがいいし、主人公が所々、他の登場人物の動作等に対して心の声としてツッコミを入れている文章が笑えたし、自分の地元の懐かしい方言なんかも出てきたし。
刑事小説=硬派、緊迫、ハラハラ、知的なイメージがつきものだと個人的には思うのだが、それをちょっと打ち崩したような刑事小説もありだなぁ!と思えた。
結末は、すごく悲しくてやり切れないけれど。
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黒田刑事に、ついて 概要が浮かばず
真面目すぎるような ナニワ刑事なら裏の仕事やっていさそうなのに…
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相変わらずテンポの良い大阪弁の会話が妙です。
このコンビのものは初めて読みましたが、ちょっと地味な気がしました。
ストーリー展開はうまく、はらはらさせてくれます。
結末が物悲しいのですが、謎が明らかになる過程が、う~んという感じです。
次回作以降も期待はできそうですが。
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黒川博行のデビュー作だそうですね。まだ何冊かしか黒川作品は読んでいませんが、ダントツ好きです!事件そのものの解決に向かう経緯をきちんと描いているし、それぞれのキャラクターの描き方もとても丁寧な感じです。まだ黒川博行的なアクがうすい感じが良かったし、読みながら一緒に推理したくなる感じとかも他の黒川作品とちょっと違うかな~という感じがしました。
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評価が苦しい1冊。大阪府警の刑事の視点で、強盗誘拐殺人事件を追っていくミステリ。作品の重要なポイントの一つが、大阪弁の軽妙な掛け合いであり、そこが受け入れられない人はとたんに脱落しうる。
評価の難しいのは、前半と後半で、全く作品の印象が違うことだ。強盗誘拐の部分は、なんだか盛り上がりに欠け、煮え切らないというのも、後半の話につながっていくわけだが、日常の延長のような形で強盗と誘拐が起こってしまう。「今一線を越えたな」という感覚が全く無い。
その後も鮮やかな犯行が、作品内の大阪府警の無能さによって茶化しが入るからか、ほとんど印象に残らず展開し、非常に単調な作品に見えるのだ。
後半は、まあ大方の読者が予想したとおりになるのだけど、それなりに盛り上がりもあるし、大阪府警の無能さをコミカルに描いているところと、完全に分離して読むことができる。
前半(というか、7割位)が☆2、最後の3割で☆4。平均して☆3と言いたいところだけど、正直なところ、タイトルが悪いのでマイナス1。もうちょっと泥臭い本のタイトルにすべきだった作品だ。
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初めて読む作家さん。予想した通りの結末であっけなかった…。
コンビが地味ってことで、大賞がもらえへんかったみたいやけど、良いコンビで大阪弁もとぼけた感じがして、やりとりは面白かった。
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黒川博行のデビュー長編。
洒脱な大阪人の刑事の会話と、スリリングな誘拐~身代金受け渡しと、いずれもテンポが非常によい。とてもすんなり読め、入り込めた。
トリックもよかったが、解説者のいうとおり探偵役が暴くというプロセスが抜け落ちている。それがないと、ミステリとしては片手落ちだと思う。
とはいえ、アイデアも文章も、初作とは思えないくらい安定してると感じた。
3-
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大阪府警捜査一課シリーズ,「黒さん」と呼ばれる黒田憲造刑事と,「マメちゃん」と呼ばれる亀田淳也刑事が主人公のシリーズの最初の作品である。融資依頼に来て,担当者不在ということでロビーで待っていた「垣沼一郎」が,銀行強盗犯にとびかかり,銃で撃たれ,人質として連れ去られる。銀行強盗犯から,垣沼一郎の身代金として1億円を要求されるというストーリー。
誘拐モノの常で,身代金の引き渡しを求める犯人側と,捜査側の知恵比べの様相を見せるが,捜査側の様子が丁寧に書かれている。
キャラクターの描写も丁寧にされており,現場の捜査担当者,捜査指揮をするキャリア,たたき上げの課長などの捜査陣の思惑の違いなどがリアルに描かれている。
行き当たりばったりで始まった誘拐かと思っていると,警察の関与をはぐらかすために,犯人側の巧みに要求をしてくる。逆探知を避けるために,第三者を仲介して伝言をしてきたり,人質の指や耳を切って送ってくるなど…。身代金はマンホールを使って奪い取る。捜査側は完全に後手後手。人質だと思われる死体が発見され,事件は迷宮入りとなる。
その後,実は,誘拐が狂言であったとして,人質ではなく真犯人だった垣沼一郎から,黒田刑事のところに犯行を告白する電話が掛かってくる。真犯人からの犯行の告白で物語は終わる。その真相は,マメちゃんこと亀田刑事の推理と酷似したものだった。
テレビドラマの2時間サスペンスとして見れば良作の部類に入ると思う。分かりやすい筋書きで,テンポよく展開し,キャラクターの未了もある。小説として見ると,やや物足りない印象がある。捜査側としても,ここまで裏を掛かれると,垣沼側をもう少し疑いそうなものだが…。黒・豆コンビがあまり活躍しないのもイマイチ。犯人にやられっぱなしのストーリーは,ややフラストレーションがたまる。トータルの評価は★3か。つまらなくはないが,もう少し,何かがほしいところ。
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ずいぶん昔の作品ですが迫力満点で今読んでも古さを感じられない。余韻を残した終わり方も黒川さんの若い気持ちを現している。