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元は凄腕の岡っ引、今は版木彫り職人の伊之助。定町回り同心石塚宗平の口説きに負けて、何者かに刺殺された島帰りの男の過去を探るはめに。綿密な捜査を進め、二十五年前の三人組押し込み強盗事件に辿りついた時、彼の前に現れたあまりにも意外な犯人と哀切極まりないその動機―江戸を流れる河に下町の人々の息づかいを鮮やかに映し出す長編時代ミステリー。
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内容(「BOOK」データベースより)
元は凄腕の岡っ引、今は版木彫り職人の伊之助。定町回り同心石塚宗平の口説きに負けて、何者かに刺殺された島帰りの男の過去を探るはめに。綿密な捜査を進め、二十五年前の三人組押し込み強盗事件に辿りついた時、彼の前に現れたあまりにも意外な犯人と哀切極まりないその動機―江戸を流れる河に下町の人々の息づかいを鮮やかに映し出す長編時代ミステリー。シリーズ第三弾。
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「彫師伊之助捕物覚え」は、藤沢周平の他のシリーズもの、例えば「用心棒日月抄」や「隠し剣」などに比べると、ある種の派手さがないので、一、二作は読んだものの、この三作目は手付かずであった。コロナの外出自粛で、溜まっていた本を読み進めた中の一つであったが、思いのほかツボにはまったようだ。筋立てにドキドキ感があるわけではないが、伊之助や取り巻く人達の人間描写に加えて藤沢周平特有の言い回しや、世情描写が、江戸の町とそこに住む人たちを生き生きと描き出していて、その時代へタイムスリップしてはまり込んでしまったようだ。
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彫師伊之助捕物覚え」シリーズの第三弾、とは知らずに読んでいた。
ミステリー仕立ての捕物控えは、一筋縄ではいかない複雑な人間関係を含んでいて、謎解きストーリーだけでも引き込まれるのだが、ページのあちらこちらに主人公の心情と江戸風情が丁寧に、粋に描かれていて読む者は作品の中に引き込まれるようだ。
読み終えてしまった、名残惜しいという読後感。
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25年前の押し込み強盗の犯人である3人が次々と殺害される。元岡っ引きの伊之助が今回も同心の石塚に捜査を依頼され、犯人捜しをする。今回は登場人物も多く、伊之助も丁寧に関係者を一人ひとり洗いながら真相にたどり着く。江戸の町を歩き回る場所も多く、ゆったりとした江戸の町を散策しているような気分も味わった。25年前の事件であっても人の感情、特に負の感情はぬぐい切れないらしく、なんとも切ない読後である。飄々としている伊之助が、地道な捜査をする現代にも通じるハードボイルド探偵に見えた。
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藤沢周平作、彫師伊之助捕物覚えシリーズ、№1の「消えた女」、№2の「漆黒の霧の中で」は、2冊とも途中早い時期に失速しました。№3の「ささやく河」も一応読み始めました。全497頁、1988.9発行。「ささやく河」はなんとか読了しましたw。でも、読後感はすっきりした感じはなく、やるせない思いが強いです。私には苦手なストーリー、そして苦手な結末です。
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ハマりました!
確か一万円選書の一冊だったと思うのですが、やっと読み始め、始めたら2日くらいで読み終わるくらいに夢中で読めました。
江戸のこういった捕物系は面白いな。
義理人情があちこちに出てくる感じも雰囲気がいい。
伊之助がなんだかんだ事件にのめり込んでいってしまう感じが、口ではなんと言おうと生粋の岡っ引きという感じでよい。
しかしシリーズの3部目とのことで、ここから1,2部に戻りたいと思います。
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宮部みゆきのおすすめ藤沢3冊の1。
シリーズ3作目ではあるが、これだけ読んでもなんとかなる。
暗い。でもかなり面白い。
たくさんの人に事情聴取して真実にたどりつくという、推理モノで当然の流れをうまく活かしてある。
後半になってようやくタイトル回収したのでほっとした。
最近読んだ、山田風太郎『夜よりほかに聴くものもなし』に似ているところがある。
理由あっての殺人。それが許されるのか否か。法とはなんだろう。
生きるうえでままならないことはたくさんあるのだが、死ぬより辛い生にいる元凶になった相手がいるのなら、こんな思いが芽生えるだろうか。
自分の命がつきるとき、こんなふうに虚しさを覚えるものなのか。そしてこんな覚悟ができるだろうか。
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彫師伊之助最終作
だと思う、この続きが他の作品に繋がってあるかはわからないので。
1.2作より伊之助さんのカッコよさが減っちゃってションボリ。そうか、私はこのシリーズで伊之助が匕首をもった刺客相手に体術のみでかわし、おまささんとのあったかいやりとりをする、めっちゃクールでカッコいい漢を求めていたのだ。その辺りが今回は少なかったのね。