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孔子の実像やその弟子たちとのかかわりを通して見えてくる孔子を論語の色んな文章を引用して浮かび上がらせる。一章「孔子の人となり」、二章「考え方の原点」は、孔子や論語を知る上で読みやすい。しかし、全ての章が同じ構成になっているので、章を追うごとに退屈になる。論語の入門書としては「岩波新書」だな。という印象。
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孔子が2m20cmもある大男だったとは知りませんでした。
朗らかで、ユーモアがあり、素直で、芸術も愛したこともわかりました。
孔子の語録ばかりではなく、ぐっと人間・孔子に近づくことができました。
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井波 律子 (著)
大古典『論語』から精選した百四十六条を味読する。その無類の面白さの中核は、孔子という人物にある。約二千五百年のはるかな時を超えて立ち上がる、臨場感あふれる弟子たちとの対話のなかに、不遇にあって大らかさを失わず、ときに笑い、怒り、慟哭しながら、明朗闊達な精神をもって生きぬいた孔子の、稀有の魅力を読みとく。
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白川静先生の「孔子伝」の読後、なんとなくモヤモヤしたものがあり、論語について読み返すことにした。つまり、孔子先生の理想のイメージが判らなくなったということ。
もっとも論語を読んだのは、40年前に中学の週1回のクラブ活動。
孔子伝のお蔭で、論語の成立には孔子死後のかなり後から付け加えられている条もあることを知り、また全体像が知りたくなったが、読み通す根性もないので、適当な入門書を探すことにしたわけ。
孔子伝では論語の基礎は、孔子の放浪につき従った顔回と孔子の家をその死後も守った子貢にあるとしている。本書は孔子と子路、子貢、顔回を中心に紹介されている。それ以外では孟子につながる曾子、荀子に繋がる子夏と説明される。昔の印象は弟子が多すぎて誰が誰やらだった。別名で呼ばれたりする所為もあると思うが、本書の書き方は痒いところに手が届くようで有難い。
孔子は「仁」を時により相手により、様々の言い方で説明している。明確な定義ではないわけだ。白川先生の全人格的概念というのはそういうことかと納得。詩経を琴をつま弾きながら歌ったらしく、今の学問と違うイメージ。古典は未整備だったという白川先生の論を思い出す。
論語に表わされる孔子と弟子たちとの会話。孔子が人間的で明るく、そして弟子たちが感銘を受けながら先生の話を楽しんでいたのがよく判る。孔子も言い過ぎて、前言撤回したり、フォローしたり、所謂堅苦しい古典を読むのとチョッと違う面白さがある。
子路は無頼あがりの一番弟子。先生大事の直情型。先生のお小言も多く、時に冗談でからかわれたりしている。
「子路聞くこと有りて、未だ之を行うこと能わざれば、唯だ聞くこと有るを恐る。」中島敦の弟子を読み返したくなったが、子路の純真を思うと泣いてしまうかも知れない。
子貢は外交でも活躍もし、商売の才能も高かったとのこと。孔子との会話はテンポが早く、生き生きしている。
その子貢がとても敵わないというのが顔回。最初莫迦かと思ったが、よく見ると莫迦じゃないとの孔子の評。この人の何が凄いのか、やはり不思議。孔子の門が政治家か官僚の養成所みたいなものと以前は思っていたが、顔回は純粋に学問を楽しみ、貧乏を顧みない。孔子自身も政治に係わり、世を改革したい野心が強かったが、顔回のような在り方にも強く惹かれていた様子。
論語にはお堅い古典とは違って、何か悠々としたところがある。勿論、弟子たちとのやりとりが生き生きしていればするほど、晩年の孔子の悲嘆は深く、残された子貢の辛さも残るのだけれど。
ますます、論語が好きになった。良い本に当たったと思う。
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論語入門と銘打たれているが、「孔子とその弟子」といった内容。
孔子とその弟子たちの人となりが論語を通じて紹介されていてなかなか面白い。
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ラン友のおじさんが、
論語はいいぞ、と言っていたので読んでみた。
入門なので、2割程度の条文しか載っていないけど、
とてもおもしろかった。
読めば読むほど、
自分はまだ全然至らない人間と思えるし、
「マジ君子になりてぇ・・・」
と願わずにはいられなかった。
時間があったら論語も読んでみたい。
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そういえば論語って教科書ぐらいでしか読んだことがないなーと思い手に取った。論語を抜粋しつつ孔子の人物像を描いていて、読みやすかった。死ぬまでに一度ぐらいは、論語を通読することがあるだろうか?少なくとも興味を持つきっかけにはなった。
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人生初の論語ということで分かりやすそうなものを選んだ.
論語そのものの内容は正直あらゆるところで言われている理想論の塊で
特に面白いと思うような考え方はなかった.
ただ,今後論語の思想を引用した上で「孔子様が言ってた」と言えば説得力は
出そうかなという感じではある.
わずかに感じられた孔子様の為人は,正直大した人物とは思えないどころか
近くにいたら正直鬱陶しいと思いそうな人間で
・君主からの呼び出しに馬車を待たずにすぐさま歩いて出向こうとする
(実際にこれをやられればあてつけとしか思えない)
・やたら弟子の顔回を贔屓し,顔回が没した際には他の弟子を蔑ろにするような物言いをする
等,正直この人を知・仁・勇を兼ね備えた君子であると考えることは難しい.
本の中ではこの孔子を時に君子として,ときに人間らしいとしてダブルスタンダードでとにかくべた褒めするので,初めて孔子を知る側としてはまるで教祖を崇める信徒による本のようにしか見えない.
また,論語そのものも到底うまいとは思えない比喩を書いて終わったり,全く意味不明で曖昧な表現で終わるといったことも多く,自分としては正直持ち上げ過ぎなのではないかと思うところもある.
それでもやはりこの思想が紀元前500年頃に作り上げられていたということは非常に興味深いことであると思う.
論語の解説はこの本だけではないので今後はまた別の人の思想,解説を頼りに改めて論語を読み解いていきたいと考えている.
論語そのものに触れたことは自分の中で大きなことであると思うので評価は最大で.
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いい年して論語も知らないのでは、と思い、とりあえず入門書を読んでみた。
はじめは原文をなんとか訓読しようと頑張ったが、結局歯が立たず、途中から訓読を最初から読んだ。
今から、二千年前の思想とは思えぬ生き生きした言葉に数多く出会い、今度は通読に挑戦したい。
また、孔子のイメージも堅苦しいおっさんだと勝手に思っていたが大間違いで、それを知っただけでも、本書を読んで良かった。
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孔子の人となりが分かるように書かれてあり、分かりやすい。原文読むのは難解でも、その現代語訳と解釈の説明で読み解ける。
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私も孔子に弟子入りしたい。
この先生に教わりたい。
本書を読み終えた瞬間、そう思った。
だって孔子の顔が見えたんだもの。
キラッキラした瞳で空を見上げる孔子の顔が。
目の前に。
読んでいる最中、自分は入門したてのペーペーの弟子で、先輩弟子たちから「先生って〇〇でね、こうおっしゃってたんだよ」などとお話を聞かせてもらっているような感じだった。
そのくらい人物が生き生きと描かれている。
顔回、子貢、子路、子夏、子游、曾子……間違いなく、この人たちは紀元前に生きていたのだ。
私と同じように。
最後の章を読み終えるとき、涙が出た。
びっくりした。
お勉強色の濃い岩波新書を読んで泣けるなんて。
『論語』って、とにかくお堅い教訓の書だとばかり思っていた。
実際、現代でもよく見聞きする有名な格言が盛りだくさんで、これは『論語』から来てた言葉だったのかと知ったものも多々あった。
しかしそれ以上に、孔子が、その弟子たちひとりひとりが、こんなにリアルに、個性を持ったひとりの人間として目の前に立ちのぼってくるものだったとは、想像もしてなかった。
おもしろいぞ『論語』!
本書のおかげで「入門」できたので、次はちゃんと『論語』を読もうと思う。
その時はもっとしっかり弟子入りさせてもらいますぞ。
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論語に興味があったので手に取りました。
孔子という人の真面目なんだけれどユーモアがあって、人生を楽しもうとする姿勢がとても素敵だと思いました。
弟子を大切に思う気持ちも、とても暖かい。
作者の孔子への愛が感じられる本でした。