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小学校の同窓会の三次会。深夜のバーでひたすら田村を待つ男女5人と、その5人の会話に聞き入るマスター。5人それぞれが自分の人生を振り返っては後悔してみたり、励ましてみたり、果てはヤケ酒で寝入ってみたり、どこにでもありそうな、ちょっぴりほろ苦いお話です。帯には「怒濤の感動が待ち受ける」とかあるけど、そこまでドラマチックな展開は無いので過剰に期待しない方がいいかも。特別収録の「おまえ、井上鏡子だろう」は悪くないんだけど、本編の余韻がかき消されるのがもったいない。
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友人とはどういうものか、改めて思いだした。
日常は、仕事周りの人間関係の中で生活していて、それはとりもなおさず「損得関係」の延長にある。
しかし、仕事を離れての友人関係は、損得を超えたものであったな、と。
うむ。旧友に会いたくなる本だ。
買ってよかった。一気に二度読みした。
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期待が大きすぎたかも。
他の方も書かれているように、もっとそれぞれのエピソードを書いてほしかった。
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連作短編集。
いい小説だなあ。すごく満足。
時折、どきっ、ぎくっ、とするような文章に出逢って。
私よりもう少し上の年代の人はもっともっと面白く読めるかもしれない。
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『田村はまだか』はずっと気になっていたのだが、
文庫本になったのを機に買って読んだ。
正直どんな小説なのかよくわからず、
タイトルの面白さだけで読んでいたのだが、
なんだか心に残る小説で、読後感も爽やかな、いいものだった。
舞台はスナック「チャオ!」。
永田一太、池内暁、坪田隼雄、加持千夏、伊吹祥子の5人は、
小学校の同級生。
クラス会の三次会で、「チャオ!」のマスター花輪春彦が加えつつ、
「田村」を待っているという設定。
連作短編の形式で、
各登場人物の秘められた物語が語られていきながら、
「チャオ!」の場面に戻りつつ、ストーリーが進んでいく。
各登場人物の物語も、全体の物語も、
特別大きな何かが起こるわけでは全くない。
淡々と、しかし、何か人生の核心をつくような印象的な言葉がちりばめられている。
こういうのを味のある小説とでもいうのだろうか。
さて、田村はくるのか?
それは読んでみてのお楽しみ。
読みながら思ったのだけど、
芝居のような小説だと思った。
登場人物のセリフが芝居のセリフとして想起されたのだ。
映画やドラマというのではなく、芝居にしたら、面白いのではないかと思った。
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いやー、とにかく田村がこない。全然こない。もうくるだろう。いや、こない。
あんまりこないものだから待っている方はつい余計なことを考えてしまう。
そんな余計な事を紡いで人間模様を描き出すみたいな短編集。
話の最後には必ずみんなが思う。で、田村まだなの?
果たして田村は現れるのか!いったい田村とは何者なのか!
みたいな引っぱりは全然なくて、
ただ人を待っているという曖昧な時間をうまく使ってしっとり進んで行くお話。
これが案外入りやすくていい感じでした。
最後のオチ的な展開だってなくてもいいくらい。
最後まで「田村はまだか」のままで終わっても文句はないなあ。
面白いのは、あんなにも口を揃えて田村田村と言っている登場人物達の、
誰も田村本人と親密な関係にあるわけじゃないという事で。
ただ会わずには気が済まないという意地みたいなものが生まれていて、
そういえばクラス会ってそんな感じもあるなあと、妙に感慨深いものがありました。
むしろ待っている時間が彼らを親密にさせて行くんですね。
その最たるものがバーのマスターで。
あいつ部外者なのにすげー入ってくる。なにその社交性。
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深夜のバーで、小学校の同窓会の三次会で田村という友人を待つ5人。なるほど、こういう話だったんですね。単行本で出た時からタイトルは知ってたんですが買う機会を逸していました。タイトルのイメージから、ベケットの『ゴドーを待ちながら』みたいな感じの作品かと。で、文庫化された時も「お、文庫になったんだ」っていう認識はあったんですが、なかなか手に取ることはなく、ようやく購入。買おうと思ったのは、講談社文庫の新刊として、「好かれようとしない」が平積みになっていたから。「好かれようと〜」を買おうかと思ったんですが、まずはこっちからと思い、「田村〜」を買いました。面白かった。もっと早く読んでおけばよかったかな。田村はまだか。そう言いたくなりますよ。
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同窓会で集まった男と女のそれぞれの話をしながら2次会から参加予定の”田村”を待つ話。
けっこう大人のお話でしたwでも、誰もが抱えていそうな心の深い部分が書かれていて「ふむぅ」と思わされる一冊でした。
読み終わって思ったことは『遊びで浮気心はイカンよ!女、怖いお!!』
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第30回吉川英治文学新人賞受賞作で、柳広司の『ジョーカー・ゲーム』と同時受賞している。
単行本収録作品に加えて、短編「おまえ、井上鏡子だろ」が収録されている。
アラフォー世代が読むと、とても理解できるのではないだろうか。
若い気でいるが、若くない。
そこまで来ているであろう老いを感じ諦めつつも
どこかで、「まだ」と足掻きたくなる。
暖かいような、切ないような、色々な感情を掻き立てられる。
若い人にはちょっと、この心情はわかりにくいかもしれない。
「田村はまだか」は、読後にホッコリするものが残るが
「おまえ、井上鏡子だろ」は、読後にセツナさが残った。
因みにWikipediaにも紹介項目がある。
興味が沸いたなら見ておくのもいいだろう。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%94%B0%E6%9D%91%E3%81%AF%E3%81%BE%E3%81%A0%E3%81%8B
評価を変えた。
後から、ジンワリ、ジンワリとくる作品だと思う。
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小学生の田村が、40歳になった同級生を魅了し続けているのがすごい。皆にとって特別な存在なのがひしひしと伝わってきて、眩しく思える。
「誰かに待たれる」存在に憧憬を覚える作品だった。誰かを待つことも、誰かに待たれることもあまりされない私は、最後の「おまえ、井上鏡子だろう」をつけ足し(?)てくれた筆者に感謝したい。
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小学校の同窓会の3次会で旧友田村の到着を待つ間、友人たちのそれぞれの過去のドラマが回想される連作短編。それぞれの回想話はまずまず面白かったが、作者が繰り返すほど田村に会いたいという気持ちが高まってこなかった。友人たちが自分たちの欠損を埋めるためのなくてはならない主役だったようには読者に対し田村が提示できていないように思った。
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小学校の同窓会の三次会で「田村」を待つ5人。
田村を待ちながら、それぞれの過去を振り返ります。
最初はマスターがつけたアダナで4人が紹介されています。
連作短編となっていて、一人ずつ名前が明らかになっていきます。
それぞれいろんなことがあったんだなぁと感じました。
読んでいくうちに、自分も田村を待っている気分になりました。
「田村はまだか」タイトル通りの言葉を自分でも、思わず言いそうでした。
田村はまだか。
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感想はブログでどうぞ
http://takotakora.at.webry.info/201103/article_12.html
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タイトルにも表紙にも気を引かれなかったが、一編目から引き込まれしまう。
もっと早くに手に取れば良かった。
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全体として作品は普通。面白くなくもないのだけどね。懐かしむことが自然になってしまった人間は、どこかさみしいね。