紙の本
レオン氏郷
2012/09/23 12:53
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:よっしー - この投稿者のレビュー一覧を見る
近江の一豪族の息子が信長に才気を見込まれ娘婿から準一族衆扱いへと順風満帆の階段が本能寺の変で暗雲に。秀吉との距離感も取りながら、立身出世。本書が他書と異なるのは、キリシタンの洗礼を受けること。それにより、イスパニアの情報が頻繁に寄せられ、氏郷の視野の広さを説いている。哨石ルートの確保をイスパニアとの交易の必要性と絡め、布教活動と一体化させているイエズス会とのせめぎ合いは、筆者の得意とするところ。ただ、レオン=獅子王の表題であれば、氏郷の先陣を切っての我攻めや、秀吉に自身の次の天下取りと言わしめ、ある意味忌避されるに至る過程を描ききれば、奥州一揆時の伊達政宗との暗闘が一本の線になったのではないか。
投稿元:
レビューを見る
知人が絶賛していたので、安部龍太郎ファンの私としても、大いに期待したのですが、本を読んでいる間中、「安部龍太郎って、こんな作家だったっけ?」と思いながら読みました。
内容は、出来事のスケッチで、心理描写や葛藤などの掘り下げがほとんどありません。前半は、順調な人生の羅列だけでした。特に、今回のメインテーマであるキリシタンになったいきさつやその後の苦悩についても、表面的な事しか描写されていないのはとても残念です。もっとキリシタンになってからの苦悩を描いて欲しかったですし、キリシタンになった動機も、これだけの説明だとあまりに陳腐で頂けません。
終盤での政宗・秀吉との対決部分で、ようやく読み応えがあり、綿密な資料調査の跡が窺えますが、全体的には、あまり評価出来ない作品でした。
投稿元:
レビューを見る
「へうげもの」(モーニングKC)の登場人物の一人である蒲生氏郷の生涯を追う歴史小説です。
ただ年代ごとに綴られていくのではなく,エピソードを一つ一つ重ねていく構成となっています。
終盤の氏郷と正宗の攻防は手に汗握るものがあり,氏郷の死因は政宗による毒とされている点は面白く読めました。
様々な出来事が伏線として氏郷を追いつめていく流れと,秀吉の人心掌握が非常にうまく書かれています。
利休との茶を通しての交流,利休の大阪への追放,切腹に至るまでの過程にもう少し触れて欲しかった気がしました。
投稿元:
レビューを見る
信長・秀吉の時代を重要なサブキャラとして生きた大名蒲生氏郷。
名が知れているほどに、その人柄・活躍は朧気な武将を主人公とした書籍ということで、手に取ることにした。
が、やはり同時代を生きた戦国の主人公達のキャラが強すぎ、彼らを軸とした歴史のうねりの描写にともすれば氏郷自身の物語が埋もれてしまっている感が否めない。
もう少し、キャラクターを明確にするか、多少地味であれ氏郷自身のエピソードを中心にストーリーを組めることができていれば、蒲生氏郷の歴史小説として堪能できたと思う。
投稿元:
レビューを見る
蒲生氏郷は軍事面では真っ先に敵へと突進していく猛将というだけでなく、茶人としても有名で利休七哲であったというのは知っていましたが、この本ではさらに、抜群の商業的なセンスがあったと描かれています。
また、レオンというタイトルの通り、キリスト教に関する話も多く登場していて、ローマへ家臣を派遣したり、高山右近に深く帰依する様子も描かれています ただ、バテレン追放令が出たときに、表だって信仰を捨てたイメージが強くて、バリバリのキリシタン大名とは思っていませんでした。
↓ ブログも書きました
http://fuji2000.cocolog-nifty.com/blog/2013/03/post-4c40.html
投稿元:
レビューを見る
時代小説はあまり読まないけど、歴史の表舞台に立たない人の話は大好きなので読んでみた。
もう少し信長と共に生きていれば、日本の歴史は変わっていたかもしれないですね。
この時代、先が見えすぎるというのも罪な感じですね。
今の時代に生きて、氏郷の先見の明と秀吉の狡猾さが上手く合わされば日本も変わるかもね
投稿元:
レビューを見る
先の見えすぎた男が背負った重き十字架――
織田信長が惚れこみ、豊臣秀吉がその器量を畏れた武将・蒲生氏郷の生涯を描く長篇小説。
信長に見出されて娘婿となり、その薫陶を受けて武将として成長する蒲生氏郷。世界とわたり合える国をつくるために天下統一を急ぐ信長の志を理解し、その実現をめざして邁進していた氏郷だったが、長島一向一揆での惨劇を目にして、心が大きく揺らぎ始めていた。
信長亡き後、その遺志を受け継ぐと思われた秀吉に従い、数々の合戦で功を立てた氏郷は、会津百万石の太守になる。しかし、秀吉が私利私欲にとらわれていた事実を知り、志を遂げるために独自の道を歩むことを決断したのであった……。
茶人やキリシタン大名としても知られている蒲生氏郷には、文武に秀でた器量に危機感を覚えた秀吉が毒殺したとの説もある。その謎を解き明かすと共に、著者独自の解釈とグローバルな視点で、蒲生氏郷の人生を骨太の筆致で描いた力作。
投稿元:
レビューを見る
(amazonの内容紹介)
先の見えすぎた男が背負った重き十字架――
織田信長が惚れこみ、豊臣秀吉がその器量を畏れた武将・蒲生氏郷の生涯を描く長篇小説。
信長に見出されて娘婿となり、その薫陶を受けて武将として成長する蒲生氏郷。世界とわたり合える国をつくるために天下統一を急ぐ信長の志を理解し、その実現をめざして邁進していた氏郷だったが、長島一向一揆での惨劇を目にして、心が大きく揺らぎ始めていた。
信長亡き後、その遺志を受け継ぐと思われた秀吉に従い、数々の合戦で功を立てた氏郷は、会津百万石の太守になる。しかし、秀吉が私利私欲にとらわれていた事実を知り、志を遂げるために独自の道を歩むことを決断したのであった……。
茶人やキリシタン大名としても知られている蒲生氏郷には、文武に秀でた器量に危機感を覚えた秀吉が毒殺したとの説もある。その謎を解き明かすと共に、著者独自の解釈とグローバルな視点で、蒲生氏郷の人生を骨太の筆致で描いた力作。
信長関連の歴史小説ではよく必ず出てくる蒲生氏郷。しかし、今まであまり、詳しく取り上げられず、よく知らなかった武将だったので、楽しく読めた。
投稿元:
レビューを見る
早くから、海外の事情に精通し、信長を崇拝して、順調に出世した氏郷だが、秀吉の時代になって、秀吉のやり方に疑問をもち、キリシタンになったあたりから、悲劇の影がちらつきだした。そして、あの独眼竜の登場で彼の人生は終りを告げる。
氏郷という人はあまりにも生まれてくるのが早すぎたし、頭が切れすぎた。
投稿元:
レビューを見る
キリシタン大名の蒲生氏郷の小説。高山右近と並んでキリシタン大名として有名なのだとか。しかし右近が二代目クリスチャンなのに対し、氏郷は一代目。右近が洗礼名を授け、先輩として信仰の模範として描かれている。彼を見て信仰に入った氏郷も、この世の権力争いなどに翻弄され、右近と同じように信仰と現実の戦いに悩まされるという小説。作者はおそらく未信者だろうが、とても良く信仰者の葛藤が描けている。特に権謀術数にたけている伊達政宗とのやり取りはキリスト者として読んでいて氏郷の気持ちに共感できた。またその政宗と秀吉のこの世的な渡世のうまさには氏郷と共に呆れる思いがし、世のはかなさの中でエラそうに振舞ったり媚びへつらったりする事の空しさを思わされた。
星五つ。
投稿元:
レビューを見る
蒲生氏郷が信長と出会い、会津に配置され没するまでをキリシタン大名として描く。清廉潔白に描き過ぎているかな。イスパニアとの駆け引きの視点は新しく興味深い。毒殺説を前提に書いてあります。
投稿元:
レビューを見る
信長に気に入られて出世街道まっしぐら。信長の次女をめとるほどの戦国時代のサラブレッド。でも信長の死後、秀吉の家臣となるが遠ざけられる。あげく会津若松に転封され伊達正宗の謀略策略にはめられ、毒を盛られやられ放題。背後には秀吉の指示があったらしい。どうもキリシタン大名はそんな役回りが多いな。
投稿元:
レビューを見る
名前は聞くけどよく知らない蒲生氏郷が主人公。氏郷がいい人すぎて、癖がない分、あっさり進む。もうちょいぐおおーって爽快感がほしくなる。
投稿元:
レビューを見る
他の作家さんの作品に出てきた「蒲生氏郷」のことを知りたくなり、読んだ本。
もう少し人となりがわかる作品だと良かったな。
投稿元:
レビューを見る
苦手な歴史絡みを題材にした本書、少々時間をかけて読了。
舞台は戦国時代から安土桃山時代の武将である蒲生氏郷を主人公にし展開する。織田信長に臣従し、本能寺の変後、キリシタン大名として、洗礼を受けレオンの霊名を得る。
内容としては、大名として頭角を表していく立身出世の経過を様々な男の子の心を擽るエピソードを踏まえて細部を埋めていくイメージ。
もう少しちゃんと歴史を勉強来ておけばすんなり読みやすかったかもしれない。