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殺人という罪、命の重さ、残された家族の思いを切実に描いている。読んでいて胸が痛くなる。人は弱い、そして愚かだと改めて思う作品
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滝沢くんのドラマを観て原作を読みたいと思い購入。犯罪被害者、被害者家族はどうすれば、いつになったら、どうなったら加害者を赦せるのか。加害者は赦されるのか。重い重いテーマですが、最後にホッとできました。主人公には幸せに、笑ってほしい。主人公を導く小暮さんがよかった。 私の中では幼児を放置して子供を殺した母親と息子の話が一番印象に残っています。ドラマでも息子の最後の表情が忘れられなくて、小説でもぐっと引き込まれるような気がしました
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薬丸岳『悪党』(角川文庫)読了。
結末が知りたくて読み終わったのが午前3時。
研究書ならすぐに挫折するのに。(苦笑)
連作で、章ごとに独立した話ながら最後にはそれらが結び付くという、よくある手法だが、探偵による「犯罪加害者の追跡調査」という視点が面白い。一気に読んでしまわないと登場人物のつながりが分からなくなる。今野敏ほどおどろおどろしくないが、結構えぐい内容だった。
ただちに『死命』に着手。
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赦すとか、赦さないとか・・・難しい。
赦せればいいんだろうけど、たぶん、赦せない、だろうな。
忘れる、こともできないけど、薄れる、の、かな。
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人の命を奪った者はどうしたら赦されるのか…… とても重いテーマで読むのが辛い部分もあった。物語は大切な姉を殺された元刑事の探偵の目線から進むが、ここに出てくる反省などこれっぽっちもしていない人間に怒りを抱く反面、罪を犯した者がもう一度やり直す機会をこの社会は与えていないのではと思った。大事な人を奪われた者、奪った者、加害者の家族、色々な立場から考えさせられるとても良い作品。
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子供の頃 姉を殺された男の話!
犯罪を憎むあまり 行き過ぎた行為で警察をクビになり 逮捕!
探偵として社会復帰して 色々な犯罪者と関わって行く中で 最後に大切な人と出会う
これでよかった! っと割り切れないが そこしか落とし所が無い。
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主人公は姉をレイプ殺害された過去を持つ探偵。類は友を呼ぶらしく、彼への依頼人は家族が犯罪に巻き込まれている者ばかり。登場人物がそろいもそろって犯罪関係者の家族という都合の良いストーリーなのには閉口するが、家族を殺された遺族は加害者を赦すことができるのか、という答えの出そうもないテーマに挑んだ連作短編ミステリー小説。
結局、赦せるか、赦せないかには結論が出ず。主人公も姉を殺された犯人に対して、それなりの復讐はできたが、満足感はない。
それよりも犯罪者本人は塀の中で守られ、その家族が犠牲になってしまう世の中は変えなければいけないと思う。
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面白くて一気読み
考えさせられる社会派ミステリ。
大事な人を殺された人たちの心境
うーん、当事者にはなりたくないなぁ
リアリティある話でした。
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薬丸岳5作品目。
姉を殺された主人公が探偵業を行いながら、
姉を殺した犯人に復讐を企てる。
曲者の探偵事務所所長のおかげで、探偵業の依頼では、
同じく親近者を殺された人がその犯人が出所したその後を依頼してくる。
被害者の遺族は犯人を赦せるのか、否か。
相変わらず社会の矛盾を突いた設定が面白い。
個人的には犯人を弁護した弁護士の話がよかった。
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探偵事務所に勤める主人公は姉を殺害された被害者家族。いろいろな被害者や加害者に仕事を通して出会い、自分の中で消化しきれない憎しみと戦っている。加害者の、どういう姿を見れば納得できるのか難しい問題に取り組んでいる内容だった。
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姉を殺された事への復讐の思いを抱き続ける探偵の連作短編集。
「赦す」
そのためには向き合わなければいけない
そのためには知らなければいけない
憎しみだけでは生きていけない
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理不尽に人の命を奪った者を、いったいどうしたら赦せるのだろう。
復讐することで、行き場のない哀しみが癒やされるとも思えない。
どんなに謝罪してもらっても、犯人が立派に更正したとしても、心から赦せるとも思えない。
だが、遺族が過去に縛られ、ずっと過去から抜け出せないことこそが一番の悲劇のような気もする。
遺族が生きていくことは、犯人が刑に服するよりも、もしかしたら辛いことなのかもしれない。
犯罪がひとつ起きれば、かかわった多くの人が否応なく巻き込まれる。
犯人自身はもちろん、犯人の家族。
被害者はもちろん、被害者の家族や友人、親しかった人たち。
ふと、ある殺人事件の裁判で裁判官が言ったことを思い出した。
「(犯人に)更正の余地がないとは言えない」
更正しないかもしれない。けれど、更正するかもしれない。だから、極刑ではなくて、更正の機会を残してあげるべきだ。
そんなふうに受けとれた。
被害者遺族や残された人たちは、どうやって心の傷を抱えたまま生きていけばいいのだろう。
たくさんのことを考えさせられた。
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犯罪には、加害者と被害者だけでなく、それぞれの家族、友人、恋人、そして弁護士などが関わってきます。当たり前の事ですが、加害者はそこまで考えて罪を犯してはいないでしょう。
この物語では、それらの人達の心が痛い程に描かれています。正直読んでいて暗い気持ちになったし辛いシーンもありました。しかしそれが現実ですし、とてもリアリティがありました。
読後、思い出したのは某有名大学生や医大生のレイプ事件です。殺人に至ってはなくとも、被害女性の心は殺されたも同然だと思います。
息子、そして若い人達に是非読んでほしい1冊です。
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連作短編かと思いきや、徐々に主人公・佐伯修一自身の話に寄っていく展開はとても好み。
しかし、榎木との対峙についてはあの結末で修一は満足なのかな?という点でスッキリしない部分が残りました。エピローグを見る限りでは前向きな生き方を選択したかのように思われるのですが、胸のすくような決着ではなかったので、少しだけ気になりました。
ただ、坂上とのエピソードなどを振り返ってみると、犯罪者・犯罪被害者の関係は赦す/赦せないのゼロイチで割り切れないものがあるのかな、と。そう思うと本作の結末は妥当で現実的な内容なのだろうと考え直した次第。
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とても面白かった。
この作品は薬丸作品の中でも特によかったですね。修一の心の葛藤がとても伝わってきました。少し回収しきれていない伏線があるような気もしましたが、それを補う人物描写があったと思います。「悪党」とはこんなもんだ。印象的でした。
オススメの作品です。