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目次
プロローグ 私はアナウンサーだった
アナウンサーという仕事に迷う
伝えるだけではあきたらなくなっていた
ロースクール制度
会社と学校の二重生活
謹慎で全番組を降板する
退社を決める
退路を絶つ
試験本番、不安で手が震える
短答の結果が発表される〔ほか〕
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2012.1.16読了
いつだって人生は変えられる。
必要なのは心持ちとその最初の一歩を踏み出す勇気だけ。
そんな勇気を与えてくれる素晴らしい内容でした。
くじけそうになった時、また読み返したいと思います。
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入社後2、3年の若手社員が会社を辞める時に、「電通を辞めました」だとか「博報堂を辞めました」などとブログに書いて話題になることがある。そういうものを目にするたびに感じるのが、この時代の節目に30代を迎えているという自分自身の宙ぶらりんさ加減である。別に会社の管理職でもないので「会社に対して失礼だ」などとは思わないのだが、その論調を素直に応援しようという気にもなれない。せいぜい無関心を装うのが、関の山だ。
そんな昨今の風潮から考えると、本書もいわゆる「〇〇辞めました」という文脈の中に位置づけられるものかもしれない。しかし、少しばかりモノが違うのが、その決断が10年以上会社を勤めあげた30代の人間によるものであったということ、そして、その顔と名前を皆に知られているアナウンサーによるものだったということである。
あらかじめお断りしておくが、著者の菊間 千乃さんとは古くからの友人である。本書も本人から直接頂いたものだ。初めて彼女に会ったのが、僕がまだ大学3年生の時だったから、かれこれ15年くらいの付き合いになる。その間に、彼女と全くの音信不通になった時期が3度あった。
1度目は忘れもしない1998年9月2日。アナウンサーが生放送中に5階建てのビルから転落、そんな前代未聞の事故が起こった時のことだった。その時テレビを見ていた僕は、本当に驚いた。何しろ、ブラウン管の向こうで慌てふためいているのは、前日まで僕が一緒に働いていた中継スタッフの人たちだったからだ。
僕の大学生活は「めざましテレビ」でのアルバイトに明け暮れた。「それ行け!キクマ」という生中継のコーナーで、アナウンサー、ディレクター、AD、アルバイトなど、スタッフ間の垣根が全くない一つのチームとして、今日は群馬、明日は神奈川と関東近郊を駆けずり回っていた。事故が起こったのは、翌年3月に控えた就職を前に、僕がアルバイトを辞めた次の日だった。
当時の自分の役どころを過信するつもりなど毛頭ないのだが、いつもと違う現場の空気が何か事故に影響を与えてしまったのではないか、そんな心のしこりのようなものは15年近く経った今も消えることがない。
2度目は未成年タレントとの飲酒問題のとき。自らが撒いた種とはいえ、この時会社から下された処分は無期限謹慎という厳しいものであった。そりゃあ、連絡も取れなくなる。そして3度目が、今回の司法試験への挑戦の時であった。
本書はこの飲酒問題から司法試験の挑戦へと向かう、彼女の30代における転機を描いたものである。ちなみに最初の事故の時の模様は、彼女の前著『私がアナウンサー』に詳しい。
何といっても僕が興味深く見つめたのは、彼女がアナウンサーを辞めるに至ったプロセスの根っこの部分である。彼女に限った話ではないのだが、僕が感じるアナウンサーの凄みとは、一言でいうと「空気の達人」というところにある。番組全体の舵取りとして、バランスを保つことが最大の仕事であり、ある程度、予定調和を求められることもある。その中で彼女が感じた違和感は、マスコミ報道の主体の在り方という点にあった。
伝えっぱなしの仕事が無責任なようで、もう一歩先に、踏み込みたいという気持ちがどんどん強くなっていった。「大変ですね」「まだまだ混乱は続きそうです」「しっかりした検証が必要ですね」など、座りのいい言葉を並べて終わる番組は偽善者のようで、居心地が悪かった。
この時に「しっかりした検証が必要ですね」と言っている主体は、テレビ局なのか、番組なのか、自分自身なのか。実名で名前を晒しながらも、発言の主体は空気のように掴みどころがない。そんな悩みを彼女が感じたのは、ソーシャルメディアの影も薄かった2007年のことだ。
マスコミは一体誰の声を代弁しているのか、そんな問題に一番早くから気付いていたのはマスコミ自身だったのかもしれない。そして彼女は、ブラウン管越しに情報を発信することよりも、直接社会と向き合うことを選択する。
一方で、後半は彼女の司法試験への挑戦記となる。「〇〇辞めました」のエントリーの先に一体どのような世界が待ち構えているのか、想像してみてほしい。才色兼備と形容されることも多い女子アナが、全ての退路を断ち、何者でもないものとしてロースクールに通い、就職活動まで行う。その姿は、どこまでも泥臭い。
私にはこんな普通の日常が再び訪れるのだろうか・・・先の見えない不安。自分は一体何をやっているんだろう、この年になって、社会の役に立つような生産的なことも何せず、勉強だけしてていいんだろうか、悲観的に今の自分を責め立てる気持ちが広がって、いやぁな気分になった。
ロースクール制度とは、基本的にはロースクールで3年間きっちり勉強すれば、司法試験には7〜8割は合格するという触れ込みで始まった制度である。しかし実際のところ、2011年現在の合格率は25%前後であるという。そして与えられたチャンスは3回のみ。
このロースクールにおける生徒同士の人間模様は、実に不思議な関係だ。志を同じくし一緒に勉強をする仲間でありながら、同じ椅子を奪い合うライバルでもある。そんなギリギリの状況の中に、生まれた奇妙な連帯感。
しかし、全てが順風満帆であった訳ではない。一回目の試験終了後、突然彼女は週刊誌の記者に声をかけられる。この手の煩わしさから解放され、受験勉強に専念するべくアナウンサーを辞めたというのに、その思惑は台無しにされてしまうのだ。かつて取材する立場にいたがゆえに、無責任に取材される立場に身を置くことは彼女を追い詰める。
それでも、アナウンサーとしての経験が役に立ったことも多々あるそうだ。模擬裁判で自分が想定した答えが引き出せた時の達成感や、予想外の答えが出てきた時の切り返しの瞬発力は、生放送の仕切りと似ているのだという。何のことはない、本当は敵も味方も、アナウンサーであったという彼女自身の中に存在したのだ。
本書の標題からもお察しの通り、彼女はやがて弁護士への切符を勝ち取る。そこで彼女が手にしたものは、はたして何だったのか? キャリアに正解のない時代と言われて久しい。本書の中に書かれているのも、答えではなく問いかけだ。「自分は今、何をすべきなのか」「自分はどうありたいのか」、そんな断続的な問いかけの先に答えはある。答えは点ではなく線なのだ。そして、彼女の引いた線は不格好だが強くて太い。
漠然とした不安を抱えながらも目の前の仕事に向き合っている一人の30代のビジネスマンとして、また一人の友人として、僕は本書を全力でオススメしたいと思う。そして、再び10年後に出るであろう彼女のその後を描いた次回作を、早くも心待ちにしている。
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私も士業の世界を目指して、仕事との両立で受験生活を送っている身として、すごく刺激になり、私も絶対合格、実務家への道へ早く進まなくてはと思いました。
現在の司法試験合格者の方の本としては、参考になると思いました。
もう少し、泥臭く書いてほしかったです。
賛否両論あるみたいですが、私は、菊間さんが女子アナの頃より、
現在の方が好きです。
(私が言える立場じゃないが、人生の先輩として)
士業の受験生活送っておられる方は、この本一読しても、損はしないと思います。
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まさにタイトルのとおり、アナウンサーから弁護士になるまでの記録を綴ったもので、「司法試験は大変でしたが頑張りました!」という本です。
ホントに頑張ったと思います(パチパチ)。
私自身もこれを読んで、知識欲が刺激されました。
なんか資格でも取ろうかな。
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菊間さんってすごい、が第一の感想。30代で仕事を辞めて、未来の保証がない中で新しいことに挑戦することがどれだけ精神的に辛いことか想像するだけで胃が痛くなりそう。
ところで菊間さんが成功したのは、目的意識が明確で、方法論を誤らず、地頭があり、かつ気持ちを維持できる精神的な強さ、あと体力もあったことか。これってなかなか大変…と思う一方、自分も本気で頑張ればまだ何かに挑戦できるかもしれない、って凄い勇気を貰えた。(でも穿った見方すると、私はこんだけ頑張ったのよ、という体験談をひたすら綴っただけ、とも。)
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未成年との飲酒問題を起こしたこともあった著者だが、日本一難関といわれる司法試験を退路を絶って合格した事実は誰もが認めざるを得ない。
著者の飽くなき努力と強い信念で、合格を掴みとるまでの経緯が詳述され、強い刺激を受ける。
努力すれば夢は叶う。著者を尊敬する。
(2012.2.3)
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試験が終わった後、美容室で髪切ってもらいながら一気読みしましたー。
ずっと読みたかったんだよねー、この本。
2000人も受かる、とか、昔は3%だった、とか、色々言われる。
そういわれれば、そうかなぁ、楽な試験になったのかなぁ、とも思う。
けど、5年以内に3回という謎の回数制限はとてつもなくデカいと思う。
なぜ、国に「あんたもう無理」って言われなきゃならんの?
撤退するか否かって、そういうのって、自分で決めるもんじゃないの?
いや、それは本筋からは離れた話になるので止めるけど。
だから、みんなその1回の受験に、冗談じゃなく人生を賭けてるんだと思うんだよね。
そうすると、今の自分の状況じゃ、全然駄目。
もっと気を引き締めて現実を見なきゃ、と、思った。
2年生になる前に(果たして4月に2年生になれるかはこれまた謎)読めて良かったよーん
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弁護士合格体験記。
なかなか人生のモチベーションがあがる。
弁護士に興味なくても、なかなか面白い
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このままでいいのだろうか?
オリンピックがくるたびに4年前の自分と今の自分と4年後の自分を考えて、このままでいいのだろうかと考えていたそうです。
内容は元アナウンサーがもっとも難しい司法試験に合格するまでのストーリーです。菊間さんの受験勉強中の心の状態を感情移入して読むと胸が苦しくなったり、不安で押し潰されそうになったりと何度も涙が出そうになりました。そして、2回目の合格発表で番号を見つけた瞬間は、思わずガッツポーズをしてしまいました。
この物語の中には、悔いのないよう準備をすること、出来る事を確実にやること、仲間を見つける事、周りに感謝する事など色々な成功法則が隠れている気がしました。
司法試験に限らず、資格試験を目指している人にプレゼントしたい本でした。
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面白かったよ。
久々にあっさりした本を読んだという感じ。
勉強の合間に読む本としてはかなりベスト。
自分の勉強のやる気もアップする。
が、途中で未成年の飲酒に関連した事件のことなどが出てきて、私は若い世代と言うこともあってその事件を知りませんでした。
それが、中途半端に出てきて、苦悩等を書いてるから気になって仕方がなかった。
本の流れでいえば入れなければならなかったのかもしれないけど、その事件についてのことを書くのはあまり気にいらなかったな。
書くのであれば、もっと事件のことを知らない人に分かりやすく自分がどう思ってるのかを簡単に書いてほしかった。
結局、この人は、事件で悪かったのは誰だと思っているんだ?
「悪いのは分かっていて、反省しているのに世間は分かってくれない」
そう言う風に書いてあったことが気にいらなかったな。
私から言えば、この問題はいらなかったんじゃないかと思いましたね。
勉強部分は良かったが、人間的にこの人は好きじゃないと感じた本でしたね。
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菊間さんがどのような努力をしてどのように弁護士になったかを振り返った本。ロースクールの現状や問題点、法曹界の内側なども興味深く読めたのは著者の魅力でしょうか。
会社をやめ、弁護士を目指すまでの自己の振り返りと自己への問いかけ。これがなにより凄いと感じました。私も自分への問いかけをすることはありますが、ここまで明確に自分と向き合えたことはなかった。そこに不足しているものは何なのか・・覚悟か、それとも自分の軸がはっきりしていないのか・・
本書を読み終えて強く感じたこと。再確認したことは「努力すれば必ず思い(想い)が叶うというわけではないが、努力しなければ絶対に思い(想い)は叶わない」(当たり前ともいえることですが)
挫折を味わった人、そこから抜け出せない人、閉塞感を感じている人、多くの人にとって何かのきっかけになり得る本だと思います。
最後のページに書いてあった菊間さんの理想。
「一度きりの人生、限りある命、今日も精一杯生きたなと思って眠りにつき、朝は、今日はどんな事が待っているんだろうとわくわくしながら目覚める」
この理想が叶ったら最高に幸せだと思います。
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アナウンサーから弁護士への見事な転身。
司法試験受験への飽くなき挑戦と努力が伝わり、感動しました。
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週刊誌の見出しで弁護士になったことを知ってから、転身の理由を知りたい、と思っていました。やる気になったらどんなハンデでも乗り越えられるんだな、とちょっと年齢を気にしていた私もやる気が出てきました。
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良く受け止めれば・・・「努力をすれば夢が叶う」という勇気と希望がもらえる本
悪く受け止めれば・・・「私は弁護士になるためにこんなに努力しました。すごいだろ。だからこれからもよろしく」という単なる自慢話にも聞こえなくはない。
どちらに感じるかは読者しだいかな。