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知っておきたい「死刑」の裏側
2008/11/10 09:00
8人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:kako - この投稿者のレビュー一覧を見る
2009年から裁判員制度が始まり、もしかしたら自分が死刑の可能性がある量刑にあたるかもしれません。
そこでまず死刑制度に賛成か反対かを問う前に、死刑についてどれくらい知っているかという点で大変参考になった本です。
1998年の改訂改装ではありますが、世界と日本の死刑の歴史と現状を一通りコチラの本で把握することができました。
死刑存続か、死刑廃止か。
どちらかを問われると私は死刑存続派となります。
人の命を奪う権利は誰にもないといわれますが、それならば殺された人の人権というものはどこにいってしまうのでしょうか。
死刑を執行される犯人は心の安静を保つために色々な処置をとられるのに、殺された人は何の前触れも無く、これから生きていく権利を奪われてしまうのです。
この本には死刑執行待ちとなった犯人の生活が細かく書いてあります。
毎朝自分が今日死刑になるのではないかとおびえて生活をし、食事の味もわからない程のストレスを抱えているということです。
それが自分の罪であるのだから当然の報いのような気がします。
現在世界の多くの国で死刑が前時代的なものだと、廃止されている傾向にあるそうです。
その理由が死刑制度は殺人の抑止力にならないという意見ですが、死刑というものはそもそも抑止力として存在しているのかということ自体が私の疑問でもありますし、死刑が廃止されるのならば、現在仮釈放の無い無期懲役がない日本において、長期間ではありますが時間と引き換えに殺人を犯すことが可能になってしまいます。
ただ自分が裁判員になってしまった時。
それが凶悪殺人だった時。
心の中では死刑と思い描いていても、それを口に出して意見することが可能でしょうか。
死刑を執行する時そのボタンは3つあり、3人で同時にボタンを押します。
誰が実際に人の命を奪ったかを不明確にすることによって、執行人の心の負担を軽くする処置です。
また銃殺刑の時には空砲の銃が一つ用意されていて、もしかしたら自分は命を奪っていないのではないかという希望を持つことができるようにもなっているそうです。
そんな過酷な心理状況を生み出す状況下で、一般人である私たちが人の命を奪うという決断をできるかというと、大きな疑問が残ります。
最後になりますが、コチラの本には冤罪についても数多く記入されています。
冤罪の可能性があるのに死刑が求刑されてしまった人、冤罪が確定したのに「本当は犯人ではないのか」と周囲の方に後ろ指をさされた人。
冤罪を議題として死刑制度の危険な落とし穴という章で締めくくられるこの本は、読み終わった後に少し重たい気分が残ります。
しかしどれもこれも知っておくべき事柄だと感じました。
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