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一人の農夫の視点から始まる、多くの事業を手がけた渋沢栄一の生涯の本。
幕末から明治まで「あぁ、こんな時代であったか」を感じることのできる小説です。
それにしても金をやる(寄附)ならきちんと成果を出す、という考えは本当にそのとおり。
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面白かった!!
上巻は、渋沢栄一の尊王攘夷の志士から一橋慶喜への士官、パリ留学、静岡藩での商工会議所での設立から、大蔵省への出向までが描かれている。
⚪️渋沢栄一自身の現代で言えばキャリアの選択、誰に仕えるかという視点が、自分の「ポジション」を踏まえつつ現実的に理屈的に考えているのが印象的。
⚪️また、特に一橋慶喜へ仕えたあたりから人をうまく使う点、さらに会計を重視する点等、のちのちの財政家、実業家へと育っていく視点がやはり印象的。
⚪️幕末をこれまで、倒幕派の長州薩摩、佐幕派の新撰組から見ることは多くあったが、一橋慶喜から見ることは今回が初めてだったので一橋慶喜の家臣も含め、一橋慶喜の先見性、知略をうまく学ぶことができた。
下巻も楽しみである。
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僕の大好きな渋沢栄一の小説です。
農民から立身出世して大成していく姿は秀吉に通じます。
最近歴史小説は戦国時代から幕末明治に興味が移ってます。
やっぱり人の生き死によりもいかに政治的に勝ち抜くかという方が現代に通じます。
自分で仕事を作って上に認めてもらっていく姿は見習わないといけません。
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渋沢栄一の半生を描いた本。
上巻は討幕まで描かれていた。
何事にも一生懸命に取り組み、世のため人のために討幕を掲げていたが、ひょんなことから徳川慶喜に仕えることになった。
死を覚悟してまで討幕を決意していた栄一が、目まぐるしく変化する世の中に合わせて自分の考えを柔軟に変化させ、使えた先で一生懸命働く様が格好よかった!
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城山三郎『雄気堂々』新潮文庫 読了。幕末維新の動乱の中を生きた近代日本最大の経済人渋沢栄一を描く。農夫の出身で藩閥にも属さなかったのに元勲とも肩を並べて活躍できたのは不思議だが、その生き方のヒントが同書にある。実績こそ華々しいが、若き渋沢が変節しながら老練に生き抜く上巻も面白い。
2014/03/12
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渋沢栄一というと、
聞いたことはあれどなにをした人かは正直よく知らなかった。業績は多岐にわたるが、
第一国立銀行のちの第一勧銀を設立したのが一番の功績なのだろうか。
この本は渋沢栄一の生涯をなぞった小説だが、
農家→尊王志士→徳川家に士官→大蔵省完了後→民間で事業に携わる
といった生涯の変遷に驚く。
これだけ立場を変えても人々に慕われて尊敬されたのは、よほどの能力と人柄があったのだと思う。
本の一節に、
志を心の中に立たせるのは容易い、
実際にどうやったら立つかを考えないと意味がない。
というような内容がある。
彼の一生はそれを追求した結果として、
立場がころころと変わることになったのだろう。
城山三郎さんの本なので内容はいつものようにお墨付き。新紙幣一万円の肖像となる渋沢栄一について知りたければぜひ。
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ある意味で時の人である渋沢栄一を知りたくて読んでみた。
正直知らない事が多く、驚き感心している。
上巻は主に江戸幕府が終焉を迎える時代の栄一について書かれている。
自分のイメージする明治時代の栄一はこれからの下巻に書かれいてる。楽しみだ。
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「日本資本主義の父」とも称される渋沢栄一の伝記的小説。しかし、ただの伝記的小説ではなく、良質の幕末・明治維新を巡る青春群像劇であり、著者が「あとがき」で述べているように「ひとつの人格形成の物語であると同時に、国家形成、時代形成の物語である。あるいは、組織形成の物語ともいえる。」
そもそも一農夫であった渋沢栄一が、過激な志士、徳川慶喜の家臣、幕臣、大蔵官僚、実業家へと転々とする人生を送っていたことを、本書を読んで初めて知ったが、その波乱万丈の人生自体が面白い。そして、著者の読ませる文章がそれを引き立たせている。
また、いずれの脇役もなかなか魅力的で、時々脱線しながらも、様々な登場人物を深掘りする描写も悪くない。
そして、本書で紹介されている、渋沢栄一の「精神だけではだめ、実が伴わねばうそだ」という考えや「やりがいのあるたしかな仕事がなければ、自分でつくり出せばよい」という姿勢などについては、生き方として参考にしたいと思った。
上巻の最後で出てくる、渋沢栄一が大隈重信から「八百万の神々の一柱」として大蔵省への出仕を説得され、渋沢栄一もそれに感化されるというエピソードが、一番心に残った。
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渋沢栄一の30歳くらいまでの出来事を、いろんな登場人物を交えて描かれたわかりやすくて面白い小説。
小説の読み始めは、読みにくい。
栄一の家族や栄一が暮らす村の人々など、登場人物が多くて脳内渋滞を起こしてしまった。。
ただ、それらの登場人物が織りなすエピソードが読み進めていくうちに、どんどん面白くなっていく。
江戸時代末期の激動の時代、薩長同盟とか大政奉還とか歴史の教科書で学んだ時代の、歴史の教科書に書かれていないストーリー。
教科書で学んだことのある、幾人もの人物と栄一とのやりとりが、栄一を成長させる。そして、読者(自分)に当時の各地方や政府、幕府の関係性の理解を促してくれる。
はやく下巻読みたい。
(敬称略です)
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農家に生まれ、幕末の尊王攘夷の活動を主導しながら、幾多の同志の死をまのあたりにするも生きながらえる。時代の流れに乗り、自らの実力と運で幕臣となり、さらには新政府の中枢に誘われる。2019.12.13
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国の行く末までも自分ごと化できるすごさ。
来年の大河ドラマの予習もかねて。
先に読んだ著者の『落日燃ゆ』が素晴らしかったのも作用して。
熱量がすごい。国を憂い、自分たちがなんとかするんだ!という思い。本当に熱い。すごい。
自分自身のこと、他人のこと、所属する組織のこと、働いている会社のこと、住んでいる地方のこと、国のこと。どんなことでさえ自分ごととしてとらえ、考え、行動できるはずなのに、してない人が多すぎる。もちろん自分も含めて。
昔の人は偉かった。
と、手放しで礼賛するつもりはないが、この自分ごと化して行動できる強さ、見習い自分も同じく行動していきたい。いく。
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『雄気堂々 上・下巻』
城山 三郎 著 読了
先月、新紙幣の発表がありまして
個人的には、新元号よりHotな話題
一万円札→渋沢栄一
五千円札→津田梅子
千円札→北里柴三郎
で、昨年
北里柴三郎の評伝を読んでいたので
まあまあの知識はありまして
津田梅子に関しては
津田塾の創立者というぐらいで
渋沢栄一に関しては
聞いたことあるかなぁーぐらいの認識
コレではいかんと
早速、いつも読書指南をしてくれる常連さんに
お勧めしてもらったのが本書
渋沢栄一
1840年3月16日〜1931年11月11日没
当時の人としては、なかなかの長生きだ
本書では、幼少期の描写は無く
従兄妹である千代との祝言から始まる
自身の祝言の席であるにも関わらず
千代の兄達と、酒を酌み交わしながら
話に夢中になっている
渋沢家の長男である栄一は
家業である藍の商売や、農業を手伝いながら
千代の兄である、新五郎に師事し
いつかは江戸に遊学したい希望を持っていた
そんな跡取り息子を心配した父が
しっかり家業を受け継いで
大人しくしてくれることを望んで勧めた結婚だったが…
結局、江戸への遊学を許してしまう
小腰平助の紹介で、一橋家の用人 平岡円四郎に引き合せられる
初対面で、身分が違うにも関わらず
栄一の話を熱心に聞いた
新たなる人材発掘を目論んでいた平岡は
栄一を気に入り、侍になって一橋家に仕官しないかと
スカウトされ、度肝をぬかれる
一橋慶喜は、水戸派の英主とは言え
幕府の連枝であり、将軍の後見職でもある
攘夷倒幕者である、栄一としては
とても受けられる話ではなかった
が、この時の出会いが
栄一の一生を決めた
結局、平岡に仕えることとなり
一橋慶喜に引き上げられるコトで
激動の時代を駆け巡る
与えられた仕事では満足出来ず
次々と建白し続け、新たな仕事を作り出すコトで
慶喜の信用を得た結果
弟である、清水昭武の護衛兼、庶務会計方として
フランス遊学をすることになる
政界と民間の間を取り持ちながら
両者から、絶大な信頼を得るコトで
当初の思惑通り、合体会社(現在の株式会社)
今回、初めましての城山三郎は
経済小説の開祖と言われる重鎮らしい
本書に関して言えば
突然、物語の最中に、主観文章をぶち込んできたり
確かに、激動の時代だっただけに
時代背景の描写は、必要不可欠だろう
それにしても長すぎる
上下巻合わせて、3分の2は時代描写だった…
そして、最終的には
えっ?ココで終わり??
と、ビックリするような所で話が終わったりして
何とも消化不良感が否めない
余りにも悔しいので
他の作品もいくつか読んでみよ��
#城山三郎
#渋沢栄一
#読書好き
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来年のNHK大河ドラマ「青天を衝け」の主人公、そして新1万円札に決定した渋沢栄一の前半生を描いた「雄気堂々」上巻。近代日本最大の経済人であり、そのダイナミックな人間の形成を激動の中に描く雄大な伝記文学!
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自分の変わり方について「生も大いに老練用ゆるところこれある人物に相成り申し候」と書く。
老練とは久しく経験を積み、物事になれて巧みなこととある。
環境は人格形成に影響する。広い視点を養うようにしたい。
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「雄気堂々(上)」城山三郎著、新潮文庫、1976.05.30
348p ¥320 C0193 (2021.02.04読了)(2021.01.24借入)(1981.11.10/12刷)
2021年のNHK大河ドラマ『青天を衝け』の主人公は、渋沢栄一ということです。
関連する本を読んでみようと図書館の蔵書検索で「渋沢栄一」をキーにして検索してみたら検索結果として表示された本の中にこの本がありました。題名から渋沢栄一を連想することはできなかったので、ちょっとびっくりしました。
城山三郎さんの本は既に何冊か読んで気に入っているので、まずはこの本から始めることにしました。
読んでゆくと「建白魔」という言葉が何度も出てきます。渋沢栄一は、「建白魔」だったのですね。今でいうと、起業家精神に通じるのだと思います。実際に多くの起業を行っています。
上巻は、渋沢栄一と尾高千代の祝言から始まって、明治新政府になり、栄一が大隈重信に呼び出されて、新政府への出仕を決心するところまでが述べられています。年齢でいうと19歳から30歳までです。
◆渋沢栄一- 小学館 大辞泉
[1840~1931]実業家。埼玉の生まれ。一橋家に仕えて幕臣となり、パリ万国博覧会幕府使節団に加わって渡欧。維新後、大蔵省官吏を経て第一国立銀行を設立。各種の会社の設立に参画し、実業界の指導的役割を果たした。
【目次】(なし)
序曲 流産祝
祝言
四角四面
紙一重
父と子
横浜焼打ち
逃げる
凶報
変節
不発の罪
二人の英雄
心残りの事
仕事をつくる
一転また一転
別天地
脱走の勇者
宝台院の夕暮れ
若き神々たち
◆登場人物
渋沢栄一
尾高千代 栄一の妻
尾高新五郎 千代の兄、栄一の師
渋沢市郎右衛門 栄一の父、藍葉農家
渋沢えい 栄一の母
尾高長七郎 千代の兄、志士
尾高平九郎 千代の弟
尾高やえ 千代の母
渋沢宗助 渋沢本家
喜作
真田範之助 水戸浪士、町道場主
小腰平助 元水戸藩士
平岡円四郎 一橋家用人
新門辰五郎 町火消
●近代日本の礎石(5頁)
設立し関係した企業五百、同じく関係した公共・社会事業六百といわれ、近代日本の無数の礎石を築いた人といえる。
●社会への恩返し(8頁)
成功は社会のおかげ。成功者は社会に恩返しすべきだというのが、渋沢のそぼくだが強い信念でもあった。社会事業などには必ず応分の寄付をするとともに、世の成功者たちに呼びかけて寄付させるのも、渋沢が三十代からはじめて一生を貫いた仕事であった。
●論語好き(14頁)
渋沢は生涯、論語を愛し、論語の文献を集め、講読会を開き、儒教倫理を説いた。ただし、論語には、女性に対する戒めはない。
●横浜焼打ち計画(94頁)
同勢約七十人で、まず、そこ(血洗島村?)から八里の高崎城を襲撃した後、鎌倉街道を急進して横浜にいたり、外人居留地の四方八方に火を放って、外国人を手当たりしだいに斬殺そうというものである。
☆城山三郎さんの本(既読)
「辛酸」城山三郎著、中公文庫、1976.01.10
「黄金の日日」城山三郎著、新潮社、1978.01.05
「硫黄島に死す」城山三郎著、新潮文庫、1984.07.25
「落日燃ゆ」城山三郎著、新潮文庫、1986.11.25
「静かなタフネス10人の人生」城山三郎著、文春文庫、1990.06.10
「彼も人の子ナポレオン」城山三郎著、講談社文庫、1999.03.15
「指揮官たちの特攻」城山三郎著、新潮社、2001.08.05
「そうか、もう君はいないのか」城山三郎著、新潮社、2008.01.25
「どうせ、あちらへは手ぶらで行く」城山三郎著、新潮社、2009.01.25
(2021年2月7日・記)
(「BOOK」データベースより)amazon
近代日本最大の経済人渋沢栄一のダイナミックな人間形成の劇を、幕末維新の激動の中に描く雄大な伝記文学。武州血洗島の一農夫に生れた栄一は、尊王攘夷の運動に身を投じて異人居留地の横浜焼打ちを企てるが、中止に終った後、思いがけない機縁から、打倒の相手であった一橋家につかえ、一橋慶喜の弟の随員としてフランスに行き、その地で大政奉還を迎えることになる。