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みんなのレビュー9件

みんなの評価4.1

評価内訳

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9 件中 1 件~ 9 件を表示

紙の本

おもしろ遺跡発掘記

2004/09/16 20:10

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:零時 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 中東での遺跡発掘記なんだけど、専門家ではないクリスティーが堅苦しくなく、むしろ面白おかしくつづっている。

 クリスティーは、考古学者であるマックスと再婚して以来、ほとんど毎年のように発掘旅行に付き添って行ったようだ。それだけに、素人とはいえ、発掘の面白さや大変さがしっかり描かれている。とくに中東では、欧米とは価値観や習慣が全く違うため、それにまつわるトラブルが多い(これは現代にも通じそうだ)。しかしマックスが常に毅然とした態度を見せ、収拾を図る。それについてクリスティーは、決して大げさには書かないものの、実はとても誇らしく思っているのがよく分かる。いってみれば、のろけている訳だ。私の夫はこんなにすごいのよ、と。

 この夫妻を取り巻く人々もまた多彩で、個性的だ。その一人一人が、まるで小説の登場人物のようにキャラクターが立っていて、印象に残る。こういう人物描写のうまさは、小説家クリスティーならでは、だろう。一番印象に残っているのが、ミシェルだ。「エコノミーア」(経済的)であることを優先しているつもりが、いつも「安物買いの銭失い」ばかりしていて、しかもそれを全く反省していない。そのたびにクリスティーが呆れて目を回している様子が目に浮かんで、つい頬が緩む。それで次はいったいどんな「エコノミーア」な買い物をしてくれるんだろう、と期待してしまう。

 出版された当時、私が読者だったら、続編を要望していただろう。それぞれの人々の、その後の様子が知りたい。

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紙の本

ミステリ作家ではなく、考古学者夫人としてのクリスティー

2008/08/21 16:36

4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:朝光 - この投稿者のレビュー一覧を見る

アガサさんの夫は有名な考古学者で、アガサさん
も何度も発掘旅行に一緒に行っていました。

この本は、ミステリではなくて、その旅行回想記。
素顔のご夫婦の姿がほほえましく浮かんできます。

さすがにアガサさん。シリア発掘隊の色々な人々を
実に細かく、又生き生きと描写しています。

イスラム人、クルド人、などの生き方の違いや、
白人も交えた混成部隊の起こす日常生活での次から
次への騒動。そして、厳しいが素晴らしいシリアの
自然の様子。

卓越した文章力で、ぐいぐい引き込まれてしまいます。
文の密度が濃いので、読んでも読んでもまだページが
一杯あるのですが、それが逆にこんなにまだ楽しみが
残っていると感じられます。

標題の「さあ、あなたの暮らしぶりを話して」は、友人
から発掘旅行についていつも質問されるフレーズとの
こと(その答え為にこの本を書いたらしい)です。

でも、私にはあと2つの意味が隠されている様に感じ
ます。
一つは、発掘されてきた品々に対してアガサが語りか
けるフレーズとして。もう一つは、この本を読んだ者
に対して、今度はあなたがアガサに話を聞かせてよ言
っているメッセージに思えます。

アガサ・クリスティーのユーモア溢れる人柄がとって
も良く感じられる楽しい一冊です。

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紙の本

愉快なシリア探訪記

2020/09/27 00:43

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:iha - この投稿者のレビュー一覧を見る

アガサ・クリスティによるエッセイです。考古学者である夫マックスについてシリアに赴いた彼女ですが、ミステリーの女王らしく彼女の主な興味は珍しい発掘品ではなく遺跡発掘隊や現地の人びとの一挙手一投足なんだなと感じました。普段シリアスな殺人事件ばかりを書いている著者が、人々との交流や数々に失敗をユーモアたっぷりに綴っています。とても愉快なシリア探訪記でした。

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2004/10/10 11:24

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2011/08/14 00:16

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2013/03/03 19:11

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2020/11/22 21:36

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2021/03/11 09:11

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2024/02/03 22:43

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