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大江戸生活事情 みんなのレビュー

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みんなのレビュー6件

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紙の本

本書曰く、「江戸時代の売春は明るかった」…!?とんでもないっ!

2002/03/02 00:33

3人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:凛珠 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 石川英輔氏の大江戸事情シリーズは、「江戸=悪」という固定観念を覆す考え方が面白い。だが石川氏の考えには、時々勇み足と感じさせられる時がある。確かに勇み足にならねば太刀打ち出来ないくらい、今までの江戸像は真実から遠いものだった。しかし、度を過ぎた勇み足は逆に弱点となってしまう。私は江戸の真実を知りたいとは思うが、江戸を何でもかんでも礼賛する気持ちは無い。かつて江戸を全て悪と解釈していた人々と同レベルになってしまうからである。
 本書で首をかしげてしまったのは、「カラオケは芸者ロボット?」の章での娼婦に関する記述だ。曰く、「現代では生活が逼迫していない状態でも、自ら進んで娼婦になる女性が大勢いる。贅沢が出来れば屈辱感にお釣がくるのだろうか。人間の本性はそんなに変わるものではないから、江戸時代の女性でも、好きで娼婦になった人は多いのではないか。そうでなければ遊郭は陰惨なだけで、吉原文化など生まれなかった筈である」と。この解釈は間違っている。まず、現代の娼婦と江戸時代の娼婦を同レベルでみてはいけない。人間の本性は変わらないという意見には大いに賛成するが、思想は社会の状態によって異なる。現代と過去を別物扱いするのは問題だが、過去と現代を全く同じ尺度で見ても真実は見えてこない。歴史を学ぶには、当時の社会情勢も熟知し、その時代の人の立場になって考えねばならない。現代の娼婦は儲けを全て店に吸い取られるわけではなく、自分でも多くの報酬を受け、贅沢をすることも出来る。店で生活することを強制されているわけでもない。これなら確かに志願して娼婦になる女性も多かろう。江戸時代にもそういう女性はいたかもしれない。だがそれは、あくまでも借金が無い場合である。江戸時代の「娼婦」は殆どが借金のカタに、もしくは生活苦の為に売られたのである。だが、大っぴらにではなく、陰で売春をする女性たちもいた。矢場女や水茶屋女などである。彼女たちの中には、己の容色で男を手玉に取り、金儲け気分で自由に売春していた者もいたかもしれない。現代の娼婦も大っぴらに売春をしている訳ではないから、比較するのなら吉原の遊女などではなく、こうした隠れ娼婦の方が相応しいだろう。
 吉原の文化は、確かに遊女の意地や誇りの産物であると解釈することも出来る。しかし遊女が誇りを持ったのは、誇りを失うようなことをさせられていたからだ。高級娼婦を嘲るつもりはないが、「格好良い」と思うのは危険だ。遊郭の華やかさは、あくまでも男の視点で見たものである。苦行の外側にいる人間は表側の華やかさだけを見て、好き勝手に言えるだろう。その文化も、残念ながら遊女の意地の産物と言うよりは、店側の利益追求精神の賜物と思った方がよい。吉原の太夫制度は、江戸中期頃に廃止されている。また吉原は特異な例であり、殆どの売春宿には華やかさなど無かった。現代のように衛生的でもない。下層の娼婦は殆どが性病を患っていたという。性病でなくとも心身ともに酷使され、若死にする者が多かった。死んでもロクに弔ってなどくれない。石川氏は、借金の為に娼婦になった女性も他に選択の余地が無かった訳ではなく、ある程度妥協していたのではないかと書いているが、歴史に造詣の深い方の科白とも思えない。手っ取り早く纏まった金を入手できる方法が、身売り以外のどこにあったというのだろう。自分の意思とは関係なく、家族などの手によって売られてしまったのである。
 私は何も、男尊女卑云々を言おうとしているわけではない。ただ現代のような娼婦がいたとしても、江戸時代の売春が明るく、娼婦たちが痴女であったかのように言うのは、哀しく身を売っていた娼婦たちに対して失礼であり、浮かばれない。女性は男に搾取される女というイメージから目を背けたいが為に、男性は買春をする後ろめたさから、幻想の娼婦像を生み出してしまうのか。

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2010/04/09 09:30

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2011/06/01 12:38

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2012/01/09 23:00

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2015/04/10 20:05

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2017/08/03 15:10

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