紙の本
独特なテンポと間合い――案外好き嫌いが分かれるかも?!『田村はまだか』
2011/01/28 11:55
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:惠。 - この投稿者のレビュー一覧を見る
アンソロジーではお目にかかったことがあるけれど、ほぼハジメマシテの作家さん。アンソロジーでも思ったのだけれど、文体が合わない。内容は好みのはずなのだけれど、なかなかどうして、読み進めるのに苦労してしまった。
札幌はススキノ。とあるバーで同級生の田村を待つ数人の男女。小学校の同窓会の三次会だ。一人が声を張り上げた「田村はまだか」。
みな、田村を待っている。異性関係にだらしがない母親に育てられた田村。勉強も運動もできた田村。遠足ではひとりで弁当を食べていた田村。
小六の教室で、田村はのたまった。
「だから、生きてるんじゃないか」
「どうせ死ぬから、今、生きてるんじゃないのか」
そんな田村を彼らは待っている。
しかし田村は一向に現れない。物語の後半に差し掛かっても気配を現さない。わたしも思わず「田村はまだーーー?!」と叫びそうになってしまった。
田村を待ちながら、語られる同窓生それぞれの物語。こういう構成も好きだ。
ただ、やはり文体が合わない。語り手を交代させるときの手法が苦手だ。読むリズムを崩されてしまう。これはこれで「完成」なのだけれど、もっと面白くできたのではないかなぁ…と素人ながら(故に?)、思ってしまった。
朝倉さんは…もう、いいかな。
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投稿者:earosmith - この投稿者のレビュー一覧を見る
田村を待ち続けるもなかなか現れない。その理由は・・・。私は、一度読めば充分かなと感じました。何度も読み返したくなるような本にはなりませんでした。
紙の本
なんか印象が薄い(笑)
2016/07/29 23:10
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投稿者:koji - この投稿者のレビュー一覧を見る
ここしばらく本を選ぶ時に帯や裏扉に書いてある紹介を意識して読まずに決めてます。この作品なんて完全にタイトルだけで買いました。なかなか上手いタイトルです、提案したのが作者か編集者だったのか気になります。
CDじゃなくてレコードだった頃、レコード屋さんでも当然試聴なんてできないし、情報もラジオのFMか専門雑誌しかなかったから、ただジャケットだけを見て買うことが結構普通にあったんですよ。そして当たりを引いた時の喜びたるや。(笑)
この作品とは関係ない話でした。で本題に戻るとう〜ん。読ませるんですが印象が薄い。氷が解けすぎた水割りのような感じでしょうか、ただ使っているウィスキーは安モンじゃない。飲めばそれなりに心地よく酔いもします、という感じです。(笑)
機会を作ってもう一作品を近いうちに読んで、確かめたいと思いました。
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10/11/17読了 タイトルも文章もセンスがいいなと。間延びした感さえなければというのが読後の率直な思い。
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小学校の同窓会の三次会、みんなでなかなか来ない田村を待っている。卒業以来、紆余曲折はありながらも平凡な人生を送るそれぞれが忘れられないのが、田村。そりゃ、クラス一の問題児の女生徒が、「生きていても仕方ない、死にたい」と叫んだ時、「うんこになるから、何も食わないのか!?」とさとし、泣きそうな彼女に「好きだ」と告白し、その2人が結婚してると聞けば、同窓会にも行きたくなり、なかなか来ない時に「田村はまだか!」と叫びたくなりますね。
文章に躍動感があり、軽い中にも考えさせられるところも多い、キラリと光る作品でした。
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2010.12.25読了。
ススキノが舞台だったので、なじみがあった。小学校の時のことってそんなに覚えているのが不思議だったが、人によって思い出の強い学校は違うな。
よかったね、みんな。
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小学校時代の同級生5人が同窓会の3次会に田村を待ちながら飲んでる。みな40歳くらいになっていて、それぞれの今とか過去に対してスポットが当たりながら話が進むんだけど、、、
田村はまだかと言いながら飲んでるんですわ。
田村が来たのかどうなのかは、本を読んで確認してください。
同窓会でのこんなシーン、自分がいることが想像できるなと思ってしまった。
田村役はいないんだけどね。みんなで昔話も織り交ぜつつお酒を飲むってね。あるな、と。
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小学校のクラス会の三次会
スナックチャオで5人の同級生は
まだこない同級生田村を待つ。
田村はまだか・・・
待っている間それぞれの思い出が廻り
時間が交差する。
田村はまだか・・・来いよ田村・・・。
特別収録されている「おまえ、井上鏡子だろう」も
地味な男の話であるが、
人生のどこかで誰かとすれ違う単調さと深さを
感じさせてくれる作品だ。
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着眼点は非常に面白い。中学の同窓会で、みんなから親しまれた田村を待つ。その間に集まったみんなのそれぞれの話が綴られる。そして肝心の田村が怪我を負ってしまう。
ただ、話が深くなく印象が薄いのが難点。
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軽い連作短編集。全六話。クラス会の3次会である男を待つ男女5人の物語。
結論から言ってしまえば、田村は来ても来なくてもこの物語は成立する。
ただ、同窓会という独特の高揚感、昔に生きることよりも現実の世界で起こっている近過去の回想をたくみに織り交ぜて小説が進行していく。
ひとつの舞台の変わらない演劇のような作品。
艶っぽい話しもあり、それが、中年の淡い艶話でもあり、そこも女性作家?と思わせるきわどい描写。
さっくり読むのにちょうどいい作品。
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小学校の同窓会の3次会でひたすら田村を待つ5人。それぞれのエピソードも驚きの結末もすべてが楽しい傑作!
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田村に会いたいな
いつか死ぬから
今生きてるんじゃないか
そんなことを
当たり前だけど
知らなかったことを
言われたかったことがあったなと、
おもった
個人的には
保健室の先生の話と
おとなりの彼のはなしがすき
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本書は簡単に言ってしまえば大人の男女の連作短編なのだけれど、どの短編もあまり面白く読めなかったです。
短編ごとに、彼ら登場人物のバックグラウンドや、田村を待っている様子が描かれていますが、どうも感情移入できず、『田村はまだか』という気持ちにはなれなかった。
バーでの同窓会の三次会というものが僕にとって想像しやすいものでないということもあるとおもいますが、自分には会わない作品でした。
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同級生、田村を待つというシチュエーションでの、連作短編集。
話によって好き嫌いが分かれてしまった(特に最終話があまり好みで
なかった、、、)のが、ちょっと残念。
でも、面白いです。
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題名で選んだ本ですが、好みの文体でした。
さばさばしてる感じが、重苦しくなく
それでも、共感できるポイントがいくつもあり。
結構、お薦めです。