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読後の感想は「涼」です
2011/11/30 08:07
7人中、7人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:のちもち - この投稿者のレビュー一覧を見る
かなり話題になった本で、ドラマ(?)にもなったよう。映像は見ていないので先入観なしに読み始める。タイトルから容易に想像できるが「医者」が主人公である。前半中盤にかけては「神様の」という意味合いは出てこない。かなり個性的なキャラクターの主人公である。夏目漱石を敬愛して話し方も古臭い...ってなかなか小説に用いるのに出てくるアイデアではないよなあ、ってヘンなところに感心。
主人公は、田舎の病院に勤める若い医者。「24時間365日」という崇高なビジョンを掲げた病院で働くが、「理想と現実」はどこにでもある話で、そこで「24時間365日」働く側としては、過酷な環境。その環境に対しては違和感を持ちつつも、また、「もっと楽であろう」大学病院への誘いとの選択に悩みつつも、職場の仲間、住居(集合住宅みたいなもの)の仲間とのやり取りの中で、また当然に「仕事」を通じて、何が本質であるのかを見つけていく、という内容。
登場人物や背景については、「漱石」流になっていたり、消化器系の専門で、アルコール依存症の患者対応をしつつも、自身も「お酒大好き」なところがあったり、医者という側面と、個人としての側面が、離れているようで一致する方向に進むようで、コミカルに描かれている展開が心地よい。 過酷な勤務をこなし、その環境に必ずしも満足していないように見えつつも、「職務」については真剣であること。その「熱さ」故に、周囲から変人扱いされながらも、「自分のコア部分」を強くもっていて、前を見る視点にぶれがない。その中で、最後には、見つけるんですね。自分にとっての「方向」を。
小説の中ではあるけれども、こんなキャラクターに好意を抱くのは当然かもしれない。医者を職業にしていてもその中でいろいろな選択肢はある。「医学」を極める人もいるだろうし、目の前の苦しんでいる人を(たとえ自分の専門外でも)助けることに生きがいを感じる人も。それを最後に選択する。悩んだ末、というよりは、諸々の「事件」を経験する中で、自然と選択が固まったのだろうし、そもそも自分の中にあった結論を肉付けして表出しただけのような気もする。
そして、意外にも(想定していませんでしたが)、泣ける場面がありました。正確にいえば、涙がでてきてしまった場面が。電車の中でしたが耐えきれかなった。それくらいのめり込めるストーリーなのです。
専門的にみれば、地方の医者不足や、医療全体の問題、もっといえば「命の問題」も含めて、結構「重たい」テーマなのかもしれないが、キャラクターの設定もあってか、軽快で読みやすい。ドラマ化されるだろうなあ、っていうノリでもあるが、若い人も、若い「と思っている」人も受け入れられる内容です。
【ことば】...法は患者を守るための道具であって、法を守って患者を孤立させていては意味がない。そこを判断する裁量くらいは現場の医者にあってしかるべきである。
重篤患者の「親族ではない」人への情報告知の場面。「決まりだから」親族以外には話さないのが正しいとは限らない。その患者に「命よりも大切なものをもらった」非関係者に告知する場面。当たり前なのかもしれないけれど、法は何のために存在するか、という本質を見失わなければ、答えはでる。
医療というより人の生き方を描いた物語
2017/02/27 02:44
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:りょう - この投稿者のレビュー一覧を見る
作品の解説にも触れられていたかもしれないが、よくある医療もののようなスーパードクターが難しい手術を神業でこなしていくような内容ではなく、人の命に対する考え方や、患者へ向き合う医師の人となりを描いた作品であると感じた。夏目漱石を敬愛する主人公は話し方が漱石っぽいのは面白い。私も漱石の作品は多少読んでいたのでそんな話し方になってしまう気持ちがわかるような気がした。あの時代の文学の回りくどいけど率直な文章の綴り方が好きだ。
人生において素晴らしい人格者に出会える事は幸福である。しかし、実生活で出会える人の中に本当にそこまでの人物に出会うことは稀である。小説はそれを可能にする最も良質な媒体である。神様のカルテに登場するイチさん、ハルさんもそんな素晴らしい人格の持ち主である。是非この素晴らしいお話に触れてみてほしい。
感動
2016/10/24 17:14
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:どぅん - この投稿者のレビュー一覧を見る
知名度の高い作品なので知ってはいましたが、知り合いに勧められて今回初めて読みました。
語り口調も面白く、登場人物はみんな魅力的で、何より感動しました。
電車の中で読んでいたら涙が溢れそうで大変でした。
とても心温まる作品です。
心が温まりました。
2015/09/09 20:51
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:reika - この投稿者のレビュー一覧を見る
とても読みやすい医療もののお話でした。
読みすすむめるほどに、話の中に入り込んでしまうような小説です。
主人公と他の登場人物達とのやり取りも、楽しく心が温まるものばかりで、ふんわり幸せな気持ちになります。
患者さんが亡くなったりする悲しい場面もあるのですが、読み終わったときは、晴れ晴れとした気持ちになるような一冊でした。
世の中の底辺でも、一途に物事に取り組んで人間らしく生きれたら、幸せなんだと思いました。
読んでいる間は心熱く、読み終わると何故か清々しい気持ちになる
2015/09/05 18:51
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投稿者:Miz - この投稿者のレビュー一覧を見る
この小説を初めて読んだのは4年くらい前だったと思う。医療モノの小説を初めて読んだ。
読もうと思ったのは(恥ずかしいことかもしれないが)、表紙の絵とタイトルに惹かれてだったと思う。自分好みの絵だったので思わず買ってしまった。
しかし、実際、読み始めてみるとまさに、本の世界に引き込まれるようだった。この物語は、現実の、医療現場の話であって、突拍子のない世界観でも、驚くようなアクションのある小説でも全くないのだが、当時の私はかなりの衝撃を受けた。
信州の豊かな自然、地酒、支え合う夫婦、そして、主人公一止の苦悩する姿ーー。一止と共に、医者としての不甲斐なさ、やるせなさ、残酷とも言える現実に対しての悲しみ、結論の出ない気持ちを感じつつ、読み終えた後になんとも言えぬ清々しさを感じたのは初めてであった。人間臭くも、スッと心の中に入ってくる作品である。
それ以来、新作が出るたびに買うようになった。余談だが、これを読んで夏目漱石の本にも手を出すようになった。ある意味、二重で楽しめる作品だと思う。
温かい物語
2015/07/20 13:59
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投稿者:マツゲン - この投稿者のレビュー一覧を見る
心が温まる物語。
イチさんの時代錯誤な話し方も、言葉遊びのようで面白い。
ハルちゃんのまっすぐな心が気持ちいい。
もう一度.....
2014/02/05 09:07
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投稿者:あ~ちゃん0928 - この投稿者のレビュー一覧を見る
翔くん、あおいちゃんの映画観たくなりました!