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どうしようもない。
どうしようもないほど、
読むたびにドキドキする。
解放される快感。
生まれ変わる喜び。
変化を求める時に手に取りたくなる本。
いつまでも傍に置いておきたい。
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絵の中の男食いの妖艶な女に瓜二つの芸娘を見つけ、ついに思いのたけを女の背中に掘り込む。それを痛がりもせず、自分のように 「あんたが真っ先にあたしの肥やしになったんだねぇ」
気持ち悪い
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痛みとセックス。
このふたつほど濃密に生を実感させられるものもない…
愛とはなんなのか考えてしまう。
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「少年」
あえて表題作ではない作品についてレビューを書かせてもらいます。
こんな話だとは知らずに読んだので吃驚しました。
一言で言うなら、少年(達が)未知の扉を開けちゃう瞬間を克明に描いた作品。
加虐趣味も嗜虐趣味もないけれど、谷崎の美しい文体で書かれるとうっかり新しい扉を開けそうに・・・ないない(笑)
さすがにUrineは飲みたくありません^^;
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★☆☆ 谷崎さんの世界に入るなら……。
もう何度か読んでいる本です。
谷崎さんって何となく近寄りがたいイメージだったんだけど、
読んでみるとその作品世界はすごく深くて、
怖いけど踏み込んでみたくなるなぁって思う。
怖いものみたさ、なのかな。
妙に美しい世界が生まれたりする。
この本は短篇集だから読みやすいし、オススメです。
(2008.07メモ→2010.04ブクログ)
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谷崎潤一郎は「痴人の愛」と「春琴抄」しか読んだことがなかったのだが、これを読んで一つの発見をしたかも。
それは谷崎小説に登場する男性が揃いも揃って変態的ということ。
この作品で谷崎自身がマゾということも知ったのであながち間違いではないはず。
「痴人の愛」も「春琴抄」もM男が大活躍するし。
谷崎の凄さはその変態性を文章の美しさで低俗に感じさせないところにも一つあるのではないか。
品のある艶めかしさが印象的というか。
これが西洋だとエロばかりで下品になりがちだったりするけど。
個人的には「異端者の悲しみ」が印象に残った。
谷崎も中二病的な自伝書いたんだな、と微笑ましくなった。
今ではあんなの通用しないだろうけど、やっぱり作家の自意識が生んだ作品は気になってしまう。
結構やらかしてると思った。
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耽美で妖艶で退廃的で悪魔的。
デカダンでデモーニッシュ。
特に強く印象に残ったのは「異端者の悲しみ」
好きなのは「刺青」「秘密」
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「それはまだ人々が「愚」と云う貴い徳を持って居て、世の中が今のように激しくきしみあわない時分であった。」「誰も彼も挙って美しからんと努めた挙句は、天稟の体へ絵の具を注ぎ込む迄になった、芳烈な、或は絢爛な、線と色とがその頃の人々の肌に踊った。」
初期作だからか、細雪のような読みやすさはなかった。
ただ、何度も噛み締めて読むと味わいのある文章だった。
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谷崎文学の入門によさそうな作品が載っている本だと思う。
谷崎の足フェチを表す名言がのっているし、マゾのことも。
この本がすきだったら他のも大丈夫なはず・・・?
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高校以来の再読。怖いもの見たさの好奇心で読んだ以前よりは、ずっと感じるものがありました。大人になったんだね、わたしも
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「異端者の悲しみ」
主人公が両親の老いた寝姿に哀れを誘われる場面は、私にとっても覚えのある感情で、どうにも胸をつかれました。それはさておき、しょうもない主人公のしょうもなさが際立った作品でありました。
「刺青」
何度もくりかえし読んでいる作品。女の背で蜘蛛がのたうつのが艶めかしい。好きだー。
「秘密」
昔読んだ。淫靡でありました。いやん。
「幇間」
これも昔読んだ作品。初めて読んだ時、幇間の男は哀れだと思ったが、二度目に読んでみて、哀れでなくプロフェッショナルと分かった。美しくも妖しき日本文化。
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・異端者の悲しみ
主人公の中に何年か前の自分を見た。
主人公のモデルは彼本人らしい。
最近、もの書きというのはこういう一面を皆必ずと言ってもいいほど持っているものなのかもしれない‥と思う。
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昔の方の書籍は読みにくいと思いきや、大変読みやすい。
短編であったことも効しているかもしれないが、昔ならではの背景的なものを含めて、綺麗にそして、妖艶に書かれていると思われる。
人間の感ずる、秘めたる部分を美しく書かれた作品集であると思う。
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まさに「耽美」という言葉がぴったり合う。
ヒトの身体の可能性を感じさせる。
ところで新潮文庫の谷崎作品の表紙はすべて同じ装丁ですが、この鮮やかな朱色はまさに谷崎作品を象徴づけるような雅の趣を持っていてとても気に入ってます。
色だけでイメージを想起させるって、考えてみればすごい。
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谷崎は痛そうなのが苦手で避けて通って来てたんだが、
そろそろ大丈夫だろう、と思ってきちんと読むことにした。
他には春琴抄くらいしか読んだ事ないので、
ちょっと比較してどうだとかあれこれいうことは出来ないんだけども、
『刺青』のラストシーン、
「女は黙って頷いて肌を脱いた。
折から朝日が刺青の面にさして、女の背は燦爛とした。」
ここのくだりを読んだ瞬間、
そこに至るまでの刺青を入れる痛々しい過程が一瞬で昇華されて、
あたかも目の前にきらきら光る美しい女郎蜘蛛の刺青が浮かんだかのようだった。
なんというか、谷崎さんという人は、
こういう、刹那の中に燦然と輝くほんの一筋の絢爛豪華な美、
または美と呼べるであろう快感、を、
とことんまで追求したかったんだろうなぁ。
しかも、芸術的に、とか、理想的に、ではなく、
あくまでその本質は自分の本能において。
それも簡単に手に入る快楽では快感として感じられないっていうんだから、
生きるためにあくせくしなくても良くなった人間の、
贅沢な嗜好であり思考であり試行であるとも言えようかねぇ。