紙の本
毛深い疾走感
2017/04/15 03:51
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投稿者:Todoslo - この投稿者のレビュー一覧を見る
背中の毛をなびかせ走る姿は、幕末の偉人のようで痛快だった。女の子の体毛をそるシーンは、「スイートプールサイド」を連想してしまった。
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こんなところにも擬音師匠!
しゅきりじゃしん しゃ がしお
しゅきりじゃしん しゃ がしお
キャラクターが全員憎めない感じ。
モヒ寛とか濡暗樹とか名前もかわええ〜
すごく爽やかだった。サワヤカ!
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なんだか平和な感じです。いや、これも結構なことをやっていらっしゃるから、平和というのは危ない気もしなくもないのですが、やっぱり「煙か土か食い物」とか「九十九十九」と比べるとのほほんとしてます、舞城さんの中では。それでも十分面白いですよ!一気に読んでしまう。私も一日で読みました。やっぱり舞城さん素敵。
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舞城さんの作品を初めて読んだのがこれ。
すぐに独特のありえん世界にはまった感あり。
グルーヴ感と冷めた感のバランスがよいね。
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<僕の首の後ろにも、他人よりもちょっと濃いめの産毛が生まれたときから生えていて、これが物心ついたころから僕の抱えた爆弾だったのだけれど、十三歳になってすぐのある晩、自分の鎖骨をこすっていて、そこにいつもとは違う感触を感じてうつむいて、首元に赤くて長くてコリコリと固い明らかな鬣の発芽を確かめたとき、それまでは祖父と父と同じように背中に負ぶっているつもりだった爆弾が、気づけば僕だけ胸の上にも置かれていたと知ってショックで、その上さらにその導火線にとうとう火が点けられたのを実感して、僕は絶望した。―福井県・西暁の中学生、獅見朋成雄から立ち上がる神話的世界。ついに王太郎がその真価を顕し始めた。ゼロ年代デビュー、「ゼロの波の新人」の第一走者が放つ、これぞ最強の純文学。>
現実と薄い膜で隔てられた(というような)異世界の話なので、疲れたときなんかにいいと思う。おもしろかった。
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うーんやっぱ熊の場所とか土か煙か食い物の方が好きだなー。
「ほよ?」って感じ…
ヒトボンはちょっと体験してみたくもある。
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一度途中で挫折。読めない。文体を受け付けない。
阿修羅ガールを読んだ後に、再読。
凄くどうでもいい。その凄さだけが新しい。
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相変らずのまいじょー文体。
他のまいじょー作品に比べれば、確かに目立たない。
けれど、目立たないからといって駄作なわけでは決して無い。
読めば分かる。
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途中で終ればよかったのに。モヒ寛とナルちゃんの友情辺、つまり序盤は最高でした。凄く笑った。これは久しぶりの笑える本だな・・ととても後半に期待したのでびっくりでした。そしてがっかりでした。モヒ寛が殴られてナルちゃんが犯人探しをスタートするところまではよかったんだけどね。やっぱり此処で煙か土か食い物の素晴らしさを期待してしまう私はアウトかな。しかしそれにしたって無理矢理でしょう。ナルちゃん別人すぎるよ。二つの物語を繋げた意味がわかりません。最後の最後で理屈を持ってきたがるのはなんでなんだろう。やっぱり全体的に見てつまらなかったなあと思ってしまいます。星は序盤だけで三つ。
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モヒ寛の「節度を守る事こそが美」に深く共感なのです。
カニバリズムも女体盛も、欲望だけ突き詰めちゃあいけない。人間らしくない。
それを15歳のなるちゃんが15歳故に全部受け入れそうになって、でもモヒ寛はちゃんと正しい道に導いてくれる。
めっちゃ男の友情やないですか。そして影の主役は明らかにモヒ寛です。
モヒ寛、ええオトコや。
舞城の鬣描写もすごい良かった。みっちりした若々しい生え具合をストレートに感じさせてくれる。山ん中描写もいい。
スピード感があって荒々しく感じるのに、描写の完成度が高いのがこの人の凄さやなぁ。
08.11.15
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タイトル通り、山ん中の獅見朋成雄の話。
突然山の中で目の前に馬が現れて、山の中に隔離されたような世界があって、とか本当に西暁ってすげーよ。
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ちょっと気分が悪くなる…。
私が読んだ舞城作品の中では、珍しく陰鬱というか。バッドエンドでしょうかねこれは。
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なんだか幸せな気分になる。
これが、舞城王太郎の小説を読んだときの読後感である。
この物語も今までと同じような語り口で、SF小説のような展開で話が進んでいく。
しかし、言いたいことは伝わる。
はっきりとした形を取ることは出来なくても、しっかり伝わってくるのである。
と、主張してみたところで、何も分からないが、幸せになれることは確かである。
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まずもって、舞城王太郎の魅力は文体につきるといっても過言ではあるまい。
というのも、舞城の作品からこの文体を取り去ると、なんじゃこれ、というような「誤解」を、何よりも先に、受けてしまうからである。
いつもと同じように、福井の田舎から物語は始まる。
そして、ある青春真っ直中の少年の、ひたすら疾走する話である。
こう、書くと大変つまらないものに思えてくるが、そうではない。
青春の青臭さや若々しさ、初々しさ、そういったものが立ち上ってくる作品だ。
少なくとも私は、これを「青春」小説だと理解した。
物語の内容が如何に荒唐無稽で、ファンタジー・ノベル的で、「文学」的でないとしても、一気呵成に読ませる文体の魅力は健在だ。
物語が佳境にさしかかるにつれて、文章もスピードアップしていく。
佳作。
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わけわからん世界観。「みんな元気」系かな。「みんな元気」より面白かったけど。
夢のような物語だった。あ、寝て見るほうの夢ね。念のため。
日常的な場面かと思えば、いきなり危険に陥って何者かから逃げたり、戦ったり、美女とのラブロマンスに発展したりみたいな夢ってたまーに見るよね。それぞれが夢の中では繋がっているのかもしれないけど、記憶から欠落したのか(あるいはそもそも繋がっていないのか)、思い出してみてもそれぞれの場面に全く脈絡がない、波乱万丈で断片的なピースのような夢。
そういう夢を見ている感覚に近かった。全く展開が読めないし、一応奇妙な世界観のおかげで筋は通っているが、殆ど無茶苦茶と言っていい。途中までモヒ寛を襲った犯人の凶行を止める、ミステリーかアクションかに展開していくのかなと思っていたら、主人公の中学生めっちゃ容易に人殺してるし、カニバリズムなんかも受け入れているし、完全に予想の斜め上を行ってくれる。
で、ちゃっかり美少女といい仲になっていて、ついでに主人公の相棒というべき「老人」モヒ寛も知らぬ間に美女と懇ろになっている。ただ、それは夢のご多分に漏れず、これからその美女とのいい場面!って所で目が覚めて、夢ならばその続きを見ようと二度寝を頑張るわけだけど、この本もまさにそういう夢のような終わりを迎えている。舞城王太郎も実は夢から着想を得たんじゃないだろうか、と思ったり(笑)
てか、こんな夢見ているの自分だけだったら嫌だな。いや、殆どの人が見たことあると勝手に確信しているけど!
それにしても、本を読むたびに毎回これほど感心させられる人は珍しい。すごい奇才の持ち主だと思う。
まず文体がおかしい。真面目に書いてるのか?と疑いたくなるが、脳裏に浮かんだ言葉を、その連想に従って忠実に、オートマチックに、紙面に打ち出せば、こういう感じになるんじゃないかなとも思う。実際この勢いある文章を緻密に計算して書いているとは思えないし。
あと、擬音とか表現がそもそも独特で面白いんだけど、この本で一番すごいと思ったのは、大根の煮物の美味しさを語っているシーン。文章表現の極致を見た気がする・・・とは言いすぎかな(笑)本当にリアルな美味しさが伝わってきた。舞城の作品は他人には勧められないけど、その場面だけでも読んでほしいと思う。