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紙の本
愛だよ、愛、なんて言わないで
2004/07/04 10:12
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:祐樹一依 - この投稿者のレビュー一覧を見る
毎度毎度のことで慣れっこになってしまいましたが、それでもついついせずにはいられない妄想と倒錯。直裁に「好き」という言葉を口にさせる大胆さに脱帽し、その要因を(恐らく)済ました顔で描き続けてくださいますのが高河氏というわけであります。タイトルを直訳したら「愛なんてありゃあしないんだよ」なんてことになりはしないかと、作中の様々な描写を見るにつけ、タイトルとのギャップをただただ心配する僕だったりしますが、それはそれ。僕だって一々「り、立夏、可愛い…!」と連呼しておりますとも。
ちょっとだけ真面目に言えば、こういう「物語」の中では、少年というものは成長するものであるのです。そうすることによって過去の幼い己から脱却すると共に、周囲の大人たちと同等の位置へと上っていく。そういえば、少年らしい少年は立夏くらいしか登場していないような気がする(それによって、いわゆる「ボーイズラブ」な感覚が増すのですが)。女性性の中での男性性のあり方、或いはその間逆が描かれている可能性を否定出来ません。何しろ、時折見せられる少女たちの残酷めいた視線が、とても胸を突くものであることを印象的に感じます。
耳と尻尾が人物と共に当然に描かれ、戦闘機とサクリファイスという役割、「言葉」を用いた戦闘…、そういった(未だ目的が見えないものを含めた)ファンタジーがある後ろで、明らかに「愛が足りない」描写が繰り返される。そう、タイトルの意味はこれではないかと僕は思ってます。対象や範囲を問題とせず、愛や恋の「在り処」を探る。だから、「あるはずなのに見当たらない」ものを、彼ら彼女らは模索し続けているのだろう、と。
(初出:CANARYCAGE)
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