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食べることが好きな人なら読むべし!古き良き日本のグルメを感じることが出来、今の食文化を改めて考え直すきっかけになる一冊。
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男なら池波正太郎を粋に読んで、粋に生きたい。厳選3冊。 - Rocketboy Digital http://rocketboy-miya.hatenablog.com/entry/2013/07/04/105204
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いろんな作家のエッセイを読む中で、
意外と気に入っているのが歴史作家物。
そこに描かれている場所や時代に、
幅と深みがあるのが興味深い。
たとえば司馬遼太郎さんのエッセイは、
ときに時間をぐんと遡るかと思えば、
ときに取材で訪れた世界各国のことを記したり、
読んでいて様々な情景が浮かんできます。
池波正太郎さんの「食卓の情景」は、
まさにそんな古今東西の食について
多彩な視点で描かれたエッセイ。
昭和48年創刊のこの古い一冊を
今さらながら読んだのは、
たまたま知人の事務所の本棚にあったから。
食にまつわる仕事をしている人だけに、
そこに並んでいる本は食が中心。
個人的な興味にストライクな書籍ばかりで、
その中からお借りしたのがこの一冊でした。
池波正太郎さんのことを
それほど知らなかったのですが、
この方、戦前は株屋で働き、
戦中は横浜や鳥取で軍務につき、
戦後は劇作家として活躍した後、
小説家として風靡したとのこと。
そんな子ども時代のことから、
作家として各地を取材で巡ったときの食、
さらには自身の小説の中で描いたシーンや
それを描くことになったきっかけなどについて
回想しながらコラムは進んでいきます。
劇作家だった時代には京都や大阪でも
様々な演目をこなしていたようで、
そこに登場する料理屋の中には
今なお営業している店がいくつもあって、
それはそれでまた感慨深い。
たとえば道頓堀の「大黒」のかやくごはんは、
雑誌などでもよく取り上げられる名店。
久しぶりに訪れたくなりました。
後書きにも記されているように、
こういう本って何度読んでも楽しめます。
そのときそのときの自身の環境によって、
共感を覚える点が異なるし、
読み過ごしていたことに
あらためて気付いたりもします。
手元にあるこの文庫は借り物なので、
近日中に返却することになりますが、
買って本棚に並べておくのも悪くないなと
つくづく感じる、味わい深い一冊でした。
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夜に、1章から3章ほどを読むと、とても幸せな、小気味のいい気持ちで一日を終わらせられます。
しかし奥さんはきわめて大変そうだな…。
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男の作法よりリファレンス。作法より情景な訳で、こちらの方が「折りの中で、まだ濡れ濡れしているねぇ」である。
家族の料理、一人の嗜み、それから友との旅情。結局、人生って誰とテーブルを囲んだか、なんだよなーと念押しされる。
何を食べたかでは無い、どう食べたかでもない、まして何処で何時食べたかでもない。なぜ美味かったかに尽きる。試みに「今日、義父が釣った鯛の刺身を食べた。」に池翁ジェネレーターを噛ませてみる。
ー頬の渇きを感じながら帰宅すると、まず一声に義父の釣果を知らされる。加太の海を思い出せば、単調な暗い海に煌めく手応えを思い出さずには居られない。一日と置かずに卓に上がるこの鯛は、その香りでさえ冷たい海との格闘を彷彿させずには置かないのであった。ー
やり過ぎか。
ごく私的な池上ウォーカーを作成しましたので、今後一つずつ訪問します。
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今では数多く出版されている池波正太郎氏の食に対するエッセイですが、昭和47、48年に週刊朝日に連載されたこの「食卓の情景」が氏の食を通じて人生、時代を語る嚆矢です。
昭和の初期、戦前、戦中、そして戦後を池波氏の生活の中から、一文一文が光彩を放ち心に響く。
この一冊は、時代を超越し何度も何度も読み返してしまう。
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池波正太郎の食に関するエッセイ集。食への執念と、食への愛を十分すぎるほど堪能できる。
特に、戦後間もない頃に育った氏の食べた洋食の話がたまらない。担任の先生が両親と分かれた氏を元気づけようとして食べさせてくれたカレーライスの感動。それにまつわる背景も含めて、じっくり読んでしまう。
鮨に対する思いもすごく強くて、江戸のちゃきっとした文化を筆に乗せて書いているのが印象的。昭和四十七年。まだ自分が生まれていない時に書かれたこのエッセイ。食についてぐっと考えさせてくれる。美味しいものを、思いっきり堪能すること。一生は一回しかないのだからこそ、その食もまた一期一会と心得るべし。
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僕は歴史小説を読まないが、御大の作品はこの手の食エッセイしか知らない。が、読む度に御大は食に関するエッセイストとして一流であることを感じる。
そう思うのは、御大の語り口が、「食を語る」のではなく、「何かを食という存在を通じて語る」いうスタイルであるからだ。過ぎ去りし日本の様子や、戦時中の思い出、今は亡き友人の姿など様々なものがここでは描かれる。当時の日本の文化を後生の人が知るときに、一級の文献的価値がここにはあると思う。
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初・池波正太郎。
食エッセイ好きとしては大御所のを読んでおかないと。と思って読む。
食べ物についてはさることながら、物書きとしての池波正太郎の姿が垣間見れて楽しい。
短編小説と長編小説の書き方の違いが勉強になった。
他、
少年時代の話もあれば、奥さん、老年を迎えた母親とのやりとりも微笑ましい。
大御所の生活を垣間見た気分になった。
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池波正太郎と言えば、お堅い時代小説化のイメージを勝手に抱いていたが、意外とオチャメな人だったんだなー。
今後、この人の小説を読むときの感じ方も、変わるような気がします。
作者のお母さんと曾祖母のエピソードが好き。
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池波正太郎は 剣客商売 ではまった。
その中における 食のシーンが じつに微笑ましい。
この本の 食に関するエッセイは
たしかに 食のシーンが、うまく取り出されている。
池波正太郎が 何にこだわっているのかが よく見える。
大正12年生まれ という池波正太郎の 時代的な背景がある。
ひいおばあちゃんは 摂州尼崎四万石の松平遠江守の奥女中をつとめていた。
ひいおばあちゃんは 明治維新のことを知っている。
その経験が 池波正太郎に語られる。
池波正太郎は、学校を卒業して、株屋の丁稚をして、
戦争にも行き、税務署員をして。
どういうわけか 新国劇の脚本と演出もして、
長谷川伸を 師匠として、小説の仕事を始める。
子母沢寛に『新選組』のことなどの教示をあおぐ。
お母さんと妻が同居している中で、どうやって、争いをなくすかと言う
方法論が 『父権の確立』なんだよね。
だれが稼いでいるのかという前提のなかで、
ルールを決め、役割分担をする。
料理屋のたたずまい、ふるまい、こだわりを的確にみぬく。
食に対する真摯な姿勢と時間が経過しても維持していること。
美味しさとは そういう中でしか生まれないということかな。
このエッセイを読みながら、なぜか 懐かしさがあり、
ほのぼのするのはなぜだろう。
おじいちゃんとおばあちゃんが思い出された。
私のおじいさんは、明治24年生まれで、食に対する姿勢がよく似ている。
また、姉さん女房のおばあちゃんは ウナギが大好きだった。
限られた食材の中で 美味しさを考えていたなぁと思った。
ソバにこだわり、ソバで酒を飲む。
そして、肉が意外と好きだというのが 池波正太郎の食なんだね。
子供の頃には、『ドンドン焼き屋』になりたかったというのもいい。
それで、簡単に お母さんにしかりとばされる。
でも、ここででてくる お母さんが きびしく粋っぽい。
欠かさずに食日誌がきちんとあるというのも、小説家になる源泉かもしれない。
典型的な 夜型の 生活スタイルであることも感心する。
軽々とエッセイをかく風情が なんとも言えない空気がひろがる。
この雰囲気は 実にいいよ。
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池波正太郎氏に食に関するエッセー集。自宅で仕事をする氏にとって食事はとても大切なもので、母と妻との同居生活を続ける中で自分の理想の姿に近づけていったらしい。ただ、自宅飯だけでなく、外食や旅先での食事についても経験豊富で感心させられる。少し値が張っても、いい店に行くに限る、ということか。グルメ本ではないものの、行ってみたい店はメモらせてもらった。お盆にリラックスして読むには最適。
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食べ物に関するエッセイ。
書かれているのがかなり前、なので
登場している店がまだあるのか、謎です。
今の、昔の、たくさんの食べ物の話。
美味しそうですし、どんなものだろう、と想像するのは
案外楽しかったです。
一番きになるのは、フレード・ロールナツ。
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どんどん焼きから高級料亭での懐石料理、東大寺の結解料理、池波正太郎の全国食べ歩きと交友録、家庭で美味しい手料理を食べるところの勘所を書き記したもの。
祖母や母、祖父などの思い出話に古き良き江戸っ子の情景が浮かぶ。
「食べてすぐ寝ると牛になるよ」
「町田の牛てん買って来ておくれ」
「喧嘩しちゃあいけないよ」
愛猫のシャム猫フロが清酒をねだりに夜の書斎にやってきたり、当時の映画の講評をしたり楽しい。
いせ源 あんこう鍋
三条 松鮨
京都 志る幸
村上開進堂 好事福蘆
本牧 隣花苑
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私の大好きな一冊、池波正太郎先生の『食卓の情景』。幼少期の思い出深い料理から、旅で訪れた地の美味しい出会いまで…。池波先生が様々な食事について綴った、有名なエッセイです。美味しい料理とは、最高の食材があれば生まれるものではなく、人情や心意気、時代や境遇などが影響する、五感の物語なのです。