- 予約購入について
-
- 「予約購入する」をクリックすると予約が完了します。
- ご予約いただいた商品は発売日にダウンロード可能となります。
- ご購入金額は、発売日にお客様のクレジットカードにご請求されます。
- 商品の発売日は変更となる可能性がございますので、予めご了承ください。
紙の本
彼の総て、そして彼女の総て
2009/04/11 17:36
7人中、7人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:空蝉 - この投稿者のレビュー一覧を見る
これは「J」という一人の人間を描いた物語、まさしく彼、そして彼女の総てを描いた物語だ。
男として生きるにはあまりに美しく、女としてはあまりに過酷な悲劇をはいずるようにして生きたJという人間の総て。それは幸せな一家に訪れた悲劇的事件に端を発する。
崇拝するマリリン・モンローそのままに歌っては踊り、そうとは知らずに男を魅了する「女」として生き始めた少年Jは、両親を愛するがゆえに父を受け入れ、その事件は母を狂わし父の射殺に追い込み、「幸せな日々」に終止符をうった。
最愛の父に犯される、それは一点の曇りもなく純粋に両親の幸せを願ってのこと。幼いころの虐待などがトラウマになる、というケースは多いがJのそれは逆だ。
彼は成長するにつれその行為の意味を、ことの重大さを、絶望を知る。
スクールに通い世界に交わり、大事な人を見つけ心から愛することを知るようになって初めて、あの「事件」がいかに呪わしく、恥ずかしく、恐ろしいことなのかを思い知るのだから。
彼がどのような人生を歩んだか、それこそが本作の「総て」なのだから多くは書くまい。どのような些細な出来事も、言動の一つ行動の一つとってもすべてが彼の総て、彼女の総て、Jの総て。
同性愛者でありトランスセクシャリティであり、愛を求めながら逃げ続けるJの、惨劇と汚辱にまみれた人生を目の当たりにして、それをどう受け止めるかは読者次第だ。しかし私は目が離せなかった。感動したのでも、卑下sるのでもなく、ただただ目が離せなかった。
父親による凌辱と受け入れと、その結果に待っていた、母による父の殺害。
心底愛した結果がすべてを失うという悲劇でもって人生のスタートを切ったJの人生は全て逃げることで埋め尽くされている。
男という性から逃げ、友人から逃げ、愛する人から逃げ、社会から、生活から、家族から、そして愛することそのものから逃げ続けたJ。
そして彼が最後に逃げたのは己の人生そのものから。
再開した初恋の、最愛の彼もまた己の血と、愛されることから逃げ続けてきたくちだ。すべてから逃げ続けてきた彼らが再開したその結末を、どうか見届けてほしい。
紙の本
Jのすべて
2004/10/06 14:01
3人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:マリリン - この投稿者のレビュー一覧を見る
小さい頃から、マリリンモンローが大好きで、いっつも
ものまねばかりしていた少年J.
物心が付いた頃にはモンローになりたくてしかたなかった。
しかし、彼の人生は狂い始める…。
父親からのレイプ。そして 母の狂気…。
そこから はじまるJの物語です。
電子書籍
凄く充実した読後感
2015/10/31 09:52
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ぶーにゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
読み始めたときは「古い感じの絵だなあ」と少し苦手に思ったのですが読み進めていくと全体の雰囲気と相まって絶妙な世界感を作り出しています。特にパブリックスクールの雰囲気がとても素晴らしく表現されていて作品の世界にどんどん引き込まれていく。
私は女装する男子が苦手なのだけれどJはいつの間にか受け入れられました。