生きることは難しい
2012/08/15 16:40
11人中、11人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:こぶた - この投稿者のレビュー一覧を見る
統合失調症を抱えながら
数奇と言うか破滅的というか過酷な半生ののち新しく支えてくれる人と出会い
新しい生活を始めながら
躁状態になって勝手に内服薬の量を減らし
妄想の果て歩道橋からダイビング
命は助かったものの顔面骨折と右目失明
歩道橋からダイビングするまでの様子と
入院中の出来事
退院後の生活を綴っている
統合失調症の人から見る世界と
私たちから見る社会との違い
病気に深い理解のあるパートナーの大きな愛情に包まれながら
新しい一歩を踏み出し始めた卯月妙子
ここまでさらけ出さなくてもということまでさらけ出せるのは
表現者としての業だろうか
人はだれも何かしらの生き難さを抱えている
病の進行を抑えながら
彼女が彼女らしくこの世界で生きて行けますように
心から祈っている
読むんじゃなかった
2016/07/20 21:13
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:よのおつ - この投稿者のレビュー一覧を見る
レビューや試し読みなど、前情報のない状態で読みましたが、読まなきゃ良かったと思いました。つまらないわけではないんですが、とにかく重い。軽い感じでギャグ混じりに描かれているのが、さらに重さや怖さを感じさせます。読み終わった後はしばらく放心状態。私はこの漫画を人に勧められません。
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ページをめくるのを躊躇した。あまりにも強い生と死の臭いの間で、こちらの息がしにくくなった。でも読むのをやめられない、想像することは出来ない、見たことのない世界。統合失調症は今や身近な病ではあるけれど、実際に体験したことのない私には想像することがとても難しい。でも、それでいいと思った。訳知り顔で、分かるよ!なんて言っていい話ではない。
卯月妙子の人生はあまりにも壮絶過ぎて、咀嚼して飲み込めるような単純な話は一つもないのだけど、この人が生きてるだけで最高だ!と言えるまでに回復できたことは、すごいことだと思う。ボビーさんの不器用ではあるけれど、強い愛情や、家族の支えがあってこそのものだと思った。
正直、統合失調の症状が出てる部分は読んでいて怖い。誰にでも、なる可能性のある病気。今、たまたま私はその病に罹っていないだけで、いつそうなるのかわからない。私がそうなった時、この人の周りの人たちのように支えてくれる人はいるだろうかと考えさせられた。心臓が痛い。
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著者の自伝コミックエッセイ。著者の経歴から想像してはいたが「むちゃ壮絶」だった。この内容を漫画という表現でこんなエンタメにできるなんてすげー才能なんじゃねとか思ったり。軽い目眩でクラッとくる怪作。夫ボビーの愛の深さは涙もの。
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歩道橋からバンジー!持病と併せて回復までの壮絶な日々も、突き放した視線で淡々とユーモラスに描かれていて、この読後感は吾妻ひでおの「失踪日記」に似てるなぁと思ったら、こちらもイースト・プレスでしたか。
事故&闘病ともうひとつ、軸になっているのは壮大なる惚気!これがまた頬がゆるんじゃって、ゆるんじゃって、このーッ!幸せもの!
ボビーをはじめ、彼女をめぐるひとびとのなんと柔らかなこと。病に対する理解度の高さ。読んでいるとじわじわとこちらの気持ちも暖かくなってきます。
あまりにも面白くて一気に読みたいところが、時々連れて行かれそうになってしまうのが唯一の難点w なんらかの投薬ちゅうの方はご用心w
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そういや、最近名前を見かけないが…と思い検索してみたら大変なことになっていたとは…!!しかも10年の沈黙を破り、ついに新刊が!!以前に比べて絵は格段に下手になっている。が、それは内容を読めば納得できる。劇場で首切り自殺未遂。そして今度は歩道橋からダイブし顔面崩壊…それでも彼女の今からは幸せを感じるのは何故だろう。ただしこの本は、自分の精神状態が良いときに読むことをオススメします
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寡聞寡聞にして未知だった。卯月妙子という人のこと。
さらりと描いているけれど、こんなもんじゃなかっただろうと思う、その半生。支えてきた家族の苦労もそりゃぁハンパないだろう。
妄想や幻聴の派手な陽性症状を通院と投薬で抑えつつなんとか社会生活を営んでいられるのも家族あってのもの。そしてボビーあってのもの。
寛解状態で幸せに暮らせることを祈らずにはいられない。
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統合失調症を抱えた著者が25歳年上のボビーと出会い幸せを掴んだかに思えた直後に横断歩道橋からダイブして、、、という壮絶な話です。
卯月 妙子は、10年くらい前に『実録企画モノ』でブレイクした漫画家で、『新家族計画(全2巻)』が出た後、マンガの世界には現れなくなりどうしているのかなとは思っていました。
『実録企画モノ』も壮絶な私生活をそのまま描いたもので、うわわわぁぁぁーーーという感じのマンガだったのですが、この『人間仮免中』は、それを超えています。
しかし、話の本質はとても純粋な愛情をえがいたもので心を打ちます。
映画化すると良いと思いました。
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西原理恵子の「ぼくんち」を初めて読んだときの感覚に似ている。
これはなんというか、感想が書くにくいマンガだ。
すごーく時間が経ってからまたきっと読み直したくなるだろう。
統合失調症を患いながらも生きていく卯月さんを、
内縁の夫であるボビーさんが横にい続ける日々。
歩道橋から飛び降りて顔面ぐっちゃぐちゃになってセックスしてくれる、
チンコが勃起してくれる、
コレは自分でもきっと心底嬉しく思っただろうな。
受け入れてくれる、と信じられる瞬間だろうな。
お二人にはこのままい続けて欲しい。
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凄いと噂で気になっていましたが、ついに手を出してしまいました。
僕は精神病系に懐疑的ではあるのですが、こうまざまざと突きつけられてしまうと、少し怯む。これはレアな話なのか。著者はアブノーマル系で鳴らした人だそうだけど、でもこの話がレアかというと、実は社会の何処にでもある話なのかもしれない気もして、また怯む。懐疑的だとシャットアウトせず、そんなことも想像しなければならない。人には勧めないけど、読んでよかった、かな。
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元AV女優、漫画家でもある著者が、自らの病、統合失調症の凄絶な闘病と、それを支える家族や恋人をリアル過ぎる筆致で描いた怪作。
昔より下手になった絵が(もちろんそれにも理由があるのだが)とてつもないリアリティを生んでいる。
『このマンガがすごい!』にはエントリーされないかもしれないが、僕が今年読んだ本の中で一番の傑作。ハートの弱い人にはお勧めできないけど。
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若い頃に統合失調症を発症し、きわどいAVへの出演や舞台活動などの経歴の間に入退院を繰り返す作者。支える家族、出会い、人間という生き物のたくましさと繊細さを味わいました。
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昔付き合っていた彼女と似ていると思った。子供っぽいところが特に。だから付き合っている男の気持ちもわかる気がした。
子供の反抗期のように、きっと当たり前のように愛情を注がれるとつき返したくなるのだろう。多分この男の受け入れる器は、ほんの少し小さい。
後半、別れに向かう現実が、ひしひし伝わってきて読んでてつらかった。その後どうなったんだろう。
卯月さんみたいな人は幸せに生きてほしい。
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これは、「愛と冒険の物語」だ――井浦秀夫(漫画家)
帯にはこの一文。これ以上言うことがあるだろうか。
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先日受講したメンタルヘルスの研修会で紹介された漫画。調べてみたら、かなり話題の漫画と分かり、購入して読みました。統合失調症の症状ってこんななんだとか、パートナーの愛の深さに感激したりとか。