紙の本
エネルギー政策の誤りと、真に有効なエネルギー源とは
2010/11/18 21:36
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:MtVictory - この投稿者のレビュー一覧を見る
太陽電池や電気自動車がエコだというのは単なる「エゴ」に過ぎない。誤ったエネルギー政策を指弾する書。著者は「はじめに」で本書は「利権とは関係なく、科学としての事実」を書いた、と言っている。現在のエネルギー問題には利権がからんでいるものが多いこと、誤った情報が多いからだ。エネルギー問題は我々の子々孫々の代の生活にまで関わる問題であり、今の世代には責任がある。
本書を読めば石油はいつかは枯渇し、太陽電池や風力発電といった代替エネルギーも石油に取って代わるほどのポテンシャルがないことが分かる。第一章の最後では「ないものはないと決意してしまえば、そこから将来は見えてきます」、「決断するときにきている」と著者はいう。果たして我々はどう決断すればよいのか?
本書では、地球温暖化に関しては誤報や不適切な報道が続いていることを指摘している。また、エネルギー問題で日本の将来を暗くしているのは無策だから、とも言っている。解決策はあるのだ。まず、石炭を見直そう、といっている。石油のように偏在しておらず、埋蔵量も豊富だ。更に、オイルサンドなど「使いにくい石油」の利用技術を確立することで、石油に代替できるとしている。そして原子力発電だけで電力は十分に賄える。非効率な太陽光や風力発電なぞ作るだけ資源の無駄なのだ。そう言われるとショックを受ける人は多いだろう。
第三章ではハイブリッドカーのオーナーには厳しい現実が書かれている。自動車製造、修理を考えると資源やエネルギーの消費量はトータルではガソリン車と同じ、だそうだ。プリウスに乗っていてもあまり胸を張れないらしい。
本書から学べることは、日本で何かにつけ危機を煽る輩は利権がらみと思ったほうがよい、ということだ。国民の不安に付け込んだ「不安商品」を売りつけようとしているのだ。将来、本当にエネルギー不足になったら江戸時代の生活に戻るしかないかも。私が生きている間にはそんな自体にはならないが、我々の子孫をそんな状況にしないためにも、的を射た新エネルギー技術の開発を進める必要がある。
紙の本
有用な一冊
2011/06/26 11:18
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Genpyon - この投稿者のレビュー一覧を見る
本著は、日本のエネルギー問題に関して論点を整理し、問題解決の方向性を示唆する。特に、地球規模での視野からエネルギー動向の変化を検証し、エネルギー動向全体に対して影響を及ぼしえない無意味な方向に向かって進んでいく現状の批判が、小気味よく展開される。
政治的利権や経済的エゴに操作された口当たりのよい偽善的な情報が、日本のエネルギー問題を根本的には解決しない方向に導くばかりか、本当に対処すべき問題への対策を遅らせているとの著者の警鐘には、聞くべきものがあると思われる。
著者も前書きで書いているように、本著は、たしかに政治的利権などとは無関係に書かれているようだ。もちろん、だからといって正しい内容が書かれているとは限らないのだが、視野の大きさは参考にするべきものがあると思われるし、個別的テーマにおいても説得力のある議論が展開されていると思う。
一部、不可知論に逃げ込んでいるのでは、と、残念に思われる部分もあるが、全体として、参考になる視点や見解が多く掲示され、有用な一冊だと思う。
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”風力発電のことを考えるとき大切なことは、人間だけのことを考えて「風はムダに吹いている」
と考えるのをまずやめることです。”
「環境」をどう捉えるのか?
安全性に絶対を求めるのではなく、危機に備える(我々日本人の陥りやすい罠ですねえ^^;)
この本の内容全てが真実とは思わないが^^;このような見方・考え方は持っておくべきだとは思う。
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人間は「いいこと」を無条件に信じ込んでしまう傾向にある。それが本当に正しいのか検証するよりも、自分が「いいこと」をしているという満足感が先に立ってしまうと、自分にとって都合の悪い真実から目を背けてしまうかもしれない。それが「エコロジー」の現状なのかもしれない。の\それはわかる。だが本当に著者がいうように原子力発電が唯一の解決策なのか。本当に安全性は確保できるのか。本書の結論は、地球がCO2排出のせいで温暖化しているというデータは疑わしい。あと100年ほど、石油はなんとか持つ。その間に何か画期的な発明が必ずなされるから心配いらない。原子力発電と風力、太陽光発電などのどれかとの併用で充分。ということか。でも結局は地球が提供できるエネルギーの総和以上に人間が増えすぎた事が問題なのだろう。増えすぎた個体は減るか最悪絶滅してきた訳で、それが自然だとも言える。なんだか虚しい読後感だった。
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2011/5/7 2:55 読了。
震災前に書かれた本であることもあり、間違っていると思われる箇所も散見するが、考え方に同意する箇所も多い。
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うーん、武田氏のテレビトークで興味を持って買ったけど、苦手な分野だ。
ともかく、原子力自体は安全で、地震がその脅威だとということ、環境を守るとこをよく理解していないと、環境を破壊することが理解できた。
太陽発電を取り入れようとしたら、その発電するためには30m四方の取り入れ装置が必要と夏から無理だねって事。
やっぱり、トークで面白おかしく聞くほうが楽しいです。
ロジカルに理解しても、だから、、、て感じでした
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常識が覆された。
よいこと、わるいことを正確な情報も無しに決めつけるのは、自分たちの選択肢を自ら狭めているに他ならない。
原子力の持つエネルギーを改めて見直したい。
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To be honest, I've been skeptical about the author's opinion so I didn't feel like purchasing his books. But finally, I got this one.
Fortunately, I didn't find so much unreason after reading it. And I'd like to summarize the author's view.
1.Global warming may not, or probably will not occur.
2.Energy resources are sustainable for more than three thousands years as long as nuclear power safety problems of earthquakes and other natural disasters are solved.
3.In the end, future people will become indifferent about envionmental problems and will enjoy their lives happily.
I agree with his view about 2, and it is difficult for me to accept 1. In my opinion, we should always expect the worst just in case. In the future, it will be all right if serious climate change doesn't happen, but if future environment becomes out of conrol what can you do? It is too late when global warming-induced disasters have actually occurred worldwide.
I'm afraid that his view about the possibility of the catastrophe is too irresponsible and optimistic.
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石油が後○年と言われてたけれども、聞くたびに変わっていたのでその点は本を読んで納得。
また、発電方法は学校の授業で聞いたぐらいで自分で調べたりはしていなかったので、それらのマイナス面が興味深かった。
エコの面も少し書かれており、エコカー減税やエコポイントに対して私が持っていた疑問を解消してくれた。
後日同著者のエコロジーの本も読んでみようと思う。
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「偽善」シリーズ大二弾読了。
今回はエネルギーについて。普段私たちの生活がどれだけ石油で賄われているかがを知ってまず勉強になった。
でもその石油も有限で、じゃあ代替エネルギーは?って話になるんだけど、あれ?太陽光発電とか風力発電ってエコじゃないの?ってまた目から鱗。
本当にマスコミの力って絶大だなあ・・・国民は良いように振り回されてんなあとか思ったり。一体何を信じていけばいいんだか。
マスコミや政府が言っていることを鵜呑みにせず、まず自分の頭で考えること、疑ってみることをしてみよう。
内容は論理的でとても読みやすく、無知な私でも理解しやすかった。若干言いくるめられているような気もするけど・・・(笑)
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エネルギー、環境について間違った情報、知識、常識を指摘する内容。
昨今の商業的「エコ」や、政治的アピールの「環境」に疑問を持っていたので、非常に納得できた。
テレビの一方的情報に危険性を感じた。
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読み終わったのは、数ヶ月前なのですが。
いくつも疑問に思っていたことへの答えがあって、これから知識が増えて行けばまた変わるかもしれませんが一つの基準となりそうです。
そして、一つ一つのネタの正しさは実はものすごくは重要ではなくって、モノの見方、姿勢のヒントになります。
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これは、読んだ方がいいです。東電原発事故をきっかけに武田先生のこの本を知るに至りました。原発のことだけでなく、石油などのエネルギーの国内事情・世界的事情は、スケールがデカくて難しそうだしとてもついていけない・・と思っていましたが、分かりやすく解説してくださっいて寧ろ、私のようないち庶民こそ知っておかなければならないと思ったし、社会に対する視野も広がった気がします。気になる所が若干あったけれども。どんなホラー映画とか物語よりも「怖い・・・」と日本の将来について背筋が寒くなる話もアリ。あ、これは決して脅しではなくて、知っておいた方がいいお話なんです。
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今回は再読。この人の主張していることが科学的に,社会的にどれほど妥当性を持っているのか,正直なところよくわからない。過剰なリサイクルは幻想にすぎない,というのはわかるような気もするが,温暖化の是非については判断がつかない。ファナティックなエコロジストよりは聞ける部分は多いとは思うものの,専門家の間でどう評価されているのか。
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今後のエネルギー戦略を考えるうえでの一つの判断材料にはなりうる。ただし鵜呑みにすると危ない雰囲気も感じた。