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(No.11-86) これはお仕事小説と言ってもいいでしょうか?
『矢吹明菜(やぶき あきな)、女三十にして全て(厳密に言えば職と男)を失った。人生の谷底・・・、なのになぜかちょっと楽しい。旅に出てなんとなく神戸に。9月も終わりの舞子海岸で旅の開放感から、出合った老人(白石麟太郎)に会社をクビになった話をしてしまう。白石は明菜に京都からある男を神戸に連れてくるというアルバイトを持ちかける。依頼主が白石ということを内緒にして。報酬に釣られた明菜は、嘘と暴力で一宮拓斗を無理やり連れてくることに成功して・・・・。』
私は音楽全般に疎くて、当然クラシックも全然分からない。それでもこの小説はものすごく面白く読みました。もしクラシックの題名を聞いて、それが脳内で聞こえてきたらもっと臨場感を持って楽しめたと思います。
でも分からないから逆に演奏会を開くための準備のあれこれが新鮮で、へぇ~こんなに大変なんだ!とわくわくしました。
登場人物は、はっきり言ってこんな人はいないよね~という人ばかり。変人しか出てこないんです。ストーリーは予想通りに展開して行き、なのにほんとにそうなるのか心配で一気読みでした。予想通りになってがっかりする小説もあるのですが、この本に関してはもし予想通りに進まなかったら不満だったでしょう。
予想をちょっと外れたのは、明菜が抱えていたものがここまで重かったとは、ということでした。何か屈託があるとは感じていましたが・・・・。
この物語は癒しと再生の物語だと思います。ありえないかもしれないけれど、でもこんなことがあったら素敵だなあ。
気持ちの良い読後感で、ほっと一息。
年の瀬にあまり重いものは読みたくない方に、お勧めです!
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職と恋人を失い傷心旅行で神戸に来た明菜.偶然浜辺で老人に出会う.彼はつぶれかけのオルケストラ神戸のオーナーだった.このオーケストラのために奔走することになった明菜.かつては世界的な指揮者だったが今は何故か隠遁生活を送っている一宮拓斗を引っ張りだし、起死回生の演奏会を目指す.しかし会場の問題やソリストのドタキャン、曲目変更など次々と難題にみまわれる.オーケストラや裏方の面々のキャラも魅力的.当然ながら会話もほとんど関西弁でポイントアップ.読んでいて音楽が聞こえてきそう.ただラフマニノフが成功した理由がもう一つ説得力に欠ける.それと前作でも見られたように不必要な人間関係が気になる.
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良かった良かった良かった~
失意のマエストロと潰れかけ楽団の再起の話。
これが、笑いと感動に満ちている。
しかも、その笑いも「笑える」というレベルじゃない、とにかく面白い。
P42では、本当に笑った。 おんもしろい。
感動もドドーンと読み手に迫ってくる。
何度も泣きそうになった。ちょっと泣いた。37のおっさんが”ちょっと”泣くというのは、これはこれで極めて稀な事。 でも自然にうるうると…。
前作「盤上のアルファ」もすごく面白かったけど、今作は更にイイな。
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明菜という名の三十路の女子が頑張る話。
タクトという名の内股の男子が蘇る話。
神戸のなかでも、若干マイナーな湊川、橋ができなければ誰も知らない舞子。でも、私はめちゃくちゃ知っている
湊川も舞子も。それだけで、十分にニヤニヤしながら
読めるわけだけれど、舞子でなくても湊川でなくても、きっと面白いストーリーだろう。
底辺の今の自分からムクリと起き上がり、
自分の足で歩く姿は、どんな時も
気持ちがいい。
元気になるね、面白かった。
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とても面白かった。登場人物全員に個性があり、自分の中にすーっと入ってきます。
オーケストラの大変さだけではなく、その裏側のストーリーが好きでした。
音楽、クラシック好きにはおすすめです。
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ちょっと
読み出したのですが
いゃあ
面白い!
久しぶりに
「ページをくるのももどかしく」状態
を堪能させてもらっている
前作「盤上のアルファ」でも
活かされていたけれど
登場してくる人物たちの
どれもが
魅力的に描かれている
このままだと
あっさり
最終ページに
いってしまいそうだ
…
そして
一時間後
やっぱり
最後までいってしまった
この 読後感
ちょっと古いけれど
映画「オーケストラ」を観たときに感じた
わかっているのだけれど
それでも 最後まで引き込まれてしう
それと同じ感覚を持たせてもらった
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これはおもしろかった!
一癖も二癖もある登場人物達。でも愛すべき人たち。
主人公女子に暴力で脅されて、いやいや弱小楽団の指揮をする羽目になる、気弱なんだけど天才的な指揮者をあの人に演じて欲しい。
これ、絶対映像化されると思う。
飛び抜けた集中力を発揮する人には変わった人が多い的な記述にうなずきまくり(笑)。
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表紙買いした作品。
『無名に等しいオーケストラを、職を失って放浪中だった女主人公と過去の失敗から一線を去った指揮者が中心となって、ある人の為に演奏会を成功させようと奮闘する。』
あの裏方のドタバタ感は、学生オケで執行部をやっていた頃を思い出させてもらいました。
エピローグのある人の語りに、思わず電車の中で泣きそうでした。
演奏会の曲目を聞きながら読むのもいいかもしれません。
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ストーリー性は悪くないが、文章や表現がやや稚拙。音楽という奥深い世界を主題としている割に、描写が浅くて、迫力不足は否めない。期待していただけに残念。
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タイトルがうまいなぁ。
最後の最後で、
(まぁ、かなりくっさいんですが)
そういうことかぁと分かって、
本当にすっきりしまりた。
しかも、指揮者や演奏者がプロなのはもちろんのこと、
楽団を運営し、演奏会を取り仕切る裏方さんの
プロ魂がうかがえるところが面白かったです。
きれいごとだけでは楽団は動きません。
演奏者が100%演奏に集中するためには、
多くの人がバタバタしてくれているから。
忘れちゃいけませんよねぇ。
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基本的に音楽モノに弱いので、そこを織り込ませての最高評価です。
前作、盤上のアルファでも曲者共をチャンプルーにして楽しませて貰ったけれど、更に更に良くなってる。曲者と曲者を絡めさせる能力は一級品かと。久々に声出して腹抱えて笑った。そして、泣かせても貰った。これは、白石のじーさんがすこぶる効いてるんだなぁ。事実彼に泣かされたんだし。このじーさん、他人の口から出てくるその人となりは人徳に溢れ、身内に対する自分の気持ちもぶれずに強い。きっと「体験した事で得た気持ちを忘れない」っていう人生なんだろうな。見習いたい。
実写でもアニメでも映画でも連ドラでも、なんでも良いから映像化して欲しいと思った。
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正直取り立てて素晴らしいとわ思わない。フツーの小説。だけど、音楽でつながるってステキだな、音楽に情熱を注いで音楽で感動を得るの好きだなと心から思わせられた。
オケや吹奏楽経験者にはそこのところが届くと思う。
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何かのために誰かのためにがんばる感じ。
がんばりたいからがんばる。自分のためでもあるけど。
http://feelingbooks.blog56.fc2.com/blog-entry-840.html
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仕事も彼も無くした女性が
つぶれかけのオーケストラで奮闘する。
弱気の指揮者のお尻は蹴るは、ヒールで殴るは
めちゃくちゃな主人公ですが引き込まれます。
近頃増えた音楽がらみの物語ですが、
あまりクラシックに詳しくない私としては
これぐらいの音楽加減がちょうどいいですね。
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主人公・明菜が強気すぎるキャラでグイグイ道を切り開いていくのが痛快で面白かった。
でも明菜が拓人に惹かれるのが唐突というか、最初の方で印象最悪で、見下している感すらあるのに、いつの間にかどうしてそうなった、という思いが否めない。