紙の本
人間=球体の蛇
2016/02/13 14:25
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投稿者:如月とよか - この投稿者のレビュー一覧を見る
「人間=球体の蛇?人間は蛇とは別の生き物だろうに。」と思う人にこそ読んでいただきたい1冊です。
読んでいただければ「人間=球体の蛇」の意味を理解し、納得していただけると思います。
素晴らしい本なので、是非御一読を。
紙の本
やっぱり何とも言えない、靄がかったような読み口
2013/10/03 11:57
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ひろし - この投稿者のレビュー一覧を見る
何度も書いたけれど、道尾作品には独特の世界観や感覚がある。「カラスの親指」等は例外的かもしれないけれど、基本何だか得も言われぬ不安感だったり、ある種のシュールレアリスムだったりする。スカ!としたりピリッ!としたりといった感じは薄くて、全体的に靄がかかったような感じで、どこかどろっとした感触。がしかし嫌いかというと、これが結構クセになる。パズルチックなミステリー的な物とか、大どんでん返し!みたいな物を期待して読み始めると、ちょっとがっかりかもしれない。私的には、文学作品に近い読み口、感覚だと思っています。
本作品も、疾走感的な物は全然ない。確かに人が死んだり事件が起きたりはするものの、ハラハラドキドキ的要素も無いし、中盤すぎたあたりでどこらへんを焦点に読んだらいいのか少し躊躇するくらい。人の心の動き。恋と誤解と、そして死。ああこう書くと、連城三紀彦作品にちょっと近いような気がます。そこに少しトリック的な要素を加味した、といった感じでしょうか。ぜひにオススメ!という感じではありませんが、ちょっと比類なき独特の世界を味わってみるにはいいかも。
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限定的に意識の片隅によぎるものを感じながらも無意識に行動することがある。
どんな形で作用するのか、波紋があるのか、自分に返ってくるのか。
人間の感情は予想を超える。
知らなくていいこと、ある。
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私はまた、人を殺した。
秘密を抱えた美しい年上の女性。球体の中の記憶。
幼い嘘と哀しい真実が交錯する時、事件は全く違う顔を見せる――。
第12作。第十長編。干支シリーズ「巳」。
形式:全編を通して一人称小説(語り手:友彦)。
物語に閉じ込められていたのは私だった。
「本当の事実」なんてものは誰にもわからないのかもしれない。
「景色は自分でつくる」ものなのかもしれない。
嘘。人を庇うための優しい嘘。自分を護るための哀しい嘘。傷つけるための冷たい嘘。
それらを呑み込んで、誰もが生きていく。
関連インタビュー
http://www.kadokawa.co.jp/sp/200911-02/
http://www.hmv.co.jp/news/article/911170114
ミステリ:☆☆☆☆
ストーリー:☆☆☆☆☆
人物:☆☆☆☆☆
読みやすさ:☆☆☆☆☆
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めずらしく道尾作品の中では面白くなかった。
何かこうぼんやりしたものが、結局最後までぼんやりだったような・・。
まあ1つくらいはこういうのもあるか。
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久々に読む大好きな道尾作品。
シロアリ駆除の虫の描写がやっぱりリアル。
お食事中にこの場面は読めない。
向日葵・・・をちょっと思い出しました。
真実を知ることはそれほど重要ではないのかもしれない。
過去を反省しても今は変わらない。
人の命は戻らない。
誰も悪くない。
きっとそうなのだと思う。
あ、田西さんのその後がちょっと気にかかるかも。
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ずっと暗くどんより、重たい話。最初、主人公の異常っぽさと、それを許容する展開に抵抗があった。みんな仮面かぶって本当はどんなことを考えてるのかわかりにくいってことかなぁ。
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話の展開がすごい。どの作品にも関心させられるが、これはここに繋がっていたのか⁈、いや違ったのか⁈、と何度も思わせるサスペンスでもあり、深い人間模様を描いた小説。
道尾作品はこれだからやめられない。
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一気読み。
『誰も悪くない』が故の哀しみが切ない。
……しかし、本当に誰も悪くなかったのだろうか? と、思わせる辺りが上手いなぁ。
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今回はいつもの道尾秀介作品と一味違った二転三転でした。
こういう静かな暗さ、嫌いじゃないです。
まぁ主人公達にとっては決して静かな物語なんかでは無いのですが。
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流れのきつい川の、思いがけず淀んで前がみえない底を歩いている気持ち
暗くて、悲しくて、歪んでいるのだけれど、嫌にならない
不思議な感覚の中、読み進めていき、ずぶずぶと深く潜っていく気分でしたが、
最後の章で、少し救われた気持ちで、深呼吸して読み終わりました
道尾ワールドは、なぜだか離れられず好きです
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道尾さんの小説が文庫化されていたので久々に買いました。
ジャンル設定が難しいですが、ひとまずホラーということにしておきます。
幼馴染の死の秘密を抱えながらも、隣人と共に平凡な毎日を過ごす私。
仕事の途中に見かけた、自転車に乗った白い服の女性に心を奪われた私は、夜な夜な奇行を繰り返すようになる。
ある日を境に女性との関係は大きく変革を遂げるが、彼女との関係は私の心の内をひたひたと侵していった。
温かくも哀しい幼い嘘と過ちの連鎖が、私と周囲の人々の人生を覆い、揺さぶっていく。
このぬるま湯に手を浸したような冷やかさと独特の鋭さを併存させた雰囲気を生み出せるのが、道尾さんの持ち味だと思います。
性、特に女性の妖しさを印象付ける場面が多いです。
主人公が過去の葛藤と対峙しつつ、少しずつ人間の深淵のようなものを感じ取っていく微妙な心の動きが表現されていると感じます。
決して明るい話ではないですが、一読の価値はありです。
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主役の青年が高校生から成長していく話し。
複雑な家庭環境の2つの家庭で事件が起こりその真相が次第に明らかになっていく過程に引き込まれてついつい読み進めてしまった。
基本的には重い内容だが最後に光がある感じが著者らしく読後感は悪くない。相手を思いやる嘘が裏テーマかも。
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それぞれの人の中にそれぞれの真実がある。全てが悲しい方向に向かってしまったという話。ただ、不思議と後味の悪い印象は受けなかった。逆にリアルに感じられたからかもしれない。
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一気に読みました。
相手を想うが故の嘘が、上手くいかない話。
誰も悪くないっていえば、悪くないんだけど、どこか登場人物のそれぞれにずるい部分を感じてしまうような話でした。
どこかスッキリできないような気分が残りましたが、展開がいいテンポで進むので、先が気になり、一気に読んでしまいました。
おもしろかったです。