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白くて仄かに発光する世界。視点がするする変わって「あれ?」って迷子になりかけたり、「あ、この言い回しさっき…」と結び目を見つけた気になったり。柔らかい迷宮でさ迷う快感みたいな、そんな話。(表題作)
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第146回芥川賞受賞作
無活用ラテン語で記された小説『猫の下で読むに限る』。
正体不明の作家を追って、言葉は世界中を飛びまわる。
第146回芥川賞受賞作である主題作「道化師の蝶」と
「松ノ枝の記」の二編が収録されている。
何とか読了した。何故かものすごいエネルギーを消耗したような気分だ。
どちらの作品も章が変わるごとに「変なねじれ」のようなものを感じる。
ものすごく心地良いテンポで読めるのにページが進んでいないという怪奇現象。
もっと頭がよくなってから読むべき作品なのだろう。
まったく理解ができない。
解説↓26:20~
http://media.jorf.co.jp/podcast/radio/120115_metta146_yoso.mp3
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道化師の蝶よりも松の枝の記の方が好き.人格を文脈に落とすことで,人格の読み手,つまり他人からみた自分の曖昧さと,それとは関係がないと言い切ることができる自分自身の確かさを表現してるんじゃないだろうか.
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文章はスラスラ読める。しかし残るのは煙に巻かれたような感覚で、話は随分と入り組んでいて複雑。しばらくしたらまた読み返したい。
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芥川賞であるところの奇妙な物語の物語。
『道化師の蝶』『松ノ枝の記』中編2作。
最近の円城塔はSF好きじゃなくとも読みやすいと思う。
強烈な入れ子構造は相変わらずの奇想というか、言葉に挑戦している感じが良い。独特のユーモアも忘れてはいけない萌え要素。
個人的にはサンプリングしたエレクトロニカを聞いているかのように、頭の中を心地良くかき回してくれる。
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芥川賞受賞記念購入です。
実はこれまで円城塔さんの作品は読んだことがありませんでした。前回の芥川賞で「これはペンです」が候補に挙げられ、村上龍さんのよくわからない指摘によって落とされた、という経緯だけは目にしていました。
【芥川賞選考】村上龍の指摘について
http://togetter.com/li/163954
村上龍さんの"指摘"というのが、イチャモンにしか見えなかったんですよね。ボクも読んでないので周囲の声だけで判断しているのですが、なんだか「SF作家なんかに受賞させてたまるか」みたいな力学が働いたような気がしてしまって。ボクには"論壇"とか"文学界"ってよくわからないんですけど、なんか無理やり"権威づけ"しようとしているなーという印象を受けたのです。
[続き]
http://wildhawkfield.blogspot.com/2012/02/blog-post_09.html
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著者の円城塔氏がどう言うか知らないが、「ソフトウェア工学」のカテゴリにしてしまった。いやこれ是非ソフトウェア工学の研究者に読んで欲しいな。自分の経験してきたことと色々重なってすごく面白い。
確かに筋は難解です。一回読んだだけでは繋がりがちゃんと追えたとは思っていない。でも所々のキーワードがいちいちソフト屋の心に引っかかってくる。網(しかも銀糸だ)、織物、無活用ラテン語…
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高校生の頃、ブルーバックスの「非ユークリッド幾何の世界」という本を読んで感動したことがある。中高で習う普通の幾何学では「平行線の公準」すなわち、直線に対して別の1点からその直線と並行な直線が1本だけ引けるということを前提としているが、実はそれが0本だったり無限本だったりしても幾何学が成り立つという話だ。
円城塔さんの前作「これはペンです」や本表題作「道化師の蝶」を読むと、作者がモノを書くということの文法に強い感心を持ち、非ユークリッド幾何のように、既存の前提を崩したときに生まれるものを描こうとしているように感じる。
「これはペンです」ではそのアプローチが極めてプログラミング的だったが、本作では「無活用ラテン語」で書かれた『猫の舌で読むに限る』など、より人文的なアプローチになっている。その違いが芥川賞受賞につながったのかな、という気がした。
「翻訳」という行為に挑戦状を叩きつけているような「松ノ枝の記」も面白い。
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2012 1/30読了。筑波西武のLIBROで購入。
表題作「道化師の蝶」と「松ノ枝ノ記」の2編収録。
・「道化師の蝶」
航空機の中、銀の網で「着想」を捕まえるという資産家A.A.エイブラムス氏と、彼が追う多言語作家、友幸友幸。エイブラムス氏のエージェントとが織り成す、不思議な物語。
なんだかわからないことを生業にする人たちがたくさん出てきて、よくわからないながらとても魅力的に見える。友幸友幸、エイブラムス氏、エージェント、どの生き方も面白そうで、そんな風に暮らせたらいいなとか思う。
・「松ノ枝ノ記」
互いの著作を翻訳しあう2人の作家から始まる、書くことと読むことの断絶と、書かれたものの中にだけ存在する記憶の話。
よくわからないままに読むこと/読めることについてとか。
とりわけ「道化師の蝶」は、とんでもなく面白かった。こんな風に暮らしたい!
「これはペンです」もそうだけど、よくわからない文筆業めいたものを生業とする人を書くと円城塔はとても面白い。
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おもしろさ(ユーモア)で言えば「これペン」のほうがうえだと思ったけれど、美しすぎてびっくりした。すばらしかった。
併録の「松ヶ枝の記」(だっけ?)はまだ途中まで。
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好きと嫌いの二択しかない作品です
まあまあ好きかも。なんてことはなくて、好きな人はハッキリと好きだと言えるし、嫌いな人は嫌いだとキッパリ言います
普段純文学に触れる機会が少ないためか最初の方は内容が理解出来ませんでした
何を言いたいのか、何を伝えたいのか
只とつとつと文字をなぞるだけ
ひたすら「わたし」の語りが続きます
特に二章は会話も少なく、言語に関する論文や研究書を読んでいる錯覚を覚えました
三章の友幸友幸(おそらく)の記憶語りから面白くなってきて無心で読み進めました
所々聞き慣れない表現で疑問符を浮かべたりもしましたが面白かったです
そこまでモチベーションが保てないと、つまらない作品と思ってしまうかと
実際、私もそこまで進むのに時間がかかりました
抽象的で曖昧かつ最後まで濁した表現なので、最後をハッキリとさせたい、どういうことなのか読了後にスッキリさせたいと思う人には向きません
友幸友幸とは記憶に寄生する蝶の名前の一つでA・A・エイブラムス氏が言うところの「着想」というのがこの蝶ってことなのでしょうか?
ハッキリ出来ず、もやもやが残りました
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最後まで読み終えた途端押し寄せる螺旋の連なりがとても心地良かった。
図書館借覧。
また読みに行きます。
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芥川賞受賞作「道化師の蝶」よりも、収録されているもう一編、「松ノ枝の記」の方が好きです。
「わたし」が「彼」についての本を書こうとする姿に、盟友、伊藤計劃の遺作を書き続けている円城塔の姿が重なって胸が熱くなります。
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表題作『道化師の蝶』、合わせて収録されている『松ノ枝の記』ともに、ふわっとした印象の強い作品で、なかなか捉えどころの難しい作品だな…というのが正直な感想です。それはきっと、こういう小説を読慣れていない自分に原因があると思い、読了後すぐに、一度目で引っかかった部分だけ精読を試みました。
無活用ラテン語という人工言語で記述された小説の翻訳と、それを記した正体不明の作家の所在をめぐる物語『道化師の蝶』。
作家の正体、物語の端々で登場する人物と蝶のつながり…ストーリー上、明らかにしておかなければならない事実については粗方つかむことができました。
不思議な世界観を紡ぐ一本の糸が明らかにされることで、ラストはとてもスッキリすることができました。思うに、タイトルにある『道化師』というのが、自分には皮肉めいた自虐のようなものに感じられたのは、語り手の正体によるものなのでしょう。
『群像』にも掲載されていた『松ノ枝の記』は、相互翻訳をしていた作家の行方知れずとなった原稿のもとへと出向いた主人公の話。
こちらの作品も、途中に挟まれる抽象的なシーンが、物語をより不思議なものにしていたように思います。
個人的にではありますが、自分はこちらの作品の方に深く感銘を受けました。
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帯文:"正体不明の作家を追って、言葉は世界中を飛びまわる" "帽子をすりぬける蝶が飛行機の中を舞うとき、「言葉」の網が振りかざされる。" "現代言語表現の最前線!"
目次:道化師の蝶、松ノ枝の記