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紙の本
自信をもって推薦します
2008/11/23 10:36
5人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:喜八 - この投稿者のレビュー一覧を見る
米国のサブプライムローン破綻から始まった世界同時不況。
どれくらい続くのか予想もできませんが、世界経済が景気低迷期に入った可能性はきわめて高いのでしょう。
こういうときは、もっとも信頼するエコノミスト・山崎元《やまざき・はじめ》さんの名著『新しい株式投資論 「合理的へそ曲がり」のすすめ』を紐解いて、「株式投資というゲームを楽しみつつ、最後は勝つ!」という基本を固めることにします。
ちなみに山崎元氏は「もし私が政治家であったら、ぜひとも『相談役』になって欲しい」エコノミストです(私は政治家ではありません)。
本書『新しい株式投資論』でもっとも注目すべきは、218頁の「不美人投票」です。
これは大経済学者ジョン・メイナード・ケインズ(1883-1946)の「美人投票」を発展させた理論です。
ここで詳しい解説をここですることはできませんが、ぜひとも山崎元さんの『新しい株式投資論』を直接読んでみてください。
株式投資に限らずあらゆる分野で「人生で幸福になる方法論・秘訣」として応用できるのが「不美人投票」理論だと思います。
山崎元さんが本書195頁で「株式投資をする上では、いわゆる専門家の意見を信じないこと、専門家を頼らないことが、大変重要だ」と仰っているように、私(喜八)も山崎さんのことを信じきっているわけではありません。
と、これは皮肉でもなんでもありません。
実態経済の複雑怪奇さに比べたら、「経済学」はあまりに非力!
というのは「常識中の常識」ですからね。
世の「エコノミスト」さんや「経済学者」さんたちは、営業上の理由で「オレ様はなんでも知っている」風のポーズをとっている。
これまた「常識中の常識」であります。
「自分をふくめた、いわゆる『専門家』を信じるな」と公言する山崎さんの正直なところが私は好きですし、信頼する大きな理由ともなっています。
なお、『新しい株式投資論』で感銘を受けた部分は、まだまだ沢山あります。
株式投資・金融・経済に関心のある全ての方にとって必読の書である! と自信をもって推薦いたします。
紙の本
ゲームだと思います。
2010/12/03 13:10
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:rindajones - この投稿者のレビュー一覧を見る
著者は私が好きな数少ない投資アナリスト(と称して良いか分からないが...)の一人。彼のことを知って間もない頃に読んだ本で(書名は失念)、未だに印象深く残っているのがある。
息子(娘)がバイクに乗りたいと言ったとき親として取るべき行動は?
というもので、これを投資にみたてて、リターンを最大にする有効な回答は
ヘルメットを買い与えること
あれ?ちょっとニュアンスは違うかもしれないが、概ねこんな感じだったと思う...。ちなみに、私がバイク好きということを差し引いたとしても、この主張を支持します。
その本はあらゆるものを投資として考えた時に如何に行動すべきか、を様々な事例で検証したもの。このバイクの例だけでは面白さが伝わらないが(それは全て私の解説下手にあるのだが)、この本を読んだだけで、著者の投資や経済に対する思想だけではなく、もっと普遍的な面に大いに共感したのを覚えている。
本書の今回のテーマは「株式投資論」に絞ったもので、やはり彼の考えや意見には大いに同感する面が多い。「新しい」かどうかは分からないが、大多数が支持する理論ではないような気がする。何故だろうか?
株式投資をゲームと断定した上で
株は情報の勝負ではない
頭脳の勝負ではない
金持ちが勝つゲームではない
努力しても上達しない
必要なのはセンスだけ(あと「運」も)
と主張されたら引く人が多いからかもしれない。少なくとも私には、著者が感覚的にこれらを主張しいるとは思えない。著者なりの経験と分析に基づいたものであると思う。要は、これらを受け入れるか否かだと思う。
恐らく本書を読んで失望する人は、これを読んでも直ぐに利益が得られるノウハウが無い ことを挙げるかもしれない。そもそも株式投資でそんな方法論など本になること無く、すなわち誰もが儲かる方法は存在しない(あったとしても既にその方法は使われて有効では無くなっている)というのも彼の主張です。
本書では色々と同感する点は多いのだが、一つ変わった点で興味深いかったのは「行動ファイナンス」の一種かもしれない「ニューロ・ファイナンス」の話。
複数のカードの山からどれが得か損かのカードの山を判断する実験で、平均的な被験者は80枚ぐらいのカードから「この山はヤバイ」と意識し始めるが、皮膚に電極を付けて調べた反応からは20、30枚で既に「ヤバさ」を感じている
というもの。この事例から色々想像できる。
1. 投資判断の誤りは脳が納得した時点で採用した「遅くて悪い」判断に原因がある
2. 各種のチャート分析は大して役に立たないと思うが、が「この」感覚に従う判断材料として今以上に有効に使えるかもしれない
3. この感覚を鍛える「怪しげな」トレーニンググッズが販売される
3は著者も書いておられるが、1,2は私の勝手な想像。「1」なんて「結局は勝ち負けは能力差じゃんかよ~」とするのか、「誰でも平等にもっている磨けるセンス」なのか分かれるところかも知れない。本書で述べられているセンスとは違うかもしれないが、私は後者の「センスを磨く」という方を断然支持したい。
「ニューロ・ファイナンス」まだまだ発展段階のテーマで、当時からどれほどの進歩があったのか分からないが、「行動ファイナンス」と併せて「古典的ファイナス理論」のある面を打ち砕く理論で有り得ると思う。
このニューロ・ファイナスの項を読みながら、先日読んだ橘玲の「亜玖夢博士のマインドサイエンス入門」の脊髄反射のことを、(多分私の脊髄が反応して)瞬時に思い出した。そして「金融広告を読め どれが当たりで、どれがハズレか」には薦める著者にこの山崎元と橘玲が挙げられている。
結局は自分の思想や哲学をもって事に当たらないと(株式投資もしかり)ダメなんじゃないかと思う。「必勝チャート分析法」なんてのに活路を探す姿勢では、その時は既に誰もがその方法を採用して、自分が買ったときには「既に高値」... これがこの株式投資というゲームの一面のようです。そんな時はケインズの「不美人投票」を思い出して行動するのが「合理的へそ曲がり」なのです。
紙の本
ゲームプラン
2008/01/25 23:28
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ヂャリや - この投稿者のレビュー一覧を見る
「株式はギャンブルである」と著者は言い切る。確かにそこから始めた方が、安易さがなくなる。そして、株式投資のセンスとは「合理的なへそ曲がりの精神」と断言する。言いえて妙であるが、本書の中で「他人を信用しない、素直な性格」と説明している通り、一見矛盾に見えるが、実は合理的であって、株式投資において、重要な役割を果たしていることを、論理立てて説明されている。株式市場が下がっている現在、じっくり研究をして、「ナイフが床に刺さる」ことを確かめた時、本書によって得られた知識を実践する時がくることを実感できる。
著者の考え方をあらわしている象徴的な、そして非常に面白い部分は、株式投資と他のスポーツのプロとアマチュアを比較して、「ベテランが初心者に能書きを垂れたがるところまでは、同じでも、初心者の方がい運用成績(=パフォーマンス)が良いことが頻繁にある」ところが大きな違いとしていることが、たびたび登場する痛快さだ。
株式投資をゲームとして捉えた考え方を基本に、ゲームであるならば、何をどうすると言った論理展開は実に説得力がある。ゲームに勝つには、ゲームプランがないことには話しにならない。ゲームプランを持たなくても勝ってしまう所が愉快なところでもあるのだが、プランを持たないこと自体が、次の大負けを呼び込むところが、怖いところでもある。
ゲームプランを持つことこそが「継続的成功」を生み出すことがよくわかる本です。
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