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アオヤマくんみたいになりたい!お姉さんとペンギンと、日常の中なのに不思議な世界。海にゆられているような感覚になる。
とりあえず私もアオヤマくんのようにきちんとノートをつくることから始めようかなと思います。
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一生のうちで、大事にとっておきたいお話に廻り逢えることは極めてまれだ。本書はまさしくそんなお話のひとつだ。
まず、ビジュアル・イメージが佳い。一文毎に目の前にイメージがパァ~っと浮かんでくる。ペンギンたち、シロナガスクジラ、ジャバウォック、青いレゴブロックの壁…。そして草原と〈海〉。そのセンス・オブ・ワンダーに満ちた世界は、確かに、日本SF大賞を受賞するに相応しい。
また何よりも、主人公が思春期直前の小学4年生の少年というのが絶妙だ。小3だとまだ子どもだし、小5だとヘンに色気づいてくる。お姉さんへの恋心こそが、まさしくセンス・オブ・ワンダーの極致かもしれない。
『夜は短し歩けよ乙女』のようなドタバタも楽しいが、本書は全くそのようなことはない。リリカルで透明感溢れる珠玉のようなお話だ。森見登美彦恐るべし、である。
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森見登美彦といえば、「腐れ大学生の主人公が黒髪の女の子とファンタジーな京都の街を駆け抜ける」みたいな話が多かったので、主人公が小学生というのは新鮮だった。小学生の頃、近所を探検した時のワクワクした気持ちの表現がとてもうまいと思った。話の流れ(子供が小さな謎を徐々に解き明かしていく→大人がそれを取り上げる→危機的な状況に陥る→子供が大人から取り戻し解決→少しせつないラスト)も、子供を主人公にした話の王道と言った流れだった。アニメ映画とかになりそうな雰囲気だった。いつもの森見登美彦のテイストとは少し違ったが、面白く読めた。
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「毎日の発見を記録しておくこと」と父に言われ、ノートに“日記みたいな文章”を残していく小学四年生のアオヤマくん。
アオヤマくんは小学四年生とは思えない賢い文章を書くんだけど、ところどころに出てくる表現が子供らしい。
『天気の良い日は、街全体がぴかぴかして、甘いお菓子の詰め合わせのようなのだ』とか、『(入道雲が)イチゴのシロップをかけたような色をしていて、ぼくにはその雲が甘いデザートのように見えた』とか。
ペンギンを出せるお姉さんと、それを研究するアオヤマくん。
アオヤマくんは他にもいろんな研究をしてる。
いろんなことを知っていると、人生ってもっとおもしろくなるな。
知識は宝。
アオヤマくんは
「……いやだけれどもがまんしなくてはいけないことがあるね、人生には」とか、大人びたことを言ったりもするけど、おっぱいのことを考えすぎるところも(いやらしい意味ではなく)
「怒りそうになったら、おっぱいのことを考えるといいよ。そうすると心がたいへん平和になるんだ」
このあたりは森見さんっぽいよね。
最後のほうは一気読み。
お姉さんが何者なのかはわからずじまいだったけど、きっとアオヤマくんが大人になるまでに解明してくれるはず。
最後の一文
『どれだけ、もう一度会いたかったということ』
に泣かされた。
とにかくアオヤマくんが愛おしく思える作品。
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がんじがらめになりそうになる→「おっぱい」で和む。
がんじがらめになりそうになる→「おっぱい」で和む。
がんじ→おっぱい→がらめ→おっぱいの繰り返しで、気付けば読み終えてました。
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あまりに面白くて、一気に読んでしまいましたが、最後の8行で泣いてしまいました。
主人公のぼく、アオヤマ君は、たいへん頭の良い小学四年生です。
日常での発見や、疑問に思った事は、何でも持ち歩いているノートに書き込んで、日夜研究に励んでいます。
そんな彼は、ある朝、登校途中に、ペンギンが突然、大量に住宅街の中の空き地に出現しているのを目撃します。
勿論、彼は、同級生のウチダ君やハマモトさん、歯科医院に勤めている近所のお姉さんと共に、この事を研究し始めるのですが、そのペンギンの謎は、意外なものでした。
アオヤマ君は、将来、森見さんの他の作品に登場する、腐れ大学生のようになるのでは、と危惧される程、悪く言うと可愛げが無いと言うか、理論的で、子供らしくない子供なのですが、何とも魅力的なキャラです。
彼は、5歳の時から、怒らないと決めているのですが、何故それが出来るかと言うと、腹の立つ時には、おっぱいの事を考えているからなのです・・・。
彼があまりにも理論的過ぎるので、クラスのいじめっ子のスズキ君が、何をしても、子供らしくて可愛く見えるくらい。
スズキ君は、クラスでどんなに威張っていても、歯医者さんで泣いてしまったりするし。
結局、みんな、良い子たちばかりでした。
アオヤマ君の周囲の大人も、皆、理解のある、良い大人ばかり。
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小学4年生のアオヤマ君はたいへん賢い男の子で、街を流れる川の水源をつきとめる研究や、クラスのいじめっ子スズキ君の観察、知り合いの不思議なお姉さんの研究などに励む、多忙な日々を送っている。そんな彼の住む郊外の街で、ペンギンが出没したり、謎の物体が現れたり、不思議な事が起こりだす。アオヤマ君は、そういう不思議な現象が、自分の好きなお姉さんと関わりがあることに気付く。
アオヤマ君は変わった男の子だ。でもとても魅力的に描かれている。私には彼の日常、行動が何か切なく感じた。賢く、変わってはいても、小学4年生という時を生きて色々なことを感じ成長している彼の姿がすごく愛おしい。
解説の萩尾望都さんも書いているが、最後、アオヤマ君を抱きしめたくなった。
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これはよかった。京都などの地場のドロドロは無い。でも磁場はあるかな。ペンギンが街に生まれるのだから。
小説の美しさを、文庫の萩尾望都氏の解説の素晴らしさで理解できる。アオヤマ君、君はめんどくさい少年だ。でも、萩尾さんの抱きしめたい気持ちが大変よくわかる。
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あれ、小学生のふんわりした話かなって読んでたら、あれ?SF?苦手かもーってなって(前回のトラウマが!)、だけどアオヤマ君のキャラにつられてどんどん読み進めていくと最後ちょっと涙がでそうになる話。
がんばれ!
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主人公のアオヤマ君の綴る子供の毎日は、自分の子供時代を思い出しながら読めて懐かしくて楽しい気持ちになる。
が、話の中で起こっているメインの出来事にあまり関心を持てなかったので、読んでて中だるみした。
それが想像の産物過ぎて、私にはどういう情景かが想像しづらかったからかも。
最後の結びにはちょっと感じるものはあるんだけど、起承転結の転で終わってしまったように思うので消化不良な気分。
決して悪い終わり方ではないけども。
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不思議なお姉さんに憧れる少年の毎日が、瑞々しい。
問題に仮説を立て、謎を解明しようとするアオヤマ君もすごいけど、ウチダ君の死生観に感動した。
彼らは真剣に生きて、大人になっていくんだ。
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図書館で借りた本
独特の世界観。
こういう発想は、思いつかない。
最初は意味が分からなくて、少し退屈だったけど、後半はいろいろな事がつながって、夢中になって読めた。
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少年アオヤマくんの探求記。
子ども目線の一人称小説なのにアオヤマくんの冷静な性格のおかげで、
ワクワクドキドキ感は控え目。
でもその分、好奇心・探求心が前面に出ていて面白い。
ほんのり切ない。
おっぱいへの執心は、まあいつもの森見節ですか…。
この表紙、巧みにお姉さんのおっぱいが見えないように描かれてる…。
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京都を書かない森見登美彦なんて…。と思ったが、思いのほかじんわりしてしまった。
ペンギンの描写がかわいい。
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思ったよりかなしくて
泣いてしまった。
三歳の時探してた
道の終わりとよく似ている。
ないって知ってるけど
20年たったいまでもあると思う。