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2007年12月 京ことばが素敵。風景の描写がすごくいい。主人公が「お嬢さんおきれいやす」と言われ続けるので、風景と美しい女性を同時に想像して、ふわーっとなっってしまった。でも本当にこんな女の人いるのかな??男性が女性を神格化するってこういうことをいうのかしら。
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最近文学を読んでいなかったので、お正月スペシャルドラマ「鹿鳴館」を見たきっかけもあってか、三島由紀夫、ではなくて、川端康成の本を読みました。
それが、「古都」です。
生き別れた双子が出会い、それぞれの生活のギャップからによる葛藤と慕情が入り交じっている表現を読み、やっぱり睡眠薬を飲み続けても天才だなぁ、と感心せずにはいられませんでした。
前日読んだ小川洋子の作品とはまた違うおもしろさを発見出来ました。
それぞれの淡い恋情が描かれているので、可愛いです。
現代にはちょっと味わえない恋を味わってみてはどうでしょう?
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京都の情景の描写がいい。京都観光のバイブル的な本。
また、親や双子の姉妹を思いやる様子が温かい気持ちにさせてくれる。
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「朝雲」所収。一時期担任の先生が好きでもやもやしていた時に出会った本。今も昔も女教師⇔女子生徒はよくある話なのかは分からないが、心の支えにはなりました。川端先生ありがとう。
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美しい情景。
美しい日本語。
美しい双子の姉妹。
四季折々の景色も、京ことばも、姉妹のお互いを思う気持ちも、
淡くてゆらゆらとした優しさを放っている。
全てが崩れ落ちそうなバランスの上で成り立っているかのようで、
一層美しさと儚さを際立てている。
他のどこにも存在しない古都。桃源郷としての京都を確立した作品。
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川端文学らしい、とても儚く美しい色使いの物語。
このちょっとぼやけたような岩崎ちひろの絵なんかを想像させるような描写が心地良いですね。
時代のせいもありますが、女って寂しい生き物だとつくづく思います。
我々なんて幸せなほう、というかもう根性曲がってます。
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川端作品を女性に勧めるなら、まずこれにする。難解な印象があって敬遠していた川端作品ですが、この古都を読んで一気にハマった。
捨て子だったが商家に育てられた千重子と、千重子に瓜二つだが大原で苦しい生活を送る苗子の物語。タイトルのとおり、古都京都の移ろう四季が舞台になっており、雰囲気がとても流麗です。
文章が硬質で清廉なのにどこか妖しい。女性に是非読んで欲しい。
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二年ぶりの川端康成。なんでも眠り薬濫用が酷かった頃らしく、異色の作品と作者自ら語っている。
確かに、そう言われると何だか夢の中の話みたいで始終ぼんやりしてた感じもするな。
読点が多くてやや読みにくかった。あんまり面白いってわけでもなかったし、☆3。文学作品だからしょうがないか?
最初のすみれの話や杉の描写などは美しい。そこらへんはさすが川端。
行き別れた双子の姉妹・千重子と苗子。苗子が身分を気にしすぎ、千重子のこと好きだけど、彼女の幸せを崩したくなくて、二人は一緒に暮らすこともなく終わってしまうのが切なかったな。結局秀男と苗子は結婚しちゃうのかな。
「幻」について、もっともっと書いてほしかったな。研究論文では何かつっこんだ意見書いてる人いるかな。
京都弁が優しく、京都の年中行事も詳しく書かれてて、なんか森見さんとはまた違って京都行った気分になれる。
ところでここに出てきた最後の京都の市電って、明治村走ってたやつかなあ……乗ってきたよ思いっきり。
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かなり好きな作品です。
双子の女が、男から愛されるきょうだいの体と自分の体には
寸分の狂いもないことを想像するくだりは、かなりいやらしい。
でもそこには透明な美しさがある。
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商家のひとり娘・千恵子。北山の村娘・苗子。赤子のころに生き別れた双子の姉妹が、祇園祭の夜に偶然出会う。ふたりは互いを慈しみあいながらも、育った環境の違いの大きさのために離れ離れに暮らさざるを得ない。
見るものの心を痛いほどにしめつける京の美しい四季を背景に、愛し合いながらも決してひとつになれない姉妹の哀しみを丁寧に描いた佳品。
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高校のとき、私の大好きで、後にとても大切になる女の子が、好きだ、といった小説。
すぐさま、本屋へ走った。
私は、恋をしていた。
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▼ オビ ▼
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生き別れた双子の姉妹の、邂逅。ただし永きの別れが
隔てた環境の違いによって、二人が姉妹の関係に戻る
ことはできない。瓜二つの双子でありながら他人とし
てしか過ごせない切なさ。京都の町・史蹟、四季の移
ろいの美しさ。それらが麗しい文章で描かれる。
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▼ ツボ ▼
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・物悲しさを引き立てる京都弁の響き。
・「むかしが、なつかしいのやろか。今がさびしいの
やろか。」というセリフ。
・京都の風物の美しさ。
・苗子の人間に対する考え方。
・冒頭。すみれと鈴虫の話。
(2009年 6月 33冊目)
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美しい。
風景、におい、そこに生きる人たちのたたずまいが
言葉で伝わってきました。
日本の美しさがしっとりと描かれています。
円山公園に行きたくなります。
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川端康成らしき、景色描写がめっちゃキレイな一作。
まぁ百恵ちゃんが主人公役をやっていた映画でもあるし。
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著者が睡眠薬常用しながら書き上げた作品。
出版前にかなりの補正が入ったものと思われる。
京都の風景を描写する言葉の使い方にうなる。
抑揚の効いた作品。