紙の本
イマドキの年寄りは・・・
2012/04/21 17:59
5人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Yosh - この投稿者のレビュー一覧を見る
初出は「別冊文藝春秋」2008年3月号~2009年1月号。単行本は2009年3月に文藝春秋から刊行。
本書「あとがき」で著者が記しているように、「イマドキのご老人は容貌も仰ることも若いよなぁ、と肌で感じ、このカッコいい年代を主役に据え」、「ついでに時代劇を現代でやったらどうなるか」と試みた結果が、6篇から成る連作短編集である。
定年退職後に近所のゲームセンターで再就職した剣道の達人、清田清一(=キヨ)。居酒屋を息子夫婦に譲り、今は楽隠居の柔道家立花重雄(=シゲ)。機械をいじらせたら無敵の頭脳派で、自らアブナイ武器を次々考案する工場経営者の有村則夫(=ノリ)。この3人がひょんなことから自警団を結成し、必殺仕置人ばりにご近所で悪さをする奴を片っ端から退治する・・・。面白そうな筋立てでしょ。でもね、有川浩レベルにしては、それほど面白くなかった。何故だろう?
一つには、「おっさん」の生態が余りにも綺麗ごと過ぎる。『図書館戦争』シリーズや自衛隊モノでは、キャラを美化し過ぎていたりカリカチュアしていた面は多々あれども、核心部分はリアルに描いていたから、登場人物も物語りも単なる絵空事には終らなかった。でも本作では、「おっさん」像がどうもピンと来ない。やはりここは――例えば、奥田英朗の伊良部シリーズのような――生々しい、有無を言わさぬ「おっさん」像の迫力で迫って欲しかった。清と濁が混在するおっさんが、いざ鎌倉と義侠心に駆られるから面白いのであって、このおっさんたちは余りにいい人・善人・欠点無さ過ぎます。
もう一つは、物語の焦点が、途中からキヨの孫息子とノリの愛娘の話に移ってしまうこと。彩りを添える――のならいいが、三匹のおっさんの話が背景に退いて、高校生の恋物語がメインになるのは、看板に偽りありではないかと言いたくもなる。
キヨと孫息子の遣り取りや、じんわりさせる幾つかのエピソードはさすが手だれと唸らせるが、全体としてはハジケっぷりがもう一つで、有川大ファンとしては不完全燃焼気味。
紙の本
身近にありそうなお話
2023/02/20 20:25
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投稿者:みみりん - この投稿者のレビュー一覧を見る
今回はザリガニも出てこないし、未確認飛行物体も出てきません。
図書館で戦争もしないし、自衛官も出てきません。
主人公は還暦になったキヨ、シゲ、ノリの3人。
頭と体を使って、近所のトラブル解決!
紙の本
勢いよく読み終われる
2021/02/03 17:41
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投稿者:hideton - この投稿者のレビュー一覧を見る
おもしろい、けど、物足りない
メインの3人は、わかりやすい設定
有川先生の作品に魅せられた経験があるので、期待が大きすぎたのかな
もっとぐっとくる展開がくると思いつつ、各話が終わってしまう
電子書籍
面白かったです。
2015/05/04 22:55
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投稿者:eri - この投稿者のレビュー一覧を見る
真っ当な感じが、端々から伝わってきました。気持ちのいい、痛快なお話でした!もう少し、是非ともシリーズ化してほしいな、と思う本です。年齢を全く感じさせない部分と、年齢を重ねたからこその強さや経験の両方があるのがいいのかな、と思います。三人の主人公は、頑固な部分もあれど、とてもしなやかだな、と感じました。柔軟さも持ち合わせているからこそ、若々しく見えるのかもしれない、と思いました。
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世の中(街中?)の悪を〈必殺仕事人〉のようにバッサバッサと斬る(?)幼馴染みのおっさん3人は痛快至極。一方で若い2人の恋模様も微笑ましい。続編も読みたくなるステキな作品。有川さんの後書きや中江有里さんの解説まで読みがいのある一冊。
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還暦過ぎた柔道家が本当にそんなに強いんだろうかとか色々と心配になったりもするんだけども、とにかく面白かった。
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嬉しい文庫化。
「3匹のおっさん」は、3人とも素敵でかっこいい。
孫の祐希も自分というのをきちんと持っていて、いい味出している。でも、高校生は深夜バイト出来ないのでは・・・と気になって仕方がなかったw
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文庫化してたので少し迷いつつ購入。
買ってよかった!
有川浩が好きで、なおかつオジサン萌えできる人にはおすすめ、痛快活劇が好きならもっとおすすめ!
還暦ぐらいでジジイの箱に蹴り込まれてたまるか、が帯の文言。まったくもって、最近の還暦はみな若い。
悪ガキ3匹が還暦になって始めた自警団、いろんな事件やトラブルを痛快に解決していきつつ、家族や地域、人と人との関わり方の変化なども実に人間臭く描かれる。
そうだよ、こういう人間味あふれる話が読みたかったんだよ、と声を大にして叫びたい。
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自らおっさん萌え・ジジイ萌えと書く有川浩。
定年を迎えた近所馴染みの3人のおっさんが『三匹の悪ガキ』のなれの果ての『三匹のおっさん』なる私設ボランティアとして街に降りかかる小さな火の粉を消し取っていくお話。
詐欺、痴漢、動物虐待、催眠商法に、今どきの子どもや学生、若夫婦に孤独な老人の話を絡めて、予定調和的な話の展開だけど、その分、安心感はあり。
祐希と早苗の付き合いなんていつもの面倒くささもどかしさ満開だし、登美子さんの件りなどハナからネタバレという感じだけど、どの話も収め方がキレイで気持ちが良いわな(カルガモの話だけはどうにも収まりつかないお話で、世の中の風潮に対する忸怩たる思いだけが残る)。
ただ、男は、よほど男前で優しさが滲み出る奴は別にして、やっぱり腕っぷしが強いか特殊技能を持たないと役に立たないということみたくて、それはそれで切ないねぇ。
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読んでても、読み終えても爽快の一冊。
相変わらずの、有川さんのテンポのイイ話、大好きです♪
しかも今回はオッサン達が主役なのに、かっこいいのなんのって!!
孫の祐希と清一のやりとりが読んでて微笑ましくって、思わず笑みが(笑)
前から読みたくてハードカバーで購入しようとした矢先の文庫発売だったので、ナイスタイミングでした☆
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有川浩さんの新シリーズの第一弾。
還暦を迎えた仲良し三人組が町内の事件や問題をスカッと解決してくれる活劇調の連作短編集である。
主人公の三人のおっさんに加えて、若者層から二人を配置し、テーマを老後、家族、恋愛とうまく広げてみせる。このあたりは有川さんお手の物。三匹のおっさん以上に心強い。
しかしながら、日常が舞台なので突拍子もない事件が起きるわけではない。よってそこに描かれる悪意は身近なものとなり、読む者に何とも言えない後味の悪さを残す。
とは言うものの、キヨ、シゲ、ノリ、祐希、早苗の5人の明るさのおかげで読後感は随分清々しくなっており、やはり有川さんさすがだなぁ、と感服させられる。
第一話 祐希とキヨが働くゲームセンターでの売り上げ強盗のカラクリを探れ!
第二話 多発する強姦未遂事件の犯人を捕まえろ!
第三話 シゲの奥さんに近づく年配の男の正体を探れ!
第四話 中学校で起きた鳥のヒナ虐待の犯人を見つけだせ!
第五話 早苗のクラスメイト潤子を脅す男を懲らしめろ!
第六話 高齢者狙いの悪徳商法から住民を救え!
85点(100点満点)
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勧善懲悪じーばーもの。
少し三匹が凄すぎる気もするが、作者の言うとおり時代劇テイストなのでそういう事なんでしょう。読んでいて気持ちいいだけでなく、子(親)や孫の成長など読みどころも多く満足です。
個人的には須藤真澄さんのイラストが嬉しい。須藤さんを選んだ有川浩さんのセンスには頭が下がります。
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めちゃめちゃ面白い‼
私の読書至上一番ハマったかも…
登場人物が全員好き!
私が大好きな連作短編で、これまた好きなオジさん達の活躍、家族愛…それに高校生のピュアなラブまでついてるなんて…どれだけ贅沢なんですか⁈
毎日、一話ずつニヤニヤしながら読み返してます。
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三匹のおっさんが、「三匹が斬る」よろしくご近所の悪を斬る…という話。安定の有川先生。胸くそ悪くなる悪党をハイスペックなおっさんたちが成敗していく様がかっこいい。しかしやりすぎ感もあるので、有川浩好きじゃない人には馴染まないかも。
エレクトリカルパレードの凶悪さに笑った。
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面白いだけでなく、すごく為になる。全ての世代にオススメできるけど、特に小さなお子さんがいるご夫婦に読んでほしいなぁ。親としての姿勢の教科書かも。
作者が熱望しただけあって、挿絵の雰囲気はピッタリ☆章の扉と終わりにある挿絵にぷっと笑ってしまうこともしばしば♪特に“エレクトリカルパレード発動1秒前”には笑いました☆