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上巻に続いての完結編。主人公のトータル面での幸せは、読者の想像でいくらでも作って行けそうであるが、全体のトーンが柔らかくて好きです。
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「前途洋々」という言葉がぴったり。
希美子と一緒に暮らしている中学生〜高校生の女の子たちが、それぞれの才能を活かしてそれぞれの道を進んでいく。
若いっていいなぁと思ってしまったよ。
この作品のもう一つの(と言うかほんとの)柱は「カナ江の人生を遡る」こと。
同じく宮本輝さんの『オレンジの壷』も亡くなった祖父の人生を遡っていく作品だけど、今度は『オレンジの壷』の女性版って感じかな。
カナ江は、静かだけど強い。逞しい。
希美子にも惹かれたけど、カナ江にも強く惹かれた。
それにすき焼や季節の素材を使った炊き込みごはん、鱧のお吸い物、シャトー・ラトゥール・・・
出てくる食べ物・お酒がおいしそう。
って、前にも何かの本で言った気がする・・・
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阪神大震災後、それを題材に扱った彼の作品は多いけど。
これはその中でも家族を失った人たちが一緒になり、家族になっていくところがすごく幸せだなあと思うの。
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すべてを受け入れて動じず…
すべてを包み込んで動じず…”
そんな人間になれたらいいな。
私が今までに読んだ宮本輝の本の中では一番新しい本。
阪神淡路大震災の朝から話が始まる。
震災で住むところも親も亡くした少女たちと奥飛騨の森の中の別荘で暮らし始める。
同じ怖さを体験した者同士が大自然の中でお互いを必要としながら癒されていく…
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奥飛騨の山荘へ、震災で家族を失った、かつての隣人の三姉妹を引き取った希美子。さらに姉妹を頼って来た七人の少女も受け入れることに。ある日、カナ江にまつわる衝撃的な噂を聞いた希美子は、山荘の森にある巨木“大海”の根元から不思議な水差しを見つけた。なかには、一通の封書と、小さな骨が…。希美子はカナ江の謎に満ちた生涯を追う。喪失した魂の復活をうたう大作。
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阪神淡路大震災があったその日、主人公の人生も音を立てて崩れ始める。
不幸な経験をした彼女がまわりの人々と関わりながら再生していくストーリー、
宮本輝、王道の小説です。
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最初とっつきにくかったけど、一気に引き込まれた。みんなの奮闘ぶりに、ドキドキハラハラ。「負けるな。頑張れ」と応援しつつ、ページをめくる手が止まらんかった。
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宮本輝の小説は、読後が本当にすがすがしくなる。
阪神大震災を被災した主人公が、夫の浮気が原因で離婚し、
知人の独居老人から相続した飛騨の山荘での生活を開始する。
そこには、被災した震災孤児の三姉妹や、その三姉妹を頼ってきた家出少女があつまり、それぞれが山荘で生活していく中で生きていく道を模索していく。。
という話の中で、
戦時下の政略で恋人との関係を引き裂かれ、その恋人との間に命を受けた子供との間も引き裂かれてしまった、悲しい親子の話も織り交ぜられていく。。
読んでてストーリーに引き込まれ、ついつい電車の降りる駅をも忘れてしまうような、いい本でした。
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宮本輝さんの作品はいつもそうだと思いますが、すごく流れやリズムが良くて一度読み始めるとやめられず、一気に読んでしまいました。
下巻に出てくる「森は木を拒まず、海は川を拒まず」という言葉にとても惹かれました。
他にも素敵な言葉がたくさん詰まっていて、何回も読み返したくなる作品です。
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毛利のおばさまの謎が明らかになってスッキリ(^^)ただマロングラッセの作り方が謎のまま…(--;) 古典や料理に陶芸など色々な事が話の中に盛り込まれていて、とても楽しい♪宮本輝さんの他の作品も読んでみたくなった(*^^*)
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上巻とは打って変わって、こちらはほぼ一気読みだった。
希美子を始め、登場人物の面々がなんとも生き生きと、そして気持ちよく、前巻のどこか鬱屈とした雰囲気から解き放たれていく。
ところどころ影がちらりとするが、それは光と対をなす物としてなければならない影といったもので、決して胸に引っかかるものではなかった。物語が確実に「再生」へと向かっている証拠のような…。
上巻ではとても頼りない女性だった主人公の希美子も、下巻ではまるで人が変わったように逞しく賢い女性へと成長していく。
様々な出来事に意気消沈していたが、やがてそれを受け入れ、飲み込み、包み込んでいく…。そうすることでしっかりと根を張り、太く強かに育っていく様は物語の鍵となる巨木「大海(ターハイ)」の姿そのものだった。
読み終えた後、とても清々しい気分だった。
これは「ここにレビューを書きたいな」と思った。
うまく伝わるかわからないけど、やっぱりあの「青が散る」を書いた人の作品だったのだと、「青が散る」を読み終えた時の気持ちを思い出せたことで強く感じた。
ただ…希美子の2人の息子をもっと物語に出して欲しかった。
年齢的に物語に絡ませるには難しい年齢だったのかもしれないけど、彼らも間違いなく傷付いた人間だった。
あるところから希美子が息子達となかなか向き合える時間がなくなるのもわからないわけではないけど、セリフが全くなくなってしまっては…。
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宮本輝の小説を読むと、いつも「人生」ってことを考えさせられる。そして、「豊かに生きる」ってことに憧れさせられる。言わずもがなだけれど、ここでいう「豊か」というのは、物質的な豊かさをさすのではない。
現在、38歳。
自分の人生の長さを知ることはできないけれど、日本人の平均的な寿命から考えれば、人生の折り返し地点あたりにいるのかなぁと思う。歩いてきた道を振り返ってみれば、世のため人のために何ができたかと言う軸から考えると誇れるものはないけれど、自分が自分に向けて言うのであれば、「なかなか良い人生を送っているね」と言える。幸せだなとも思う。
でももっとこの先に何かあるんじゃないか、
「豊かさ」や「幸せ」の定義をもっと拡げられるんじゃないか、
そんなことをたくさん考えさせられる。
宮本輝の小説は大好きです。
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宮本輝さんの作品は読みやすいです。大地震という自然の脅威を癒すのも大自然なのかな。人間同士でも傷つけるだけでなく、優しくお互い成長できるようになりたいと思わせてくれました。小説の内容とは関係なくちょっとした知識として勉強にもなりました。全体的なストーリーとしては消化不良なかんじが残ってしまったのが残念。
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これは逸脱
様々な境遇にあっても
前を向いて徐々にすすむ
そして信念を曲げない
つらぬいて生きる姿
全てを受け入れて動じず
全てを包み込んで動じず
素敵
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ふーむ。最後まで マロングラッセの作り方が
わからなかったなぁ。
蒸して 繰り返し はちみつにしたすことで
作り上げる。
でも、スパイスは何を入れたのだろうか?
半田葉鬼の 人生が とうとうと 語られた。
昭和元年うまれの 人生は
時代という制約でほんろうされている。
まぁ。おじいさんに近いのだから
そんなことを 問題にしてもしょうがないことだが。
阪神大震災によって 親を失った
子供たちは 確実に 成長する。
そのなかで 希美子も 癒されて 自信を持っていく。
魔風が 陶器の世界に飛び込み
漫画家、モデル そして 炊き込み屋。
たくさんの可能性をもって 鳥は すだつのである。
森の中の 大海。
そこから 鳥たちは 飛んでいくのだ。
平家物語が からむが そんなに意味はないのだろう。