日本人経営学者の優れた概念化
2015/12/22 08:01
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投稿者:タヌ様 - この投稿者のレビュー一覧を見る
場の論理、これはかなり実務経験がないと、うまくいったり、いかなかったりは、こう表現するしかない人たちとの状況に置かれていたとしか言いようが無い。会議などでそういう空気だったからというような部分も含んだものであろう。とても面白く読めた。
学究オンリーだとこういう言葉の指示と組織建てとは異なる非論理みたいなもので優れた結果を押さえるものだと取捨選択してしまい、単に既存理論で吸い取るだけになり大事なものを失ってしまう。考え抜いた末に、場という概念で包括して人とグループの活躍を描き出していくしかない、それはかなり実感を掴んでいる。
米国流の直輸入型の経営学論理をふりまわすのはもういいだろう。
もはやそれぞれの国の企業を素材に経営学者個々の能力で捉えるのが経営学の成果となっている。
十分に実務者の知見を把握して伊丹氏は数少ないオリジナルな構想を行うことができる方である。
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場をマネジメントして(こねくりまわして)、情報の相互作用を促進することの効果と大切さ、その方法について書かれている。
事例を交えて解説をしているが、どうも結果論に聞こえてしまう。
新しい観点からマネジメントを分析しているので仕方がないのだが、「ほら、ここで場の論理が働いているだろ?」って言われても、事例に登場するマネジメント陣はそんな観点からマネジメントをしているわけではないので、なんとも説得力に欠く。
確かに。とうなずける部分もあるので、そういった視点を持てるようになれればベストかな。
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いくら経営者が優秀だったとしても、社員一人一人が十二分に力を発揮できなければ、
業績を出すことはできない。そんな社員が働く「場」を論じた本。
たまに、全員が活発的に発言をし(それが否定ではなく)、どんどんアイディアが湧き誰もが
そのアイディアに感化されて、また活発的に発言を…。というサイクルが回り、素晴らしい結果が得られるときがある。
それには、会議場所・彼らのテンション・アジェンダ管理など回す側がやらなければならないものは多い。
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内容が濃いのでよむのが大変。各チャプターのハイライトとグラフ、要約をさきによむと理解しやすい。日本流、田舎流とは合わないと思う、あと少なくとも優秀かヤル気の有る人材が幹部以外で十人は必要な理論。駒が揃ったら精読したい。
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序盤で触れている企業の実例はとても面白かった。そのような点で期待もとても大きかったが、何せ出てくる喩えがわかりににくく、又日本語も読みにくい印象であり、読んでいても全くと言っていいほど入ってこなかった。
場というものの役割や、それのあり方等々‥参考になる考え方は間違いなくあったので広めたいとも思ったが、本書を薦めることには躊躇いを覚える。少し勿体ない。
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修士論文作成時に大幅に参照しました。経営者として、ありていに言って仕舞えば、従業員を経済活動としてコントロールするわけですが、その方法はダイレクトなものではなく、皆の協働を促す場創りである、という指摘。
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理論は第一部、実務は第二部。とくに場の運営ともいえる場のかじ取りのマネジメントは組織開発、ファシリテーション領域において参考になる。すごく濃いかつ読み辛いので、自身の生かしたい領域の部分を読み込むのが良い。
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トップダウンによる指揮命令系統だけでは、組織は動かない。これを動きださせるような組織文化の醸造が必要で、私の理解では、これを「場」と呼ぶ。この場は、定義から明らかなようにトップダウンではなく、ボトムアップ的アプローチである。しかも、創発的にしかつくれないことも明らかだろう。これをトップからマネージメントする方法を示すのが本書の趣旨である。 本書の指摘を待つまでもなく、矛盾を含んだアプローチであるため、実行は難しく、卓越したトップのリーダーシップが必要となるが、これを作り出せた組織が強くなることは、疑う余地がない。 すべてのマネージメントにお勧めしたい良書である。