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日本の誇る天才女性クライマー2人をモデルにした小説の前半
2人が山に目覚め、お互いと出会い友情を育んでいく
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ストーリーはストイックな山岳もので
体力のなさを感じながらも、精神の強さでは男性顔負けの駒子と
無口でナキムシだけど、登山テクニックに長けている美佐子の
二人の女性登山家が主人公のお話。
ただの登山ではなく、
女性にして体力を要する岩壁に挑戦します。
本当の女性登山家が作家さんだったら
もう少し、本当の女性的な部分が出て楽しめたかもと思います。
強かったり、すこし意地汚いじゃないですけど
女性のちょっとネガティブな部分があったほうが
共感できるかなと思いました。
新田さんの理想の女性像っぽかったです。(^^)
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新田次郎の長編小説。
今井通子と若山美子をモデルとしたものだ。
世界有数の女性クライマーがどのように誕生していくのか、また実生活と登山とのバランス、実生活での活躍なども面白い。
今井通子は後にヒマラヤにも行くが本書では、グランドジョラス山頂で結婚式を挙げるところで終わっている。
山を目指す女性にお薦めの一冊です。
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新田次郎氏の山岳小説三部作の最後を飾るのは、二人の女性クライマー。正反対の性格の二人の姿が見事に描かれています。
遭難しかかった美佐子のとる行動も立派ですが、淑子らが救出に現れるシーンも感動的です。
また、美佐子が彫る鎌倉彫の描写も見事です。山の情景からヒントを得て鎌倉彫に表現しようと苦悩する姿、作り上げられていく鎌倉彫。それらが自然と目に浮かんできて、鎌倉彫のデザインまで目の前にあるかのようです。
自然の描写ばかりでなく、美術作品にまでおよぶ浅田次郎氏の表現力には、ただただ感動するばかりです。
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二人の女性クライマーを書いたお話。
同時に読んでいたジェノサイドに割り込みされなかなか読むのが進まなかった(笑)
山の話、プライベートな話、どちらにもここまで気持ちを持って行けるのがすごい。マッターホルン登頂の話をもっと盛り込んだら、十分上巻だけで話が簡潔する。
下巻にも期待。
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人間としての強さを感じる作品。
表向きの違いはあるのだが、岩壁に向かい合った瞬間から、二人が同調して進みはじめるところは、グッとくる。
下巻が楽しみ!
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ふたりの女性登山家が主人公。
淑子は医者を両親に持ち、自らも医師を志す、気の強い女性。
美佐子は天才的な芸術家で、無口で涙もろい女性。
正反対な性格な二人が、はじめは相対することもあるが、徐々に信頼し合い、世界で初めて女性パーティだけによるマッターホルン北壁制覇を成目指し・・そこで上巻はおわる。
ふたりの生い立ちと、成長とあいまって、山に没頭する展開は気持ちいい。
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この小説は、山と渓谷誌7月号で「南アルプス」側のレポーターを務めた大久保由美子サンが、ふつうの?OL時代に読んで、山に向けて大いに触発されたというもの。大久保サンのつり込まれるような笑顔が何となくよかったので、つり込まれて読んでみることにした。
さて小説は、医師と、屈輪彫(鎌倉彫)の若き大家という2人のデキる女性が軸となって進む。冒頭は冬山登山で遭難しかける場面だが、2人が取り組むのはフリークライミングである。そして、“男女の愛”がフリークライミングにどう影響するか?がテーマになっているように思われる。
時代のゆえか、女性像やその“愛”の進み方に大時代的なものを感じるが、モンブランやアイガーなどの壁登り場面も交えて一気に読ませる。
結末はビミョー。新田サンの厳しい小説作法が現れている…というところであろうか。
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仕事を持ちながら岩壁登攀に青春を賭け、女性では世界で初めてマッターホルン北壁完登を成しとげた二人の実在人物をモデルに描く。
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7月19日 マッターホルン北壁登頂の日 にちなんで選書
1967年(昭和42年)7月19日、東京女子医大山岳部の今井通子と若山美子の2人がマッターホルンの北壁からの登頂に成功した。女性だけのパーティーでの北壁登攀とうはんは世界初だった。
1975年に新田次郎が、若山と今井をモデルとした本小説を刊行した。新田は当初、今井1人だけをモデルにする予定であったが、若山の存在に惹かれ、主人公を2人に変更したという逸話がある。
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登山だけの話しにとどまらず、男どもを虜にしていくところもあってやっぱりそうなるんだなあ、と思うところもあって面白い。物語の登攀技術ややってる登山は全てが超ハイレベルな事ばかりだけど恋愛となるとそこはやっぱり想像の範疇で親近感が湧く。
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勝ち気の女医と静かな鎌倉彫職人、正反対のように見える女性2人が厳冬期の八ヶ岳で出会う。避難小屋で過ごす数日間、寒くて恐ろしい時間が身に迫るようだった。
天才クライマーとして育てられた2人は女性だけのパーティでマッターホルン北壁に挑む。学生時代憧れたマッターホルン、しかも北壁が舞台になってるなんて!と前のめりで読んだ。
2人に共通するのは全てを克服していく意思だと思う。登攀シーンで描かれる果てしない氷壁とそれに挑む精神力は凄まじい。
なぜ山に登るのか、そこに山があるから。という以外の答えを2人は持っている。
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淑子と美佐子という2人の若い登山家が吹雪の八ヶ岳で避難した山小屋で出会うことから物語は始まる。そこへ3人組の岩登りの専門家、佐々木、杉山、白瀬の男性、この偶然の出会いから、女性たちの運命は大きく変わっていく…。今井通子と若山美子という実在の女性クラマーをモデルにし、多弁な淑子と無口な美佐子は対照的な存在だが、2人は共通する点も多く、2人は山、特に岩登りの魅力に取りつかれていく。医者と鎌倉彫の専門家であるということも、実話に近いようだ。マッターホルン北壁の2人の挑戦場面は手に汗を握る緊張感で、頂上に着いたときに読者までホッとする。世界を驚かせた2人のへ。日本人女性の活躍談の裏話しの現実性が圧倒的な迫力で描かれている。
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昔一度読みましたが、再度購入して読んでみました。細かい所は殆ど覚えていなかったので、新鮮な気持ちで読めました。美佐子曰く「自分の生命を賭けて惜しくないほどの対象があった場合、それが生きる目的になるのではないでしょうか、私にはそれがあるのです」これは生きるヒントになる名言だなと思いました。生命を「懸ける」ではなく「賭ける」と表現しているのにはきっと意図がありますね。