紙の本
過酷なグローバル競争の中で日本のとるべき道を教示してくれる書です!
2018/08/25 09:58
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投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、現代における過酷なグローバル競争がすでに始まっており、電気自動車、携帯電話、ナノテクノロジーなどの分野はもちろん、会計分野、スポーツ分野にまでその競争は及んでいること、さらにそこには国家と企業の攻防があることを丁寧に解き明かしてくれる書です。また、こうした状況の中で、日本が取るべき道筋も示してくれる良書です。
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これは良書!!筆者の問題意識と私の問題意識が一致した。前職では東南アジア諸国の法整備支援関連を行っていたが、これはルールを輸出するひじょうによい試みだろう。
・大学の統計の先生が、あなたは・・をすべきだと思いますか、などという規範を問うアンケートは意味なし。唯一意味あるのは、過去に・・したことがありますか、という事実を問う質問
★全く同意。
●グローバルルールの作成までには、
最初に理念、次いでアジェンダ設定、そしてモデル作り、最後にルールに至る流れ。被虐趣味はよろしくなく、海外のルールが日本にとってまずいときがあるのは、そもそも理念を共有できなかったことが多い。
・モデルとしては、省エネのトップランなー方式や、トヨタのカイゼンがそう。
●欧米は自社でルールを作る気概がある。日本はルール作りや法律の解釈まで当局に頼る。ゆえに、掃除ロボット技術は日本にあったが、仏壇にぶつかってろうそくが倒れ家事になったらどうするか、ということがあり、ルンバに先を越された。
・技術とルール作りは違う。たとえば、ハイブリッド技術が優れていても、省エネ対象として推進力に電気モーターだけを使ったもの、というルールが設定されてしまうと即アウトになってしまう。
・生物多様性条約によっても、バラスト排水を規制したがゆえの新需要が生じた。
・法は目標であって、守れそうにない数値を設定することもある、というのが欧米。だから、守れそうになり数値できせいした法は誰も守らないから気にされなくなる。
・ルールがあるだけで、その背後の理由を考えずにルールを守ってしまうところが日本人の悪いところ
★同感
●マーケティングの4Pにルールを加えて、4P1Rとする。
●ルールには、使えるルール、つくるべきルール、変えるべきルール、阻止すべきルール、予想されるルールがある。特に日本はルールがあったら金科玉条で守るべし、だが、欧米はその発想ではない。
・そして、将来作られるであろうと予想されるルールにのっとって今ビジネスを考えるのがイノベーションの一つ。またそれに合うようにルールを作っていくことができる。
・社内の価値観や原則の不足を、国連のグローバルコンパクトにコミットメントすることで補完する動きがある。
・会議の際には議長の近くに座ること。
・同じ結論を得るためでも相手に合わせて複数のロジックを持つこと。規制が本来の目的に逆行することを示せば、規制が回避されることが多い。
・世界各国では、グローバル企業の展開にも最終的には政府の力が関係してくる。
・ホロコーストの原因となった、企業の政府へのユダヤ人個人情報提供への反省から、ヨーロッパは個人情報保護に厳格になった。
・また、CSRも、元は若年層の失業問題からネオナチに走る若者たち、という社会情勢を憂慮し、企業には失業問題に取り組む社会的責任がある、という観点から発生。
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スタンダードに対する考え方が、日本と海外では違うことを例を上げて説明している。たとえば、日本人はスタンダードとしてルールが決まれば杓子定規に守ろうとするが、海外では到達目標ととらえているということである。
最低限守らなければならないルールについては、日本人と海外との間に違いはないと思うが、守れなければ守らなくていい、だけどこの方向を目指そうねというという類のルールは誤解するととんでもないことになってしまう。
ルールを作ることは理想を作ること。この考えはとても良い。ルールを守れなくても、少なくとも現状維持できる。なんとプラス思考なんだろう。
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この種の「パブリックアフェアーズ」に関する書籍は少ないので貴重です。ロボット掃除機やスイカなどいい事例を教えてもらいました。
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内容は必要とする人には必要な本だろう、という気はしなくもない。ただ、雑誌の記事ならともかく、この内容を1800円の書籍としてで世に出すセンスがわからない。こういう大きなテーマをかいつまんで話して参考文献も無し。すごい自信だが、テーマを絞ってでも内容を濃くするのが筋じゃないの?と思う。結果、事情通の小遣い稼ぎに見えた。
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目標や方向性としてのルール、という考え方は全く初耳だったし、そうした考え方をする背景にある「理念」の重要性もこの本で学ぶことができた。
では具体的に明日からどのようにビジネスで実践できるかというと、下っ端社員にはなかなか難しいのは確かだが、世界水準の考え方に触れ、知識とできただけでも良しとし、いずれ国際舞台でバリバリ働くときのために「憂国の情」だけは持ち続けたい。
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久々に毛色の違う本を読んだ。
グローバルにビジネスをする事の解説だけでなく、ロビイング、米国だけでなく欧州の特徴、グローバル時代に日本という国を意識する事の意義など、具体例をふんだんに盛り込んだ良書。
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ルール策定への活動を重視しないといけない、という話。
ロビー活動の実話とかもあり、なかなか面白かった。
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本書は企業がグローバルに活動するに当たっての各種ルールに焦点を当てた本ですが、このテーマを扱っている本の中ではとてもわかりやすく好感が持てました。というのもこれまで世の中に出回っているルールものの本は、対象読者が各企業の法務部など実務担当者向けで、細目が解説されていてなど、正直私などは数ページでギブアップするのですが、本書はむしろ企業経営者・経営幹部を対象にしている点に好感が持てました(※ある意味ブルーオーシャン市場で勝負している本とも言えるでしょうか)。
また「競争戦略としてのグローバルルール」というタイトルですが、これが唯一の戦略だ、というトーンではなく、本書にもあるように第3の戦略としてのグローバルルール、と述べている点も共感が持てます。各企業、程度の大小はあれ、海外ではルールに縛られる点もあるので、そこを逆手に取って競争優位を築く、という戦略オプションもあると思います。
唯一クエスチョンマークがついたのは第一の戦略「戦わない戦略」、第二の戦略「戦うときの戦略」、という記述をしている所ですが、ここでブルーオーシャン、ランチェスター、3C、4P・・・と言われてしまうと、かなり安っぽいというか薄っぺらい感じがしてしまいました。ただそれ以外については興味深く読めましたのでおすすめです。
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日本の国際ルール戦略を牽引してきた方。
日本は技術を確立してから、ルールを作ろうとするが、欧米は技術ができそうになったら、ルールを作る。
日本はルールは守るべきもの、国の理想と考えるが欧米はルールは場合により変えていくもの。
日本も国際ルール戦略+技術の両輪で考えないと勝負にならないと警鐘を鳴らしている。
土俵に立って相撲を取るのではなく、土俵、ルールからデザインして相撲を取るというイメージだろうか。
スポーツもそうだが、日本が強くなったものはルールがよく変わっている印象を持つ。
そして、敗戦国なんかにトップを取らせたくないという欧米の方の本音を耳にしたこともある。
そういう考え方も有るんだと理解して、ビジネスをしていかないと、いつのまにかがんじがらめで動きが取れなくなってしまうだろう。
あ、まさに今の日本に当てはまる。10年以上前に書かれた本とは思えない。
優秀すぎるがゆえに、へんな罪を着せられてしまったのだろう。