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失われた楊志の代わり
2012/10/27 01:51
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投稿者:sleeping lion - この投稿者のレビュー一覧を見る
この巻も本当に面白い。
楊志の代わりについにあの将軍が動く。
何人もの登場人物達が少しずつ物語を紡ぎ出す。
足っぽいけど24の海外ドラマみたいかもね(笑)。
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「水滸伝 六 風塵の章」北方謙三:集英社文庫
ついに青州軍・秦明将軍が副将・花栄とともに梁山泊へ。
楊志亡き後の二竜山を掌握する。
一方の青蓮寺にはあらたに聞煥章が軍師として加わり
梁山泊包囲の策を巡らす。
宋江は同行を四人に増やし北へ。
そこで戴荘の飛脚と分断され包囲を受け危機に陥る。
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青洲の将軍・秦明が副将・花栄とともに梁山泊入り!!楊志亡き後の二竜山の隊長となります。
対する青蓮寺にも聞煥章は入り、官軍をぐいぐい締め付ける力を持ち始める。そして聞煥章の狙いは宋江の捕縛にあった。宋江ピンチ!
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この巻では新たに梁山泊に強力なメンバーが加わる。有能かつ剛直ゆえに疎んじられ、地方の一将軍に押し込められていながら、大部分が腐りきった官軍の中で、自らの軍を精強に保ち続けていた生粋の軍人・秦明である。だが、オルガナイザー・魯達(あることがきっかけで魯智深より改名)の説得により、副官・花栄(実は元々梁山泊メンバー)と共に、叛乱軍の将となる。今や数少ない優秀な武将をまた失い、秦明率いる叛乱軍との戦では大敗を喫した官軍。しかし、腐ってもまだまだモノも人も豊かな国・宋。オモテを牛耳る宰相・蔡京(さいけい)とウラを牛耳る青蓮寺のリーダー・袁明が新たに迎え入れた聞煥章(ぶんかんしょう)という男は、恐るべき異才で全国放浪中の梁山泊の頭領・宋江を文字通り追い詰める。梁山泊との通信網を遮断され、暗殺部隊である王和の闇の軍に完全包囲された宋江と従者の4人(計5人ね。念のため)。第5巻に続く絶対絶命のピンチ。いつでも落ち着き払っている宋江はさすが。だが、従者の中でも長い間、宋江と共に旅してきた武松(ぶしょう)と李逵(りき)はひょっとしてここで消えてしまうのか?哀しすぎる過去を持つ武松、愛嬌溢れる子供のような李逵。どちらも優れた武人で、魅力的なキャラ。生き残って欲しいなぁ・・・。男が惚れる男が沢山出てくる北方水滸伝。敵キャラでさえ、なかなかのもの。三国志でもそうだったけど、これだけ数多い登場人物を、誰一人として手を抜かず描き切ろうとする熱さはスゴイ。
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秦明将軍と花栄が登場。
しょっぱなから秦明将軍の霹靂火(へきれきか)が炸裂w
壮絶な戦が続いていたので、秦明将軍の気合が明るく感じられます。
楊令や公淑との関係も気になるところ。。。
そして、個人的にめっちゃ気になる陶宋旺がとうとう仲間に!?
これからの活躍に期待大です!!
王亭六の走りっぷりも気持ちいいですね〜。
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楊志暗殺を成し遂げ宋江捕縛をもくろむ青蓮寺。綱渡りの闘いを続ける梁山泊。クライマックスとクライマックスの間をつなぐような巻だった。
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【人は、ともに生きる者がいて、はじめてほんとうに生きられるのです。】
宋江の地方めぐりも終盤か。
梁山泊の体制もちゃくちゃくと進んでいる
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秦明と花栄が梁山泊に参加、今後花栄の弓の腕を実戦で見たいものだ。最後に黄信も加わり、漢末より最強と言われた青州軍は今後どう転んでくるのか。
青蓮寺も聞?章が加わり、今後、更なる暗闘が激しくなるのか、個人的だが馬桂と李富は今後どうなるのだろうか。
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魯智深に口説き落とされた秦明が、二竜山に赴任し、禁軍を打ち払う。
供を増やしながら、流浪の旅を続ける宋江は、青蓮寺に囲まれ、山中に潜む。
梁山泊は史進が戻り、双頭山を構え、林冲の騎馬隊を整備する。
一方、青蓮寺は聞煥章を加え、新しい発想の策を巡らせる。
抗争が激化していく。
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青州軍の秦明将軍が梁山泊入りする回
個人的には、印象深い鉄笛の馬麟と馬医者の皇甫端の初登場の回です。
鉄笛の馬麟は、宋江の首を狙っていた賞金稼ぎですが、宋江に命一つを貸しにされて、子午山の王進のもとに預けられます。
もともと、他者と口を利く性格ではありませんでしたが、王進のもとで人間的に成長します。
梁山泊に加入後は、仲間が戦いの中で物思いにふけっているときに、鉄笛を吹いて、仲間たちの心を落ち着けます。
また、ラストは片足を失いながらも騎馬隊を率いて宋禁軍と戦い続けます。
一方、皇甫端は、馬の怪我や病気を見るだけではなく、馬の性格や馬の怯えをその観察眼で見抜き、治療をしていきます。
騎馬隊の活躍が目まぐるしい梁山泊軍において、彼が果たしている役割は非常に大きいのです。
軍記物は、どうしても活躍が華々しい武将・軍人にスポットが当てられるものですが、兵站や情報などを扱う裏方の人物や、普段ではスポットが当てられない人物たちにスポットが当てられ、キャラがよく練られているところが、北方謙三の歴史小説の優れた点でありましょう。
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仲間がガンガン補充されていく巻。
宋江は行く先々でお供を増やしてなかったら
確実に命を落としているでしょうね。
秦明の仲間入りは気持の良いものだったのに対して、
皇甫端の仲間入りはなかなか後味悪い。
この巻は比較的梁山泊キャラの中でも
段景住とか宋清、孟康といった
凡人?に近い人の心境がピックアップされているのも
なんだか良かった。
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秦明参加。敵の中の最良の部分を次々と一本釣りしていく手腕はたいしたものであるけど、そしてけっこう感動して読んだりするんだけど、ちょっと都合良すぎるんじゃないかなって気もする。
敵側には聞煥章という青年が登場する。これは絶対にこちらに寝返りそうもない。カミソリのような鋭さを持った敵で、なかなか先が楽しみ。
最後でまた宋江が危機に陥る。どうも彼の旅はある意味ひどくはた迷惑なもののようだ。本人はひょうひょうとしているけど。
2008/8/7
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魯達の正面切っての説得に秦明将軍が応じ,花英とともにいよいよ梁山泊入りを果たす。直ちに二竜山に着任しの指揮を始める。宋江の従者に欧鵬と馬燐が加わるが,馬燐は王進に預けられる。そこで,宋江は初めて九門竜史進と面会する。史進は,王進に別れを告げ少華山へと戻り,再び首領として迎え入れられる。宋江の一行は東に向かい,途中で陶宋旺が加わる。一方,青連寺では新たに若き参謀の聞換章が蔡京によって送り込まれてきた。聞換章は宋江の捕縛を試みる。また,袁明は李富に対して,馬桂を利用して呉用を暗殺することを命じた。牢を脱獄した,役人とグルになって父の店を奪い自殺に追い込んだ輩とその役人に復讐を遂げた王定六は戴宋に身を預けた。王定六は自慢の俊足を活かし双頭山に宋江の危機を知らせる手紙を訳も分からぬまま届ける。此れを受け,朱仝が直ちに騎馬隊を率いて宋江の救済に出動した。
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いつの間にか本作品の3分の1を読了していた。もはや難解さはまったくなく、人物を見失うこともない。心地良いスピードで物語は進んでいく。このあたりは著者の力量が伺える。
前巻で楊志を失った梁山泊は、その後継者として青州の将軍・秦明に目を付け引き入れることに成功。そして対する官軍は梁山泊対策強化のため青蓮寺に聞煥章を送り込む。両軍ともにパワーアップしていくさまが、今後の展開に期待を持たせてくれる。
また、諸国放浪の身の宋江。武松、李逵を従えながらの旅すがら、欧鵬、馬麟(のち王進の下へ修行に出される)、陶宗旺が従者となっていく。彼らは宋江のボディガードという役割を果たすことになる。
本作品には様々なタイプの人間が登場するため、人事の勉強になる。どんなタイプの人間が、どんな部署で力を発揮するかまたは腐るかが存分に紹介されているのである。例えば本巻では登飛。魯智深を女真の地から救い出してきた功績はあるものの、隊長の器ではない。というより向いていない。自分勝手に動きたがり、命令に従わないこともあり、隊長として指揮をさせると兵を無駄死にさせてしまうからである。そこで双頭山(秋風山と春風山)の隊長である雷横と朱仝は、登飛に通信の責任者という仕事を割り当てる。初めは不満がるものの、水を得た魚のように仕事にのめりこむこととなる。この通信の技術が後々闘いの重要なツールとなっていくことになるのだが、結果、登飛の人事は成功したといえる。功績ではなく、適応性をもって人事を決定するべしとはよく言われることであるが、中々それが出来ていない組織は多い。例えば、創業社長の片腕となった功労者を役員に据えたはいいが、経営能力が欠如しているという話はよく聞く。
さて、本巻の最後には再び宋江が青蓮寺に包囲されるというピンチが描かれていた。どうやって切り抜けるか、次巻が楽しみである。
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悲しみから立ち上がる梁山泊に、新しい仲間もさらに増え、数人の英雄は居場所を見つけていく。
聞喚章が青蓮寺サイドに加わり、再び宋江の包囲が始まる。
やっぱり楊令と林沖がどうしても印象に残るけれど、燈飛や王定六(二人とも名前もいい!)のように、愛嬌も存分に持っている男も出てくる。
初めて読んだ時は陶宗旺の戦いが楽しかったのを覚えている。
心に残った場面
・林沖と楊令の別れ
翌早朝、起き出した秦明は、林沖と楊令が兵舎の前で対峙しているのを見た。楊令が斬りかかり、林沖画容赦なく竹の棒でそれを打つ。まるで体の大きさが違っても、対峙という気配がそこにはあった。林沖の気迫も、並ではない。
激しい対峙は、一刻以上続いた。
それから林沖は竹の棒を捨て、楊令の小さな体を抱きしめた。
林沖の言葉に表さない愛をについて書くのは、不要で不用で無粋を重ねて無様だけれど、言いたいだけで書く。
楊令をかわいそうだと、思わない人間はいない。それでも男として楊令を見るなら、そんなことは侮辱になる。だから厳しく向かうけれど、それを悪いと思いつつ、やっぱり本人も胸を痛めてしまう。そして、愛は抑えられない。だからこそ、この短さでも北方水滸伝の中で、1,2を争う名場面。