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神戸大の教授である著者が、身近な職場の問題を例として、裁判で争われた事例を中心に説明したもの。
労働法関連の全体像は見えないが、どれも身近にあり得るケースなので、読んでいて面白い。質問に対して、「回答」という形ではっきり提示されるとさらによかったと思う。
個々の事例を覚えておくのは難しいので、体系的な学習が必要ではないかと思うのだが、労働法とは、そういうものではないのだろうか?(法律全般そういうものか?)
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(目次)
1講 ブログ―ブログで社内事情を書いている社員がいてヒヤヒヤしています。あの社員はクビにならないのでしょうか?
2講 副業―会社に秘密で風俗産業でアルバイトをしている女性社員がいます。法的に問題はないのでしょうか?
3講 社内不倫―社内不倫しています。これを理由にクビになる可能性はありますか?
4講 経費流用―私用の飲食代を経費として精算したのがバレてしまいました。どれくらいの額だとクビになりますか?
5講 転勤―会社から転勤を命じられました。どういう事情があれば拒否できますか?
6講 給料泥棒―まったく働かない給料ドロボーがいます。会社はこういう人を辞めさせることはできないのでしょうか?
7講 内部告発―会社がひどい法令違反をしています。内部告発をした時に自分の身を守る方法はありますか?
8講 合併―会社が他の会社と合併することになりました。合併後は給料が下がりそうなのですが、そんなことは認められるのでしょうか?
9講 残業手当―上司に言われていた仕事が勤務時間内に終わらずに残業しました。
こういうときでも残業手当をもらえますか?
10講 新人採用―半年の試用期間で「採用失敗」が明らかになった新入社員がいます。会社は彼を本採用することを拒否してよいのでしょうか?
11講 セクハラ―「仕事の話」を口実に上司から夕食にしつこく誘われています。これってセクハラではないですか?
12講 過労死―過労自殺した同僚がいます。遺族に最大の金銭的補償をしたいのですが、会社に要求できるのはどんなことですか?
13講 労災認定―自分のうっかりミスで仕事中に大ケガをしました。労災保険は適用されますか?
14講 定年―会社の定年は65歳なのですが、70歳まで働きたいと思っています。定年制の廃止を会社に要求することはできますか?
15講 喫煙問題―職場がいまだに禁煙になっていません。これって法的な問題はないのでしょうか?
16講 痴漢―痴漢で捕まってしまいました。会社にバレたらクビになりますか?
17講 妊娠出産―妊娠を会社に報告したところ、上司が冷たくなりました。妊娠中の社員の権利について教えてください。
18講 経歴詐称―経歴を低く偽っていることがバレてクビになった公務員がいました。経歴を低く偽ることの何が問題なのでしょうか?
補講
勤務時間中のネット遊びは危険
副業の法律問題
恋愛禁止の職場
会社が社員を訴えることはできるのか?
人事異動
労働組合から脱退すればクビ?
内部告発に対する報復的な処分が問題となった裁判例
事業譲渡
残業手当が支払われない人
内定を取り消すとどうなる?
職場のイジメ
過労死
「労働者」性の判断
さまざまな定年
イタリアの禁煙法
懲戒解雇と退職金
男性が育児休業をとらない理由
懲戒処分の種類
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なにをやったら会社をクビになるのだろう。重大な犯罪行為は当然だとしても、チカンや喧嘩による傷害、少額の脱税などでもクビになるのだろうか。また、社員規則をまもらないことでもクビになるのだろうか。アルバイトしたらクビだろうか。セクハラやパワハラは・・・。 本書は、こういう疑問を持っている人にお勧めしたい。実際の裁判事例を示しながら、場合わけによる解説はなかなか面白い。
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サラリーマン向けの労働法入門書といったところ。職場で起こりそうなさまざまな問題について、法的にはどう解釈されるのか、実際と架空の話を織り交ぜ、具体例としてわかりやすく紹介している。
タイトルからはもう少し違った(過激な?)内容も想像していたのだが、極めて普通の内容だった。
新入社員(新社会人)にはいいかも。
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本屋でなんとなく気になって手にした。ちょうど人権研修を受けたタイミングだったので、復習になった。ケースが多くて、わかりやすかった。裁判所の判断も自分の想像とそんなに相違ないことがわかった。
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労働法の入門ケーススタディ。意図的に浅めの内容が書いてある印象。
少し世相は古いものの、法律だとどういうジャッジになるのだろうという感覚を養う一助に。
法律がこう、だからといって現実はその通りにはなってないし、法律の強制力を行使したいのであれば方法論は別途知識を仕入れる必要あり。
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図書館で借りた。
タイトルに惹かれて選択。…が、中身はよくあるサラリーマンの裁判ユースケース集といったところ。「ブログでクビになるか」なんて発想は少し古さも感じられる。
新人・若手にはこの観点を持ってほしいので、「このくらいは分かっておけよ」という意味で勧めるかもしれないが、本として有益かと言われると微妙かなぁ。
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・強烈なタイトルとは打って変わって、労働法の教授が書いた至って真面目な本
・経費流用、社内不倫、痴漢、ブログに会社の悪口を書くなどをしてしまった時にどんな処分が下されるかを、裁判の判例を豊富に用いて説明する。どの業務が残業にあたるかなどの事例もある。
・喫煙に際して、法令の厳格な適用を望むA君に対して、「法は正義によって支えられており裁判所は国家権力によってエンフォースするが、それは最後の手段であるべきだ」「」
・2008年刊行というのもあってかなり古い価値観が見られる。「セクハラはイケメンと中年オヤジで対応が変わって不公平」などは今となっては口に出せない。大きく価値観が変容しているのを感じた。
きっかけ:タイトル買い。衝撃的。
読了日:2024/02/07