紙の本
映画をみているような小説
2021/11/14 07:54
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投稿者:Pana - この投稿者のレビュー一覧を見る
初めてのカズオ・イシグロさん作品。
とても、ワクワクしながら読み始めた。
大きな事件も起こらず、淡々と主人公の語りが続く。
過去を思い出して、後悔することもあるだろうが、それでも自分の仕事への信念は乱さず、でも、新しいものを取り入れていこう!という、主人公の前向きな気持ちで小説が終わるのが良かった。
紙の本
消化不良
2017/12/21 07:41
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投稿者:beijing5 - この投稿者のレビュー一覧を見る
ノーベル文学賞受賞を受けて読んでみました。翻訳の文章は原作のテイストを生かしているのでしょうが、文化の違いも含め、何だか浮世離れした感があり、イマイチ消化できませんでした。時代背景含め、日本人には共感できる部分が少ないかもしれませんね。ただし、そのような内容にもかかわらず、最後まで読み切ってしまったのは、ストーリーに力があったのかもしれません。淡々と続くストーリーは、日本でいえば藤沢周平っぽいのでしょうか?たどり着いた先の女中頭との関係は、期待外れでした。
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ホントは英語で読まなきゃいけなかったんだけど。でも大学が選んだとは思えないほど優れた話だった。執事さんばんざーい
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品格ある執事の道を追求し続けてきたスティーブンスは、短い旅に出た。美しい田園風景の道すがら様々な思い出がよぎる。長年仕えたダーリントン卿への敬慕、執事の鑑だった亡父、女中頭への淡い想い、二つの大戦の間に邸内で催された重要な外交会議の数々―過ぎ去りし思い出は、輝きを増して胸のなかで生き続ける。失われつつある伝統的な英国を描いて世界中で大きな感動を呼んだ英国最高の文学賞、ブッカー賞受賞作。
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簡単に云えば、短い旅に出た老執事が
その道すがら自分が館で過ごしてきた古き良き時代を回想する…
といった内容なんですが、
その中に自分の仕事に対する誇りや女中頭への淡い恋愛感情、
イギリスの美しい風景なんかが表現されてて
イギリス好きのあたしには堪らんです。
映画も良かったし。
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購入日不明。5月30日読了。老いた執事がこれまでの人生を振り返るお話。これ映画みたいけど,主演がアンソニー・ホプキンズて…怖くない?
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大物貴族に執事として仕えたスティーブンスンの回想。第2次大戦前に彼が自負していたものは崩れ去ったのか、残ったのか。新しい主人のもとで彼が追及する執事の品格とは何なのか。映画のアンソニー・ホプキンスもよかったけど、この本の中に住むスティーブンスンも素敵です。いつか原書に挑戦したい1冊。
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失われつつある伝統的な英国、とあるが、日本人のためかピンとこず。淡々とした情感は素敵だが、少々退屈かも。でも、痛烈な風刺小説として読むとにわかにどきどき。著者が日系人だし。
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執事とは。萌えーなんかじゃないんです!奥深いもんなんです!切ない中、最後に救いどころを設けるあたり、作者の力量を感じました。なんちって笑
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おもしろかったー。読み応えあり、ひさびさに本の世界に入り込みました。本のシチュエーションというより、物語に漂う感性のようなものが自分の頭の裏あたりに入り込む感じ。腑に落ちるということはないからこそ、おもしろい。
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美しい情景とともに、主人公の切ない想いが胸に迫る。哀愁漂うけど爽やか。心が洗われるような読後感でした。
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イギリスの名家に勤める執事、スティーブンが元同僚と会うために旅にでる。その間、思いをめぐらせる。
伝統的なイギリスと本の裏にあるが、その通り。
でもって、この主人公が執事としては優秀なのかもしれないが、人間としては面白みがさっぱりない。さっぱりないんだけど、だんだんシンパシーを感じてくる。
カズオ・イシグロ、上手い!
「品性」という言葉がポイントのように出てくる。品性が失われた時代に、あえてこれを問うという、手法は古めかしいが切り口は斬新なのである。
つまり、古い皮袋にいれた新しいぶどう酒か…。
村上春樹が、「わたしを離さないで」を絶賛していたのが、納得。
さっさと、文庫になってくれるといいんだがな。
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ほんとうに幸福だった。第一次大戦から第二次大戦にかけてイギリスの高名な紳士に仕えた執事が、自動車で旅行をしながら回想をめぐらす話である。完璧で美しい台詞や言い回し(原文は英語だが)、当時のイギリスの文化、旅行中の風景など、執事の人柄を表すかのように、どれも骨太な美しさがある。これまでの仕事に対する誇り、雇主に対する愛、その2点に縛られていたからこそ成就することなく、気付くことすらなかった女中頭への想い。自信と、後悔と、郷愁と。過不足無く、絶妙なバランスで成り立った世界があった。「浮世の画家」と同様、とても丁寧に描かれていて、小説を読む喜びがじわじわとあふれ出るような、まさに傑作。読了後、「この小説を読んでいる時、私は幸福だったんだな」と泣きそうになった。ほんとうに幸福だった。
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ブッカー賞受賞作。イギリス人の執事を主人公に、日系の作家がここまでこまやかな作品をかいたことが大いに話題となった。人間は歳をとると、選択しなかった人生について、あれこれと思いをめぐらすものなのかもしれない。人に仕えるという職業に生き甲斐を感じてきた主人公が、人生の黄昏に思いおこす、ささやかなときめきがせつない。
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ダーリントン・ホールの執事、スティーブンスが現在の主人であるファラディの車を借りて旅をし、その間に昔のことを思い出す。信頼できない語り手の技巧を駆使し執事として己を抹殺せざるを得なかった男の半生を描いた傑作。