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日本はイエ、ムラなどの縁をなくす方向に進んで来たのだから、無縁死に行きつくのは当然という主張は切れ味のよさを感じた。
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現代の本格派知識人、良心的知性の御一人としては残念な書という他ない。人間蛆虫は福澤の例の戯言であり、そんなものに嬉々として飛びつくのは如何か?と思う。仏教説をパッチワークのようにつなぎ合わせての思考も生半可のものでしかない。この著者、おそらく文学に何の関心もない、或いはなかったのかしら。
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実は震災後に石巻を訪れて以来、ずっとカントを読んでいるのですが、カントが判断力批判を書き「崇高」に辿り着いた背景にもヨーロッパの大地震があったのですね。震災後に何が生まれようとしているのか、その思潮、この本は9割、正しいと思います。残りの1割は政治的な立場によるでしょう。
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★★★☆☆3
すっきりしない本だよ〜。
たくさんの引用知識で埋めつくされていて、結論が分かりにくいよ。連載を纏めた本だからこうなるのは仕方ないのかな…
ニーチェやサンデル教授もでできたけど、一番興味深かったのはトルストイの話かな。「真の生命」という概念が、アルケミストにおける「大いなる魂(だっけ?)」と似ている、繋がりがある!と思ったよ〜。
著者の主張はあまりグッと来なかったけど、引用のほうは為になる本。
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大学の学部の先生の本。幸福になるべし、というのも、本当にそうなの?という本。1つの考え方を提示するものとして読んでいて面白かった。
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今の日本では所謂マイノリティに分類される人が、なんとなく思ってはいるが論理的に説明できないもどかしさ、というものをある程度わかりやすく解説している良書だと思う。さすがに知識量が豊富すぎてわかりにくい所もあるが、他の著作も読んでみたくなった。
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佐伯啓思の新書というと,個人的には「20世紀とは何だったのか」あたりは,大名著と言っていいレベルの著作だったので,本書にも期待したのだが,少々肩すかしをくらった.
そもそも「人は幸福でなければならない」という観念自体が,近代西洋の啓蒙思想から出てきた発想であり,それを金科玉条的に追い求めることには,果たして意味はあるのだろうか?そこには徒にルサンチマンを刺激する何やらよからぬ機構が働いていないだろうか?
本書の骨子を説明すると,以上のようになるだろう.確かに,それは尤もである.尤もであるのだが,本書には,なんとなく他人の意見をそのまま借りてきたようなところがあり,論に深みが無い.仏教についての記述が散見されるが,それだって,著者の専門分野ではないだろう.つまるところ,浅いのである.
簡単に読めるのはいいが,佐伯啓思らしさという意味では,今一つであった.
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日本人が忘れてしまった価値。人生観や死生観や自然観を見失ったために、自由を求めても、経済成長しても、幸せ感が得られない。
アメリカのマインドコントロールが解けつつあるのかな、なんて思いました。
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戦後から現在に至るまで日本社会で支配的だった「功利主義」と「リベラリズム」に向けられた懐疑。輸入された概念をそのまま模倣するだけではなく、現代日本人はいかに生きるべきか「自前の議論」をしようではないか、と著者は呼びかける。
戦後の近代化の流れの中で日本人が失ったものは多い。
ふるさと、家族、死を基準として生を見る死生観、習俗、自然への畏敬、無私という意味においての「他力本願」……etc.
いずれも「近代化」や「戦後進歩主義」がもたらしたものだと著者は言う。現代人はこれらを捨て去ることによって「よりよい生活」を手に入れてきたわけだが、災害や「孤独死」に直面したとき、ほころびが生じ、矛盾は露呈する。
現代日本人は、これからも「成長」を目指すのか、「脱成長」へ転換するのか、価値観の選択を迫られている。
ニーチェが説いた「ルサンチマン」と民主主義の腐敗の関係を説いた最後の章が興味深い。
著者は「ルサンチマン」が社会を動かす原動力の一つであることを認めつつも、民主主義社会において「悪しきルサンチマン」は政治を常に客体化し、権利だけを追求する無責任な国民を生むと説く。曰く、民主主義の中には屈折した精神が潜んでいる。我々はひとまずそのことを自覚しなければならない、と。
事実、「悪しきルサンチマン」をもった国民は民主党政権を生み、民主党は「反・権力の権力者」という矛盾した存在がたどるべき当然の結果として、おのずと腐っていった。
(個人的にはジョージ・オーウェルの『動物農場』を思い出した。)
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尊敬する思想家の書籍。尊敬していたが正しい。もう身体が右翼的な考え方を吸収しなくなってきている気がする。保守派卒業。これからは中道右派ってことで。
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ごめんなさい。全く文章が頭に入ってきません・・・。
面白そうなテーマを何でこんなつまらなく書けるのか不思議。
読むの断念。
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「幸福」そのものにかかる考察の部分は、その結論が現在の状態を下げて満足すべき、とする点で、その過程にかかわらず得心がいかないが、政治状況にかかる考察については、2014年の現在からしても、未来を的確に、そして深く鋭く言い当てており、さすがの一言。
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近代以降、人びとは共同体の呪縛からの「自由」を求め続けてきました。その結果、「無縁社会」と呼ばれるような問題が生じることになり、人びとは慌てふためくことになりました。また日本では、近隣諸国との関係が悪化し、戦後棚上げにされてきたナショナリティについての問いが喧しく論じられるようになってきています。著者は、こうした問題に対する付け焼刃の対応を批判し、私たちがどのような「価値」を選ぶのか、根本から考えなおさなければならないと論じています。
とくに、近代人が個人の自由をめざしてきた結果、確固とした「死生観」を失ってしまい、自分の死について考えられなくなってしまっているという指摘は興味深く感じました。
ただ、元は雑誌に連載された文章だということを知らずに読み始めたので、論じられている内容が散発的なことについていけず、もどかしい思いを感じてしまいました。
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「幸せはこういうもんだ」と言われて「そうですよね」と返せるのならこんな簡単な話はない。それぞれにとっての幸せを考えるうえで、大事なヒントをくれる本だと思いました。
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年度替りの忙しい時期に、次から次から問題が浮上。まあ、この1年、私は決して幸せではなかった、と思う。こと、職場においては。しかし、幸福と言い、幸せと言い、いったいそれは何を意味するのか。長生きするのが幸せなのか。お金持ちが幸せなのか。人それぞれ、感じ方、考え方は違うはず。少しでも長く生きるためにからだにチューブをつなぐ。お金を得るために、休む間もなくはたらく。または、お金がたっぷりあって、はたらく必要もない。だれの役にも立っていない。ひとはいつも幸福でなければならないのか。不幸な時代の方が、未来への希望が持てたのではないのか。本書は雑誌に連載されたものを1冊にまとめられています。死生観、哲学、宗教や政治の話まで、途中からは幸福の話だかなんだかわからなくなりますが、一つ一つ考えさせられることは多いです。連載中に東日本大震災がありました。被災者の皆様にも、いつの日かおだやかな、幸せな日がもどることを願っています。