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紙の本
遂に頂上に立つウィンパー
2006/07/03 19:24
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:濱本 昇 - この投稿者のレビュー一覧を見る
合計8回のアタックによりウィンパー等は、遂に難攻不落のマッターホルンを落とす事に成功した。ルートは、現在一般的なルートになっているヘルンリ稜である。最後のアタックの感想として、ウィンパーは簡単すぎるアタックに驚いている。それまでの7回のアタックは、簡単なルート捜しであったようだ。イタリア側から初アタックを試みたカレル等に勝利したのである。ウィンパー等が頂上に立った時、カレル等の登頂姿を確認し、彼等に頂上を落とした事を大声で告げている。カレル等は、うちひしがれて、撤退した。
下山時に悲劇は、起こる。ハドゥが足を滑らせクローにぶつかる。そしてその2人が墜落、他の2人も巻き込まれて、ロープがぴんと張る。その瞬間、ロープがぷっつり切れたのである。何故か、持参したロープの内、一番弱いロープを使用していた事をウィンパーは嘆いた。ロープは傷が有った訳でも、岩にこすれて切れたのでも無い。衝撃力に耐えられずに切れたのである。私は、ツェルマットの山岳博物館でこの切れたロープの実物を見た。140年あまり前の実物に感慨深いものを感じた覚えが有る。
下巻では、何故か、白痴病が谷の町に多い事の医学的分析と氷河地形の科学的分析に多くのページを割いていた。登攀に関係無い事だったので、この辺は、興味が薄かった。
私は、マッターホルンの東壁を真正面に谷を挟んで対峙した事が有る。この孤高の岩の塊が、どういう意図で、この場所に立っているのか不思議な気がすると共に、実現不可能な登頂の夢を見たのであった。
遥か140年前のパイオニアによるマッターホルン初登頂の物語を読み終えて、可能ならば、いつかアタックにトライしたいという希望を確かに持った。
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