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大人気の精神科医が「スピリチュアル」について論じた本。中立の立場ではなくて、スピリチュアルに批判的。特に江原啓之については、遠まわしに「詐欺師」と言っているのではないかと感じるほど。
それはともかく、著者の考える「スピリチュアルと宗教の違い」には凄く納得出来た。スピリチュアルを否定するつもりはないけど、その影響力は個人の中に留まり、世界平和なんかに貢献することはないと思う。
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2006年に精神科医の香山リカが書いた最近の日本のスピリチュアル・ブームの現況を解説した一冊。江原啓介をスピリチュアル界の代表的存在として取り上げ、精神的・霊的に飢えた日本人、特に日本人女性の「自己主義」「自己肯定」への渇望に対するヒーラーとしての位置づけを分析的に紹介している。基本的に信仰をもたない日本人は、現代のように極めて不確実、不安な時代を迎えると、「何のために生まれ、何のために生きるのか」といった根源的な問題への解をヒーラーたちの語る「前世」「霊」「波動」に求めるようになる。マーケッターである小生は、この本をマーケティングの見地から読んだが、マーケティングのテキストとしても使用に耐えうる良著であると判断した。マーケティングの仕事に携わる人は本書を読んでおくべきだろう。
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神経科医の著者が、スピリチュアルブームを斬る。オウム真理教で懲りたはずの日本人が再びカルトにはまる人が増えている、ただし今さえ良ければいいという現世主義的なもので、江原啓之の社会的発言には反応していない。
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著者はどちらかといえばスピリチュアルに否定的だが、どんな方法であっても苦しんでいる人が楽になるのならいいと思う。
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いったいどこまでがスピリチュアルでどこからがそうでないのか。
スピリチュアルカウンセラーなど信用したことはないけれど、たとえば滝周りの清涼感やゴミ屋敷の不浄感は感じ取れる。
そして清涼感の心地よさを求め、身の回りをクリアにした結果、物事によい結果が出る。
これは言う人が言えば「マイナスイオンに導かれた」というある意味スピリチュアルな案件となってしまう。
しかし一方でスピ系自己啓発を読み続けることが目的となっている人もいる。
要は、この本に書かれているスピの効用をうまくコントロールして取り入れるのが賢いやり方なのではないだろうか。
「イワシの頭も信心から」とは、まさにスピリチュアルであることを鑑みれば、昔から人はそれをわかっていたのだろう。
宗教とスピリチュアルの違いには深く納得させられ、ウィニコットの「移行対象」「中間領域」は自分自身にもあてはまり、自己分析的にも眼目だった。
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前から読んでみたかったのだが、どうも定価を払って読むほどではないよなぁということで正月に暇つぶしに寄った実家の近くのブックオフで半額でゲット。
なんというか、香山リカさんもテレビにたくさん露出しているから、同じようにやったらテレビに出まくってるスピリチュアル・カウンセラーを徹底的に批判するってわけにもいかないんだろうなぁという「配慮」だか「遠慮」だかわけのわからないトーンの感じられる本でした。
「自分だけを救ってくれなきゃいやだ」っていうので宗教じゃだめだ、っていう理論も面白いですが、だっからエハラーに走るのかっていうのもどうもよくわからないです。
books81
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精神科医でいろんな著作で有名な香山リカ氏のスピリチュアル現象にたいする考察。
スピリチュアルが、「東大教授も認めた」でなく、お茶の間でアイドルとともに軽く語られるような話題だからこのように大衆受けするというのにはなるほどと思った。
スピリチュアルと宗教は似ているようで水と油のような関係。
あとがきで著者自信「自分はスピリチュアルにハマるタイプか、はまらないタイプか」ということについて書いていたが、それを私自身にも問いかけてみたが、どっちとも言えない。
社会の風潮とか、他人の受け売りに乗じて「私はあの世、前世を信じます!!」とかいうタイプではないが。
「魂」「死後の世界」とかいった話題は、古代エジプトや、プラトンの哲学なんかから延々と続いている、案外人間にとって根本的な方向性を説いているわけで、きっとこういう話は1000年後も延々と議論されているんだろうな、と思う。
もし、科学の力で誰の目にも客観的な形で「あの世」「死後の世界」が実証されたとしても、(「前世体験」という本が一時期話題になったこともあったが。)、きっと僕は「それは果して真の実在と言えるのか!?」と哲学的に反駁しているかもしれない。
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ハマる人とハマらない人の違いかと思ったらそうではなく、ハマらないタイプの著者の視点からハマっている人やスピリチュアルな人々について客観的に解説している本だった。スピリチュアルについて客観的に理解するのにはとてもわかりやすい本。ちょい批判というスタンスかも。
私もかつてはハマってた時期があるのですが、この頃ほとぼりが冷めたというか、ハマっている人の言動に例えようのない違和感を感じるようになって、この違和感はどこから来るのだろう?とモヤモヤしていたのですが、そのモヤモヤの正体が見えた!という感じがしました。
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結局良く分からない本であったが、スピリチュアルなことが分かったことでまあ良しとしよう。目に見えない物をどのように解釈するかの方法論を、今までの自分より、広げることが出来たのは収穫だ。
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スピリチュアルに対する批判、もっとスパッと厳しく言い切ってほしいところではあるが、香山さんもtvによくでておられる有名人だし、かなり遠慮がちなのは仕方ないのかなぁと思う。
ともかく言いたいことを当たり障りない範囲で書きましたというところでしょうか。スピリチュアルに嵌っている人には是非読んでいただきたい。
ブームが下火になった今なら冷静に読めるのではないでしょうか。(^_^)
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昨今、占い全般、風水、パワースポット、パワーストーン等々、スピリチュアリズムに関する本が、ほぼ毎日刊行されている。
元々文化的にそういうモノを受け入れ易いのだろうが、それでもなぜこうも書籍やイベントが氾濫しているのか。
既存宗教や新興宗教や自己啓発セミナーとはどう違うのか。
ちょっと調べてみると、そこから見えてきたのは過去の流行や健康食品や美容法等との共通点、そして「幸」に対する捉え方……?
精神科医がスピリチュアリズムが好意的に受け入れられる背景を考察した、現代社会論。
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書籍でも言及されているが、昨今流通しているスピリチュアリズムに関する本の多くは、「持つだけ・行くだけ・やるだけ・続けるだけで幸せになれる・幸せを呼び込む」、要は『軽く、早く、マジカルに利益を得る方法』を謳っている。つまり、そういうものにのめり込むほど「幸」に飢えている人が多いということだ。
そしてそれはスピリチュアリズムに限らない。健康食品やダイエットやアンチエイジング。それらにのめり込む人もまた同様なのだ。
そして「幸」に飢えている人は、本物の能力者に対しても、自分の「幸」に反する答えは無条件に拒絶する。能力者の社会的発言を無視したり、能力者が提出した自分の意に反する回答に反発したり。そういうことに関する本を読んでいると、依頼者のそうした態度・エピソードに嘆く能力者が時々描かれている。
これからも幸せになれるスピリチュアルな方法が書かれた本が出たり、特集が組まれたりするだろう。そうしたことに夢中になるのは悪いことではない。
しかし、時々はスピリチュアリズムについて考えてみたり疑ってみたり、また、「幸」について考え抜いてみてはいかがだろうか。その時は、この本が参考になるだろう。
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高校時代の友人が突然「私にはオーラが見える」と言い出した。友人であるがよく分からない人だったから、私はすごく懐疑的になる一方、共通の友人はすんなり信じてしまったようだ。その違いは、どこにあるのか。この本を読めばわかるかも知れない。そんな期待を胸に手に取った本である。
様々な文献から引用しつつ、議論を発展させており飽きずに読むことができた。
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香山リカがスピリチュアルについて、それを提供する側とされる側を分析した本。香山リカ自体が、得体の知れない心理学者で胡散臭いわけだが、引用する文献や作品に首をひねる箇所は多々あったが、総じて割とまともなことを言っている。特に、スピリチュアル界で影響力のある江原さん(確かに彼は悪人には見えないわけだが)が、まともに政治的な社会的な発言をしても、誰も見向きもされず、相変わらず女性から色恋ごとしか聞いてもらえない、というところは確かになるほどなと思った。
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私は完全ではないけれど、スピリチュアルを信じている人間です。人生、性格、出来事は、スピリチュアル的な事柄によって、決定されている気がします。
香山さんは、信じておられないようですが、私は「科学では証明できない何か、事象がある。」と信じています。
私はスピリチュアルに飯田史彦さんの本から興味を持ちましたが、学者が言うから、スピリチュアルではなく、学者でもスピリチュアルに傾倒する、と考える方が正しいと思います。
香山さんは、今は信じてないけれど、スピリチュアルを感じることがあれば、多分信じると思います。
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精神科医の香山リカが、出版当時世間をにぎわせていたスピリチュアル・ブームにちくりと苦言を呈した本です。
佳川奈未らのあからさまな現世利益志向や、稲盛和夫らのビジネス界にはびこるスピリチュアル的言説をとりあげ、さらに村上和雄や飯田史彦らのアカデミズムにおけるスピリチュアルへの接近などにも触れています。
その上で、スピリチュアル・ブームの最大の立役者である江原啓之がとりあげられます。そこでは、ブームを作り出した江原本人が、彼の声に耳を傾ける人びとの現世利益志向に行きづまりを感じているのではないか、という見立てが示されています。
「トンデモ」批判というアプローチではなく、ブームに加わった人びとの社会心理学的な問題に迫るというアプローチが取られているのですが、どこか第三者的な感想を記しているにすぎないのではないか、と思えてしまいます。