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故・金正日総書記の長男・金正男氏と東京新聞記者・五味洋治氏との150通にわたるメールのやり取りとマカオでの独占インタビューをまとめた告白本。金正男氏といえば2001年5月偽造旅券で日本に入国しようとして拘束され、国外追放になった「放蕩息子」のイメージが強かったが、告白本の内容だと極めて冷静に北朝鮮の疲弊した現状を分析し、北朝鮮国民の将来を憂慮する頭脳明晰な人物という印象を受けた。
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世界中の耳目を集める金正男氏への単独インタビュー本。
今、このタイミングで読むことに大変な意味があります。
金正日氏の後任である正恩氏は4月15日の金日成生誕日辺りに正統な三代目党首として就任するであろうと言われています。
しかし、彼が就任したとしても本当の意味での後継者争いは未だ渦中なのだということを思い知らされる内容があらゆる文面から読み取ることができます。
正男氏を取り巻く中国、正恩氏、北朝鮮軍部、韓国、朝鮮総連、アメリカなどの色々な状況が今まさに現在進行形で歴史として動いているのです。
正男氏は現在、北京と澳門を本拠地としているため、やり取りしたメールは様々な検閲を受けているに違いありませんが、それでもなお正男氏本人からメールをそのまま翻訳しているというだけあり、彼の人物像を描くのに苦労はしません。
経済に明るく中国式民主化の改革・開放推進派である彼は父正日と政治的な意味合いでは袂を分かったとあり、それ以降、北朝鮮の政治に発言する立場にないともあります。
この彼の言動からは政治への野心が弱くない事が伺えます。
もしかすると父正日氏は正男氏の野心が他国によって利用される=北朝鮮が利用されるという事態を危惧し、それを原因に政治的に袂を分かったのかもしれません。
五味氏は危険な状態にいる正男氏の了解半分に半ば強行で、同本を出版したかの様な記載をしていますが、それは正男氏の立場を守るための小説(嘘)でしょう。
三代目が絶対的カリスマ性を(国内に)持つ前のこのタイミグでの発行を正男氏自身が望んだと思う方が自然だと思います。
また、五味氏はテレビ番組にてオンレコの中でも比較的安全な部分を書きだした本だと言っていましたが、隣国として第二弾もタイミング、内容を共に期待せざるを得ません。
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東京新聞記者による,金正日の長男・正男とのメールのやりとりとインタビューの記録。一介の記者とこんなに詳しく情報提供してくれるなんて。いいヤツだな,金正男。
メールの羅列はいささか冗長だったが,正男の開明的思考,世襲反対の姿勢,祖国愛などが垣間見えた気がする。
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著者の丹念な努力が実を結んだ結果のスクープ。金正男の人柄や思想を窺い知ることができ興味深い。日本では当たり前な思想も、北朝鮮という国においては命をも狙われなかねない危険思想か。事実をそのまま伝えようとしたためだろうか、メールをそのまま引用した箇所が相当のページ数を占める。どういうやり取りがされたのかそのまま知りたいと思うのはもちろんだが、他方で、どきどきわくわくを期待する気持ちがあった身としては、単調にも思われる。よって☆4つ。
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なんだか日本の報道では不法入国の時の映像ばかりで、ダメな息子的な感じで語られてたのが多かったせいか(自分の情報収集が悪いかもだが)すっかりそう思い込んでたけど、この本読むと印象は変わる。
開放路線を主張し、経済にも明るいということが伝わってくる。また、大げさには行動できないところも考慮してて、そこら辺も非常に知的な人なんだなというのがわかる。
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-2012/02/12 金正男の言葉から、父正日が北朝鮮の行く末に心を砕きながら、正に最高権力者=最高責任者として苦悩して決断しているのが伝わってくる。三代世襲を否定しながら、結局そうしなければ国体が維持できなかったのだ。
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数時間であっという間に読み終えた。
ネット掲示板上などでは、正男氏は他の兄弟の比べても機知に富み、国際感覚を身に付けた上で客観的に北朝鮮や諸外国を評価することのできるクマのようなかわいい人物、ということになっている。本書を読めばそれがいくぶんか現実味を帯びてくる。
率直に感じたことは大きく二つだった。
1、実父、金正日は心から北朝鮮の将来を考えている愛情に溢れた人だと、正男氏がはっきり言葉にしていること。
2、拉致問題に関して、正男氏もやはり踏み込んだ発言はせず、進展は難しいとまで言い切ってしまっていること。
特に2が、個人的には残念でたまらなかった。被害者家族のことを考えると、どうにか解決のきっかけをつかんで欲しいと北朝鮮絡みのニュースを見るたびに思っているから、とても歯がゆい気持ちになった。
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極めて面白い内容。10年ほど前の日本から強制退去された頃のふてぶてしいイメージが残っていたが,すごく優しくて誠実な方だったんだ。作り上げられるイメージというのは怖い。
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著者と金正男とのメールでのやり取りがメインで特に新しい情報や暴露があるわけでない。でも、北朝鮮の中枢に近い人物の生の声は貴重かも。正男をサポートしてると思われる中国のしたたかさ。そして、近くに情勢不安定な国が存在するのは怖い。
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不法入国しようとして捕まって、「ディズニーに行きたくて」という理由に、「残念なオトナ」なイメージを持ってしまっていた正男氏。
最近は、実は全うな感覚を持つ、彼の国にはなかなかいないタイプで、未来を担うのはむしろ彼でないと!的な評価も聞く。
この本は記者と正男氏の探り探りから、たわいないやりとりまで、メールと対談が記事になったもので、正男氏へのイメージががらっとかわる1冊だった。
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まさお氏は、メールの内容(や場合によってはインタビューの一言一句まで)が北朝鮮や中国(あるいはアメリカ)当局に筒抜けになっていることを前提として、自分は北朝鮮の政治とは関係ないというエクスキューズを上手いこと使って、言いたいことだけを言っており、なかなかにしたたかです。
それに、自分の女性遍歴などについては隠そうとしないなど、サービス精神もあるようです。
メールのやりとりは敢えて直訳調にしているようですが、朝鮮語学習者としては、かえって細かいニュアンスや生々しさが伝わってきました。
例えば、まさお氏が朝鮮半島や北朝鮮を指して言う、「韓半島」「北韓」という言い方。北朝鮮関係者としてはそのような呼称は有り得ないと思われ、読んでいて、これは大変なことだと思いました。
また、メールのやりとりをそのままコピペしたような作りですが、手練の新聞記者としたたかなまさお氏の駆け引きがストレートに現れていて、読んでいてスリリングで、本の構成としても上手くできていると思いました。
本書の出版にまさお氏がゴーサインを出したのかよく分からず、まさお氏の今後が心配なので、マイナス1。
まあ、中国が悪いようにはしないと思いますが。
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やり取りの生々しさに目を引いたのと、
金正男さんって、、、かなりクレバーなんじゃない?
言葉・・・・特に文章って人柄がでると思ってるので、
いろんな意味で興味を惹かれました。
今、彼の生活資金も送金が止まったって報道もあるので、
今後の動向にも興味あります。
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時事ネタ。
金正日の長男、金正男と150通ものメール、2度のインタビューに基づきほぼ真実が述べられているであろうノンフィクション本。今まで持っていた金正男氏の印象とは大きく違っていた。北朝鮮は資本主義へ国家開放をすべきだと随所で語っている。見た目で損してるな。
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弟が友人から貰った本を私が貰いました。まあまあ面白かったです。ここに発表されてないやり取りがきっと他にも有るのでしょう。
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日本人のほとんどが持っていると思う、「ディズニーランドに行く為に、日本に密航した太った北朝鮮のボンボン」という金正男のイメージは、読了後、良い意味で変りました。
社交的で紳士的、政治思想は開放的で、この男が国交交渉窓口に立っていれば、どんなに世の中平和になるか!
今迄、よく見えなかった北朝鮮の内部事情が、信頼に値する彼からの情報を持って、少し見えてきたのではないか。
この本が出版されたことにより、金正男とその家族の安否、また著者との友好がとても気になります。