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紙の本
「 月天心 貧しき町を 通りけり 」 の詩が思いだされました。
2010/04/11 23:27
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:みどりのひかり - この投稿者のレビュー一覧を見る
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ルミとマヤの姉妹。
お母さんはオーケストラのバイオリン弾き。
お父さんは亡くなっていない。
この姉妹の周辺のできごとの物語。
映画の看板を描く仕事をしている父とその一家がいる。その看板屋さんの子の貴則はルミと同じ学年。貴則は、ルミのおかあさんがバイオリンをよその子に教えているのをよく覗いている。でも、ルミのおかあさんが声をかけると恥ずかしいのか逃げてしまう。でもある日意を決して、ルミのお母さんにバイオリンを習う。1日だけだけど。
「いい音が出るといい言葉がみつかったみたいにうれしいや・・・・・・ バイオリンが オレの言葉のかわりをしてくれるなら すてきな曲を弾けるようになって 父ちゃんやみんなに 聴かせてあげたいな・・・・・・」
戦後の昭和も時代が下がってくると映画の看板の仕事もだんだん無くなってくる。だから看板屋は貧乏だ。貴則の家は筆箱を買うのも大変だった。クリスマスの日に、ルミとマヤは、自分たちが使わなくなったバイオリンを「たかのりくんへ、かしてあげます。サンタクロースより」の手紙を添えてそっと届ける。
次のお話は近所のハルばあちゃんのこと。
ハルさんが今いっしょに暮らしているのは息子の嫁だった美和さん。息子は奥さんを置いて出て行ってしまっていない。だからハルさんは、美和さんに面倒をみて貰っているのが申し訳ないと思っている。美和さんは優しくてそんなことかまわないと思っている。美和さんが外で働いている間に、ハルさんはボヤ騒ぎを起こしてしまう。そんなこともあって、ハルさんは置手紙をして出て行くのだ。でも頼っていった親戚のうちも居づらく、公園のベンチで寝ているところを、親戚の人から連絡を受け探していた美和さんに見つけ出される。そしてまた一緒に暮らすようになる。
他にもヤクザだったじいちゃんに育てられている子の話や、戦後開拓した土地を公団からの要請で手放すことを余儀無くされた人の話などが出てくる。
そういったお話の途中にマヤのエピソードなどが織り込まれる。
お母さんが演奏旅行に出かけている期間は、姉妹は祖父母のうちにいる。マヤは蝿採り紙にくっついてもがいている蝿を助けようとして手に蝿採り紙がくっついてしまう。
ルミ「そこにくっついてるハエはもう助からないよ・・・・・・
ハエは害虫だから死んじゃっても仕方ないのッ
おじいちゃんたちの余計な用事ふやしてッ」
マヤ「どうしてふつうに飛んでるのが害虫なのさ!!
何もわるいことしてないでしょ」
似たようなお話がこちらの物語にもあります。
スーパーに並んでいるお魚さんを見て、「みんな海に帰してあげたいね」と小さな女の子が言います。
何か根源的なものを感じさせられます。
この「ルミとマヤとその周辺」を読むと、何故か与謝蕪村の
月天心 貧しき町を 通りけり
の詩が思いだされました。
月はいろんな思いをして生きている人々に、町に、そっと柔らかな光をそそいで通っていきます。天空の月は我々に何を語りかけているのでしょうか。
「ルミとマヤとその周辺」はそんな物語です。
電子書籍
マヤかわいくない
2015/11/14 12:56
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:pope - この投稿者のレビュー一覧を見る
マヤがあんまりかわいくないですね。
いつもギャーギャー騒いでるだけ。
ルミとマヤは主人公というより狂言回し的役割。
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