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文春の書評で気になっていたところへ図書カードをもらったので買ってみた。
なんだか読んでて疲れる本だったなぁ。
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映画評論家の町山智浩によるアメリカの現在を綴った本。
『アメリカ人の半分はニューヨークの場所を知らない』という
タイトルはずいぶん大げさだなぁと思ったら、
序章できっちり論拠として統計が示される。
記事のほとんどが米国の悲惨な現実に焦点を
あてたドキュメンタリー映画にもとづいている。
実際にその映画を観たくなるところなどは、
映画評論家だからこそ書ける文章だと思う。
取り上げているトピックは、にわかに信じがたい
内容である。米国人のあまりの無知さに驚かされる。
そして、その米国が国際社会をリードしていることを
考えると呆然としてしまう。
『シェルビー・ノックスの教育』で描かれた
性教育をかたくなに否定するキリスト教福音派、
戦争経験のない政治家が推し進める無益な戦争、
『シッコ』が暴いた問題だらけの医療保険などなど。
なかでも驚いたのがFOXニュースの完全に偏った
報道姿勢だ。言論の自由は遵守されるべきだが、
報道機関としての倫理観はないのだろうか。
【目次】
序章 アメリカ人の半分はニューヨークの場所を知らない
第1章 暴走する宗教
第2章 デタラメな戦争
第3章 バブル経済と格差社会
第4章 腐った政治
第5章 ウソだらけのメディア
第6章 アメリカを救うのは誰か
終章 アメリカの時代は終わるのか
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同著者の「底抜け合衆国」と共に読む。
1997年にアメリカに渡り、底抜けに明るいアメリカを実感して自由を謳歌したのもつかの間、2000年にブッシュが大統領になったと同時に、アメリカはなにやら様子がおかしくなってくる。
私もなんとなく覚えてるのだけど、ブッシュが大統領になったときは、今のオバマとは大違い。
どうしようもないアホボンが大統領になっちゃったという扱いだった。
文法を間違えてしゃべるやら、プリッチェルをのどに詰めるやら・・・まぁ今の日本の首相も似たようなもんですが。
だいたい得票数ではゴア候補の方が選挙に勝ってたんですものね。不正選挙とも言われてる。
それが1年経った2001年9月11日、誰もが知ってるこの日を境にブッシュは俄然いきいきし始めた。
「愛国法」とかいう訳のわからない法律ができ、個人のユーザー情報を政府に求められると公開しないといけなくなった。
やたらと平和を訴えることもできなくなり、反戦を唱えると非国民として見られる。
えーっ!あの自由な国アメリカはどこへ行ったの?!
テロを仕掛けたのはアフガンの一部過激集団なのに、なぜかいつのまにかターゲットがイラクになっている。
なぜ?どうして?民間人まで殺す必要あるの?
結局イラクからは核兵器も見つからず、多くの犠牲者を出してなんの得るところもなく終結する。
その間、アメリカ政府は犠牲者を出したことも民間人を殺したことや虐待があったことを隠し続けてきた。
失業者が多いので給与の高い兵役には人が集まる。
でもなんのために戦争するのかをよく理解しないで出かけるのでモラルに欠けているのだ。
ズタボロになって母国に帰ってきても、アメリカには国民健康保険がないので、痛んだ体は自力で治すしかない。
薬や手術にとんでもないお金がかかるのだ。
(その辺のところはマイケルムーアの映画「シッコ」にくわしい。)
アメリカドルと株暴落のおかげでか、最近アメリカ暴露本が本屋さんの店頭に目立つ。
やっと化けの皮が剥がれてきたのだ。
オバマはアメリカを立て直せるのか?
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1).目次
序章アメリカ人の半分はニューヨークの場所を知らない
第1章 暴走する宗教
第2章 デタラメな戦争
第3章 バブル経済と格差社会
終章 アメリカの時代は終わるのか
2).筆者の主張
・アメリカ人がいかに無知で勉強しなくなったかを宗教、政治、戦争の観点からさまざまな例を出して解説
・アメリカは、共和党が票集めのため、福音派を受け入れたことで、バランスの悪い共和党が誕生した。ブッシュ率いる共和党の政策は、自由主義経済、偏った政権運営となり、アメリカは崩壊の一途をたどっている。
・アメリカが政権運営、企業を海外に売り渡すたびに、外国が外貨を獲得し、ドルを買う。その結果、中国は巨大な債権国となりアメリカは反論できなくなる。
・アメリカは自由化とグローバリゼーションにより没落した。資源を温存した国々に民主主義と自由化を広め、自由競争したらアメリカは高資源、低賃金の国に勝てるわけがない。
・アメリカンドリームは死にかけている。昔アメリカ人は最初やってきたときは低所得の労働者だった。その労働者が必死に働き家を買い、子供を優秀な大学に入れ、所得を増やしていった。現在はアメリカの高学位保持者は皆アジア圏の人間である。
・それでもアメリカに希望がないわけではない。アメリカは血を入れ替えている。オバマ大統領選出は、守旧派(福音派)に支配されたアメリカに対する虹色のアメリカ(さまざまな人種の集まったアメリカ)の逆襲かもしれない。オバマ自身が、白人、黒人アジアなどさまざまな対立が集まっている。血の入れ替えがアメリカを復活させるかもしれない。
3).個人的感想
・アメリカをある局面から切った時に生まれる現実や矛盾を記載した本。事例はよく出ており、すべてを鵜呑みにはできないが、一つ一つは面白い。アメリカの文化が多様で、ゲイやレイプ、銃など日本ではあまり表に出ない話が集まっているのがよくわかった。
下記の話が印象出来だった。
・戦争を知らない大統領や閣僚が多いときほど、アメリカを戦争を起こしやすい。ブッシュは戦争に行ったことがない。昔はノブレスオマージュがあった。マケインの長男は戦死しやすい海兵隊に入り、自ら戦争に行った。現在は閣僚・議員の5%しか戦争経験がない。
・ウォールマートが激安なのは、生活保護を受けた従業員、大規模な雇用を創出するとして獲得した補助金に支えられている。ただ、結局問題なのは、アジアに生産を移管し、給与を下げ、格差を助長(賃金格差400倍)したアメリカである。
・投資銀行はもうかる商品に目をつける。サブプライムだって、株価がITバブル崩壊後、金利が下がり、資金が不動産に向かったことが発端である。不動産はアメリカ建国以来一度も値下がりしたことがない。そこに目を付けた人々が不動産を買いあさった。それに、従来厳しかったローンの審査が緩くなった。審査が緩くなったのは、ローンを投資銀行が買い漁ったからだ。買いあさったローンを証券化し、世界中にバラマキ収益を上げた。
・アメリカでは保険は民間保険がほとんど、民間保険(HMO)は保険料を支払わないほうがもうかるため、医療費の補助を非合法に断る例が散見される。
・保守とリベラルは結構違う
共和党のアメリカの伝統的な保守思想は自由主義である。信仰経済の自由を求めてヨーロッパから集まった人々は自由主義を標榜している。その自由主義の定義が様々である。
自由主義は、アダムスミスの神の見えざる手により資本市場が守られていることに端を発しており、神の信仰に支えられている。
ただ、1929年の大恐慌により、資本市場が乱れた。これをニューディール政策で救ったのが、FDルーズベルトである。積極的な政府介入を行い、弱者に雇用を創出した。画して民主党は富の再配分を実現、平 等の実現を党是とした。
共和党の自由と民主党の平等はアメリカを動かす両輪である。左側の平等に偏ると規制で競争が抑圧され、福祉の行きすぎで自助努力が失われ、官僚主義、共産主義、全体主義となる。右側の自由の車輪に偏ると、弱肉強食の無政府状態になる。2大政党がバランスをとりながらアメリカという国を押し出していく。ルーズベルト以降、60年代は民主党が支配したが、経済が停滞した。80年代のレーガンが小さな政府を目指した新自由主義をとった。ブッシュも同様に、自由主義をとりながら、財政赤字を垂れ流して国民負担を増やした。
外交面のアメリカの伝統は、不干渉主義・孤立主義で、モンロー主義といわれる。これに対抗するのが、国際連盟を呼び掛けたウィルソン大統領のウィルソン主義で、他国の自由や平等に積極的に関与する。例えば、ルーズベルトは第2次世界大戦へ、ジョンソンはベトナムに軍事介入した。一方で、共和党は従来、イデオロギーを超えた現実的な外交を行うことが多い。ソ連と雪解けを行ったアイゼンハワー、中国との国交回復をしたニクソンなどである。
ブッシュはもともと控え目な外交と言っていたが、積極外交をとり、政策を左右のハイブリットにしてしまった。
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今は亡き、TBSラジオ「ストリーム」の「コラムの花道で、
聴いていたとはいえ、文章におこしても面白い。
サブカル雑誌(宝島)の編集者だったスタートから、
映画秘法、映画評論家の時代を経て(あ、これは今もか)、
エロの伝道師&生のアメリカを伝えてくれる数少ないコラムニスト。
「町山のアメリカ評はまだまだ甘い」なんて
言う人もいるけど、私のレベルではコレで十分ですわ。
(つーか、民主と共和の政治的スタンスだって、
ねじれ起こしてるからいちいち整理しないと理解不可能だよー)
むしろ今までこれがAMラジオやポッドキャストという、
費用の発生しないメディアで享受できたことを感謝しなきゃね。
2009.01
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ニュースや映画を通じてアメリカ社会を考察する的な本。
宗教、政治、メディアなど話題は多岐にわたるが、アメリカ人てホントにバカなんじゃないかと笑える。
筆者の皮肉り方も面白い。
学術書とは違いエッセイに近い感じなので暇つぶしに最適。
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アメリカ人の無知さを指摘した本。
まったくもってその通りなんだと思うが、これもアメリカの一面だろう。
これをもってアメリカをバカにする事は容易い。
しかしそれで終わってしまうのでは、
無知という点でそっくりそのまま日本にも当てはまるのではないだろうか。
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タイトルがあざといので避けてたんですけども、ストリームが終わっちゃって町山氏の映画評論が聞けず、禁断症状が出そうになってきたので、手に取ってしまった。
いやはや。面白いです。
アメリカの「過剰とキッチュ」は政治経済のようなところにまで見られるんだなあ…。
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(2009/6/4読了)ニューヨークの場所を知らなくても生活には困らないかもしれないが、年金の危機を知らないのはマズイだろ。福音派がここまで盲目的だとは知らなかった。個人的に一番ウケたのは『何を見てもゲイに見えるって、お前はやおいの腐女子か?』(p58)
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アメリカから帰国した日に読み始めました。
このタイトルは冗談じゃなく事実らしいです。
アメリカの恐ろしい裏の顔の数々・・・。
'01年に坂本龍一氏の「非戦」読んだ時以来のショックを受けました。どおりでブッシュが8年間も大統領になっちゃうわけだよ。
ジーザス。
コルベアさんのホワイトハウス晩餐会の映像は後でyoutubeで見てみよう。
FOXに噛み付くシンプソンズはやっぱり大好き!
今度アメリカに行ったら「Tonight」のジェイウォーキングは必見です。
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物事の表面しか見ない人間を論破するのは容易いが、裏まで見極めたうえで、その状況を利用する連中はやっかいであると思いました。
右に偏りすぎの人々や、政治と宗教を一緒にする恐ろしさが分かります。
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ブッシュ時代のアメリカこき下ろし集。週刊誌月間誌のコラムを集めたものなので、ひとつふたつなら面白いのだが、まとめて本でよむとちょっと辛い。
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アメリカ人の半分はニューヨークの場所を知らない を読み終わりました。嫌韓流みたいでちょっと怖いなーというのもありますが、総じて入門編として読みやすい感じ
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著者がいくつかの雑誌に載せていたエッセーを集めたものです。
ブッシュ大統領の時代だから、すでに少し古い感がある。兵士として戦場にいったことのない政治家のほうがタカ派だっていうは逆説的で意外だったな。聖書以外の読書はダメというキリスト教原理主義者が少なからずいるってのも驚いた。ここ10年くらいのアメリカの状況が分かったような気がした。
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かつて宝島の編集者、現在は米国在住の映画評論家。MXテレビで日曜深夜枠でアメリカ映画を紹介する番組http://www.matsumachi.com/を持つほか、月間サイゾーで「USAカニバケツ」を連載。
サクっと読めるわりに、非常に興味深い内容。