紙の本
著者の日本に対する日本人以上に深い愛情を見た思いがする
2011/10/28 21:51
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:yukkiebeer - この投稿者のレビュー一覧を見る
テレビで活躍中のタレント/放送プロデューサーの著者がテレビで言うチャンスを逃したギャグを以前からツィートしてきたところに東日本大震災が発生。
未曾有の大災害に日本中が呆然としている中で、自分のクールギャグが少しでも人々の心を明るくできるのではないかと続けたツィートの数々をまとめた一冊です。
クールギャグのクールとは「かっこいい」と「寒~い」の両方の意味を併せ持つ言葉。
そのつぶやきの多くはいわゆる親父ギャグ的なダジャレですが、少し気の利いた言い方をするならば、自由律の川柳といった趣のものです。
頁を繰りながら、幾度もクスリと笑わせてもらいました。
思い返すに、ある民放テレビ局が震災被害をもてあそんだ不謹慎なテロップを誤って放送してしまった事件がありました。あのおふざけに被災地のみならず日本中の人々が憤りを感じた一方で、この著者が震災後につぶやき続けたギャグの多くに確かに心ぬくもる思いがするのはなぜでしょう。
あのテレビ局とこの本の著者の最大の違いは、前者が自分の慰みのためにおこなった後先考えない浅はかで悪趣味な冗談であったかたわら、後者には間違いなく震災後の日本とそこに暮らす人々に対する深い愛情があることです。
この本の262頁に東京スポーツの記事が掲載されていますが、そこには著者が震災直後アメリカのメディアにノーギャラで出演し続けて、外国メディアが思うようなパニックを起こすべき状況に日本はないこと、自分は決して日本を出るつもりはないことを切々と訴えていたことが書かれています。そこには、豊富な情報量に裏打ちされた著者の深い見識、冷静な判断、そして繰り返しになりますが、日本への強い思いが確かにあるのです。
がんばろうニッポン。
そのことを伝えるひとつの特異な書として私はこの本を読みました。
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購入者松木:デーブスペクターさんのtwitterのクールギャクの傑作集
内容は全く薄い内容ですが、少し寒くなったので温暖化には一役買ったかな?
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フォロワーじゃないので、
楽しく読めましたが、
フォロワーにとってみたら、
これまで目にしたことのまとめではあるし、
言ってしまえばTwitterに行けば、
無料で読めるんじゃね?って思ったりもしますが、
ま、楽しかったので、オールOK。
ネタオンリーで行くという姿勢と、
311後もそれを基本的には貫いたポリシー。
デーブ、かっこいいぞ。
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毎日のようにWEBで彼の駄洒落ツィートを読んで楽しんでいるがそれを纏めたもの。既に読んだもの、読み落としていたものも含めて単純に楽しめる。埼玉生まれにしても日本語・地名にやたら詳しいと思っていたがデーブ本人作成の駄洒落だけでなくブレイン作成のものもあるようだ。最近は高田純次のブログ・ツィッタがパワーを失っているようだが負けるなニッポン、で奮起して欲しい。
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短文投稿サイト「Twitter」において、東日本大震災の直後、3月13日にある芸人がツイートしたひと言が今でも鮮明に記憶に残っている。エレキコミック・やついいちろうの書き込み。『とんでもなく面白いコントを作ってるよ。とんでもなく面白いからきっとみんな笑顔になるよ!とんでもなく面白いからね!』
僕が見つけたのがたまたまこのツイートだっただけで、同じような投稿をした芸人はもっとたくさんいたのかも知れない。ただ、余震が頻発し原発が爆発、計画停電の話が出て、多くの被災者が避難先を探していた、被害の全容すら誰も把握しきれていない時期である。そんな混乱の中で書き込まれた56文字の言葉。お笑い芸人なりの精いっぱいの励ましの言葉なのだろうと思った。
そんな言葉と共に思い出すのはやはり、3月19日付の東京スポーツにおいてビートたけしが語った「こういう時にさ『芸人は被災地に笑いを届けることしかできない』なんて意見もあるけどさ、そういうのは戯言でしかないんだよね。メシがちゃんと食えてさ、ゆっくり眠れる場所があって、初めて人間は心から笑えるんじゃないかな」という言葉。
確かに寝食もままならない時にお笑いどころじゃない人はたくさんいるだろう。エレキコミックのコント見てる場合じゃねえんだ!って人も多いだろう。
あまりにも正論だが、しかし僕はたけしがこういう発言をすることに何だか違和感を持ったのだ。お笑い芸人がそれ言っちゃお終いじゃないか。
震災後、ある芸能人のツイートが注目を集めている。それは“埼玉県出身”“英検3級”“CIAのスパイ”など謎の都市伝説を数多く身にまとう不思議なガイジン、デーブ・スペクター。
一貫して寒いギャグ(クールギャグ)をつぶやき続けてきた彼だが、震災後もそのスタンスは変わらなかった。しかしそれは政府や東電への辛辣な皮肉に満ち、被災者への気遣いに溢れ、現状を笑い飛ばすものだった。この本はそんな彼のツイートを集めたものだ。
『地震の被害に遭われた方に、心からお悔やみ申し上げます。いま、被災者を励まし、和ますツイートを一所懸命考えているところです。』(3/12)
という前置きに始まり、
『大好きな日本がまた笑顔で溢れる国になるよう、ボクは出来ることは何でもするつもり。ユーモアがあれば、辛い時でも電気を使わずに世の中を明るくすることができるから。』
『こういう大変な時こそ、みんなで夢を語り合いましょう。夢を持つことにはコストも燃料も一切いらないから。〈以下略〉』(以上3/12)
と語る。既にさり気なく風刺ジョークが含まれている。その後も、
『低気圧にお願いです。被災者ではなく、原発を冷やして下さい。ボクも一所懸命、寒さを原子炉に送りますんで』(3/16)
『揺れました。大丈夫ですかみなさん? もういい加減よしんさい!』(4/7)
『大阪の人に「夏場の電気は大丈夫?」と聞いたら「送電なあ」と答えられた』(4/24)
と飛ばしている。3月26日には、
『この時期の僕のTwitterでプッと噴き出してくれると嬉しいし、イライラしたらアンフォローしても構いません。近々昔見たいに100%クールギャグに戻すつもり。不謹慎なつもり���一切ありません〈以下略〉』
とつぶやいている。
いや、冗談でもなんでもなく、この人は凄いことをやってのけていると思う。お笑い芸人でもないこの謎のガイジンが、驚くべき観察眼と分析力で未曾有の災害を笑いに転換していった。なんか世間では「この人を誉めるのはマズイ」という風潮があるけど、実際スゴイ人だと思う。7月24日にTBS系で放送されたTV番組「ホンネ日和」ではやくみつると対談し、日本に対する率直な愛を語っていたっけ。
震災とは関係ない単なるダジャレも多いし、オチが無いときもある。ともあれ、これら数々の言葉(クールギャグ)に、元気をもらった人も多いという。結局たけしが放棄してしまった「笑いで人々を元気にする」を実践したのはこの不思議な男だった。その意味って何だろう。
『ウサマ・ビン・ラディンが亡くなりました。アルカイダ(Al-Qaeda)と最初耳にした時、理想郷(Arcadia)とちょっとだけ音が似ているように感じました。でも理想郷はテロでは作れません。暴力の連鎖がなくなることを祈ります。』(5/2)
この人が鋭いアンテナと冷静な批評眼を持っていることは疑いない。そこにギャグの寒いセンスが絶妙にブレンドされている。
現在でも、
『野田政権のホントのネーミング→ド税内閣』(9/6)
『北海道出身の某経産大臣が出没→釧路失言』(9/10)
と活発につぶやき続けている。世の中を明るくするために必要なのは140文字足らずの言葉。
『今日も余震が各所で起こりましたが皆さんは大丈夫でしたか。明日こそ何も起こりませんように、そして誰も怒りませんように。おやすみなさいm(_ _)m』(4/16)
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震災後の日本をギャグで元気にしようという、デーブの日本愛を感じますね。トイレで少しずつ読みましたが、笑ってしまいました。プッ。失礼しました。/m(_ _)m