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人道家としての杉原の話は最近TVなどでも取り上げられることが多いが、インテリジェンスオフィサーとしての杉原の実像を丹念に追ったこの書はすばらしい。
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千畝さんについて知りたくてやっと手に入れた本。
大まかな話は知っていたけど実際にどんな仕事をしていたのかが分かる一冊だった。
千畝さん以外の周りの動きもよくわかる!
千畝さんのところだけピックアップして読んでもいいかも。
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[心のみならず理も]迫害に追われた多くのユダヤ人に対し、「命のビザ」を自らの判断で発給し続けたことで名前が広く知られる杉原千畝。そのエピソードの故に、ヒューマニストとしての側面が強調される一人の外交官の姿を、卓越したインテリジェンス能力という側面からもあぶり出していこうとした意欲作です。著者は、杉原千畝に関して大学時代から研究を続けてきたという日本外交史の専門家、白石仁章。
少し白石氏の筆に熱がこもり過ぎている感は否めませんが、本書のおかげで杉原像はより鮮明、かつ実像に近いものになったように思います。カウナス勤務に至るまでの杉原氏の歩みと合わせ、今まであまり語られてこなかった「命のビザ」に関する謎の解明にも具体的に踏み込んでおり、大変読み応えがありました。
日本ではあまり知られていない、第二次世界大戦期における東欧事情を学ぶことができるのも本書の魅力の1つ。特に、バルト3国と言われるエストニア・ラトビア・リトアニア、そして独ソ不可侵条約で日本とともに多大なマイナスの影響を被ると当時指摘されたポーランドに関する情報は、それだけで何冊もの本が書けるのではと思わせてくれるほどでした。
〜史料が語る杉原千畝の姿、それは従来語られてきた偉大なヒューマニストの姿を否定するものではない。むしろ、偉大なヒューマニストの側面に、稀代のインテリジェンス・オフィサーの姿が加わってこそ、より鮮明に杉原千畝という人物を描き出せるのではないかと思う。〜
日本で公開中の映画『杉原千畝』(そして同時にヒットしている『海難1890』)を観てみたい☆5つ
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映画の杉原千畝を見てから、興味がでて、読みました。
当時の情報収集が、どんなに大変だったものか、通信手段が電報ということ、その中で、家族も危険かもしれない中、命をかけて取り組んでおられた様子が、垣間見えました。
第二次世界大戦の日本の様々な判断ミスは、有名ですが、これほどの人が日本人として、情報収集していたのに、活かされなかったのは、本当に、残念な思いでした。
他の関連本も読みたいと思いました。
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杉原千畝について、客観的にかつ詳細に調べられているなという印象でした。ヒューマニストとしてではなく、インテリジェントオフィサーという観点からのスポットにすごくこだわってます。
6000人の命を助けたヒューマニストのイメージを持たれやすい杉原千畝の新たな一面を知ることができます。
筆者の推測も多分に入っていますが、その考察もなるほどありうると思わせるものばかりです。杉原千畝は、本省からの指示を単に無視していただけではなく、アリバイ工作をしながら入念にことをすすめていたのだなぁと感心しました。
第二次世界大戦の背景を知っていれば、より理解も深まる本です
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ヒューマニストとしてだけでなく、諜報のスペシャリストとしての杉原千畝の姿が描かれていて、とても興味深かった。
また、戦前から戦中にかけて、日本でも諜報活動に命を賭けた人たちが存在していたのを知ることができたことも、とても有意義だった。
若干、著者の思い入れが強い感じはあるけど……
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ヒューマニストとして知られる杉原千畝の別の側面。インテリジェンスオフィサーとしての彼の功績と、それを役立てなかった日本、歴史の真実を見ることができた。
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ナチスから6000人の命を救った命のビザで知られる杉浦は、実際には一にスターリン、二にヒトラーといった感じでドイツよりもソ連を恐れていた。
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現実と組織のルールの間で、なんとか命のビザを発給し続けた姿が描かれている。
インテリジェントとはなにか、情報をどう活かしていくかという命題は、戦時中でなくとも、むしろ情報過多の現代にこそ生かすべき教訓であると考える。
人道一辺倒ではなく、かと言って冷徹な官僚でもない、人間杉原の姿が垣間見える本だった。
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諜報のスペシャリストとしての側面から、杉原さんの辿ってきた道を丁寧に説明されている。少し難しいところはあったが、コツコツと気の遠くなるような緻密な作業を重ねながら、日本のためになる情報を集めていたことが理解できた。たくさん地名が出てくるので、ところどころに地図が掲載されていたらもっとわかりやすかったなと思う。
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白石仁章著『諜報の天才杉原千畝 (新潮選書)』(新潮社)
2011.2発行
2016.10.23読了
杉原千畝といえば、第二次世界大戦中に外務省の命令を無視して、ユダヤ人に日本通過ビザを発給し続けた人道の人というイメージがあったが、杉原千畝はヒューマニストの側面だけでなく、インテリジェンスオフィサーとして諜報の天才であり、いち早く独ソ開戦の情報を掴むなど日本のために命がけで奮闘していた。杉原千畝は日本では知名度が低く、戦後も旧外務省関係者から非難されていたようだが、その理由は日本の国益よりユダヤ人を優先する人物と勘違いされていたからだろう。
国籍や人種に囚われず、人を救うことに国益は関係ないはずなのに。
URL:https://id.ndl.go.jp/bib/000011126321
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『消えたヤルタ密約緊急電―情報士官・小野寺信の孤独な戦い―(新潮選書)』で言及されていた杉原氏の活躍を知りたいと思い、手に取った本。
他の方のレビューにもあるように、著者の杉原氏に対する熱い尊敬の念がほとばしりすぎているきらいもあるが、一国の首相が「欧州情勢は複雑怪奇」とさじを投げた当時の情勢を、杉原氏に関係するところだけ(まぁ、それが重要な部分なのだが、)うまく切り取り、氏のインテリジェンスオフィサーとしての働きを丁寧に描写していて、知的好奇心が刺激される1冊である。
インテリジェンスの活動は、そもそも後世に残せない活動が多いため、どうしても推察を含むこと多くなるが、本著者はその推察にもできる限り状況証拠を基に描こうとしており、その意味でも安心して読み進められた。