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■秘密を抱いた青年と1匹の相棒の旅の行方は__?
子供の頃から日本各地に引越しを繰り返してきたサトルは、相棒猫ナナを連れて、懐かしい人々を訪ねる旅に出る。家業を継いだものの妻が家出中の幼馴染、今や立派な農業家となった中学時代の親友、高校・大学の同級生同士で結婚してペンションを営む友人カップル……行く先々で思い出を語る時間は、サトルとナナを迎える人々の胸の内にもささやかだが大切な変化を芽吹かせてゆく。そして旅の果てに1人と1匹が見る風景とは。現代最強のストーリーテラーが贈る、光あふれる傑作長篇。
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ひょんなことから飼い猫ナナの引き取り手を探すことになり、色々なところを車で旅する物語。猫視点で書かれているところなど、笑ってしまったり。
ナナと悟の心の通じ合ってる感じ、物語後半に行くにつれて感情移入してしまい、涙。
ほっこり、有川ワールドでした。
私はどちらかというと犬派ですが…猫もいいなと。
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猫が主人公だと聞いていたので、有川さんが動物の視点をどう描くのかが気になって手に取りました。
心の声という形とはいえ、最初は猫が人語を完璧に操ることに違和感を覚えました。
ですが、章を読み進めるうちに馴染んできて、最後の章にもなるとこいつニクイやつだな、と仄かな好感をもてるようになりました。
物語全編を猫が語るわけではなく、飼い主であるサトルの訪ねた旧友が主観的に過去を回想します。
見方を変えれば、登場人物総員によるサトルの追想録とも言えるかもしれません。
サトルいい奴なんだな…それがひしひしと伝わってきます。
阪急電車もそうですが、多角的な視点からひとつのモノや人を浮かび上がらせるのは、有川さんのお得意なのかもしれませんね。
人間関係のぎくしゃくした感じや、自分の嫌な部分を見つけてしまったときの動揺など、ちょっとしたわだかまりも描かれていて、爽やかな部分といい対比を織りなしています。
猫の習性についても、「ああ、あるある」と頷きながら読みました。
猫が布団の上を歩いていくときの擬音なんかはとってもしっくりきました。
犬も出てくるので、犬猫が好きな人は共感できるところがあるかもしれませんね。
風景描写も沢山散りばめられているので、ネットの力を借りて写真を見ながら読むとより楽しめるかもしれません。
舞台化よりも、映像化に向いた作品な気がしますね。
今度猫に出会ったら、もうちょっと優しくしようと思える作品です。
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泣けました。
猫好きだから余計にかな。。
サトルとまわりの人たちの人柄、ナナの仁義?ある性格。
ベタだけど、語り口が良いんだよね。
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☆3.6
ある事情により、飼えなくなったネコのナナの新しい飼い主を探して、旧友を訪ねるサトル。その旅の様子を、ナナの視点から描いた物語。
恋愛物ではないので、「甘ーーーーい!」と叫んで砂糖を吐きたくなるいつもの感じがあまりなかったのがよかった!ちょっとクサイ、というか、狙いすぎ・・・な表現はあったけど。
サトルがナナを手放す理由もだんだん明らかになって、「ああそうなんだ、やっぱりね」という気持ち。わかっていたけど涙ぐんでしまうのは歳だからかなー。
ああ――僕らは本当に本当にたくさんのものを見たね。
(中略)
――僕のリポートはもうすぐ終わる。
それは決して悲しいことじゃない・
僕らは旅の思い出を数えながら、次の旅へと向かうんだ。
先に行ったひとを思いながら、後から来るひとを思いながら。
そうして僕らはいつかまた、愛しいすべてのひとびとと地平線の向こうで出会うだろう。
p270
猫を飼っているためか、最近猫に関する本を選びがちになってしまう。
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サトルとその飼い猫のナナが、とある事情からナナのもらい先を探す旅のお話。ナナ視点で語られる場面の可愛さとコミカルさが印象的で、それと同時にサトルの友人達との会話の中で徐々に明らかになるサトルの生い立ちや事情。あたたかい言葉で描かれるその内容に涙、笑い、安堵といろんな感情で満たされた。
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ナナと悟との出会いから始まりますが、悟の事情で
ナナをどうしても手放さなければならなくなり、
ナナを連れ昔の友人を訪ねる旅に・・・。
過去の悟と友人との話や昔の飼猫の話などが描かれていて
初めのうちは楽しく読んでいたのですが、読み進めていくうちに
悟の事情が徐々にわかり、最後のほうではすごく切ない
でもあたたかい話になります。今作品も以前まで読んでいた
有川さんの作品『有川さん作品=ベタ甘ラブコメ』みたいな
感じだろうなぁ~となんの予備知識もなく読み進めていた為、
わたくし電車で読んでいたのですが、最後の方はなぜか
目が潤んで読めませんでした。そうなんです、電車の中で
目から溢れんばかりの涙をため読んでました。
あぁ~このこと知ってたら家でゆっくりよんだらよかった。
発売日に購入してから、読む暇がなく少したってから
読んだのですが、今年中に読めてほんとによかったです。
すごくいい作品だと個人的には思います。
そして犬派だったわたくしも少し猫が好きになりました。
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鍵しっぽの雄猫ナナと飼い主との旅リポート。旅の中で懐かしい友人を訪ねて行く。せつなくてちょっとおかしくて、さいごはしみじみ優しい気持ちになりました。
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サトルがある事情によって飼えなくなってしまった
ナナ(猫)の新しいお家を探しにいくことから
銀色のワゴンに乗っが二人の旅が始まります。
サトルとナナの出会いや、
実はナナが昔飼えなくなった猫ちゃんに
そっくりだった話や、
サトルの友達との過去の話が
ナナ(猫)目線で描かれていてかわいらしい。
このナナちゃんが本当の猫ちゃんっぽくて(笑)
本当にかわいい。かわいい。
が、途中から…涙なしには読めない。
タイトルも可愛かったので
ほのぼのした話かと思っていたのに
そもそもサトルがナナを飼えなくなった理由…。
まさか二人がこんな最後になるとは。
でも最後の最後までナナはナナで、
寂しいけど悲しいけど、ほんわか暖かい気分に
なるお話。これは有川浩さんの優しさかな。
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元野良猫ナナ(♂)と彼の飼主・サトル。サトルののっぴきならない事情によりナナを飼い続ける事が困難となり、ナナを飼ってもいいよというサトルの友人宅までの旅をナナの一人称でリポート。また、友人たちの思い出話は彼らの一人称で語られる。
ナナの語りが面白く、自分も猫派だから共感出来たり「こんな事本当に思ってそう」と頷ける。ご縁があったらまた猫と一緒に暮らしたいな~。
展開が読めて後半は案の定泣けたけど、心が素直にあったかくなれた話だった。途中児玉さんを登場させたりニクイ演出も。
ありがとう、有川浩。あなたの作品が楽しみすぎて絶対初回は勢いで読んでしまい、2回目でやっと落ち着いて読めるのです。これから2回目に突入してじっくりこの世界を味わいます。
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最後から2番目の章あたりから、ぼろぼろ泣いてしまった。
主人公は男の人と雄猫。
雄猫の語り口は本当に猫っぽくて、生意気で気まぐれでとってもかわいい。
まさに『猫がしゃべり出したらこんな感じ』。
彼らの旅は本当に素敵で、もっともっと旅を続けて欲しいと思った。
主人公の男の人はとっても優しくて人懐っこい人。
人懐っこさは雄猫以上!
その人懐っこさや、優しさが、素敵な人を呼び込んでいる。
他の登場人物たちは彼のことが本当に大好き。
彼も他の登場人物たちが大好き。
最後に彼が他の登場人物を引き合わせるところも本当に素敵。
相思相愛で、彼も他の登場人物も素敵だからこそ、この最後があるのだと思う。
とにかく本当に本当に素敵な本でした。
2012年の有川浩先生のキャンペーン(詳しくは帯で)の3冊の中で、私はこの本が一番好きです。
購入を迷われている人がいるのなら、是非買ってほしいと思います!
おすすめします!
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直筆サイン入りの本をげっと。久しぶりに本読んで泣いた。ただ猫と旅に出るだけのお話だと思ってた。大事な家族を手放そうとした、あとからわかってくるその理由…ナナといっしょに見てきた風景、人々の様子。まさに旅猫リポート。リポートは悟の小学校→中学校→高校の同級生のもとを訪ねる、ある意味時系列順にたどってたのか。ナナと悟、一仕事終わったら、また会えるかな。
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小学生の頃の友達、中学生の頃の友達、高校生の頃の友達を訪ねて歩く、悟の人生を振り返る旅行だったのね。それぞれの時代の思い出が、それぞれ、辛い思いと、楽しいことが合わさっていて、それぞれのエピソードが胸に響きました。そして最近の有川は恋愛要素が薄くなり、親子関係がクローズアップされる。成人してからも親の言動で困っている人はやっぱり一生抱えていくしかないんでしょうかね。
杉の行動はありえません。自分より魅力のある友人に、自分の想い人が引かれていくのを友人側からじゃますするのは女性の行動。男は大抵身を引いて、別の娘を捜します。夏目漱石のこころだって、友人の邪魔をするんじゃなくて、抜け駆けをするんじゃないですか。
なんかそんな感じはしてましたが、やっぱり悟を癌にしちゃったのね。でもね、死に向かう病気を抱えた人は、その不安を自分一人で抱えるのは大変なのよ。だから、友人の所を訪ねて歩いたら、絶対に隠しておけず、しゃべってしまう。人間はそんなに強くない。いくら自分が親に捨てられた子でも、そんなには強くならない。
でもどうしてナナを雄猫にしてしまったのだろう。雌猫にすれば、好きな男の側に最後までいたいっていう、綺麗な恋愛小説になったのに…でもそれじゃストーリー・セラーになっちゃうか。
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神様は突出した人間を嫌う。だから優れた人間や良い人ほど早く連れて行かれてしまうのだ、という話を聞いたことがある。
だからサトルは神様に連れていかれたのだ。
ナナは、有川作品ではお馴染みのツンデレキャラだ。だからこれはサトルとナナのラブストーリーなんだと思う。
読みながら思ったのは、どうして作者はサトルにこんなに過酷な人生を与えたんだろうということ。サトルの内面は書かれていない(外側に出た言葉とか行動しか書かれていない)ので、彼が本当はどんなふうに思っていたのかは最後までわからない。
あんなふうに、魂の存在になってからも逢えるのなら、別れは辛くない。少なくともナナにとっては、人が感じるような悲嘆はなかった。
サトルの人生は不運だったけれども、主観的には幸福だったのだろうか。
不器用なおばに傷つけられても、それを喜びに転換できる能力は、あまりに痛ましくて切ない。
何の説明もなく一人と1匹の旅が始まるので、最初は甘い話かと思うのだが、途中で理由がわかってくる。これは「舞踏会の手帖」のバリエーションなのだ。銀色のワゴンは、重松清さんの「流星ワゴン」を思い起こさせる。
舞台は、そうそうたるメンバーで上演されるようである。観てみたいような、観なくてもわかりそうな、複雑な心境だ。
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猫好きで 有川さん好きなら 間違いなく感動します。『星守る犬』のネコバージョンといった感じ。読後 我が家のネコを思いっきり抱きしめたくなりました。号泣必至です。