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老博奕打ち 物書同心居眠り紋蔵(五) みんなのレビュー

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一般書

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みんなのレビュー3件

みんなの評価4.3

評価内訳

  • 星 5 (2件)
  • 星 4 (1件)
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  • 星 1 (0件)
3 件中 1 件~ 3 件を表示

紙の本

居眠り紋蔵の特殊能力が事件を解決し、周囲がその力を当てにする

2010/01/09 19:05

4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:toku - この投稿者のレビュー一覧を見る

居眠り紋蔵シリーズ第五弾。
全8話からなり、今回はシリーズを通している時間の流れの中での変化は殆どないので、各話完結の短編色が強い。

そして紋蔵の特殊能力?が、登場人物たちに認知されつつある雰囲気ができあがってきている。
『老博奕打ち』で定廻りの大竹金吾が

『紋蔵さんは見当違いなことをやっていながら、意外や意外、犯人を捜し当てたり、事件の真相を探し当てたりと、不思議な力を持ち合わせている』

と言いい、『烈女お久万』では江戸の演劇界を背後で牛耳る不動岩の話しとして、人宿を営む捨吉が

『不動岩は安藤覚左衛門さんから、居眠り紋蔵は厄介な事件を解決できるなにか異様な能力を持っている、とかねて聞かされていたそうなんです』

と、上司の安藤覚左衛門にはじまり、大竹金吾、不動岩、捨吉たちが、紋蔵の能力に気づき始めている。
読んでいる方でも、今回も見当違いに動いて事件を解決してしまうのか、難題を解決してしまうのか、と紋蔵の不思議な能力を期待しつつ、読み進めていることに気づく。

当人はそういう能力を知ってか知らずか、好奇心だけで事件を嗅ぎ回ったりして問題が解決してしまうから、また面白い。

このシリーズは、所かまわず眠ってしまう奇病以外、主人公に目立った特徴もないのに、読み始めると、すぐに紋蔵ワールドが頭の中に広がり、その世界に吸い込まれてしまう不思議な魅力を持った作品だと思う。
やっぱり紋蔵を取り巻く、特徴のある脇役の人物たちが、この世界を作っているんだろう。

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紙の本

伝六め!!

2011/03/04 19:45

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:saihikarunogo - この投稿者のレビュー一覧を見る

>「ねえ、旦那。旦那は鰻切手、まだ使っておられないのでしょう」
>「鰻切手とは?」
>「あの日の帰り、すすきの女将が、一分の鰻切手です、落とされないようにと、旦那に差しだした切手ですよ」

この野郎!伝六、おまえなんか、馬に蹴られて死んでしまえ!ずうずうしい、あつかましい、何の縁もゆかりもないのに、捨吉が紋蔵に鰻を御馳走しているところに乗り込んできて、自分が被るべき責任をのがれたいがゆえに、無理矢理、理屈をくっつけて捨吉に相談をもちかけながら、しかも、鰻を奢らせたうえ、紋蔵の食べ残しまで、自分のために折詰にさせて、そのうえさらに、たまたま捨吉と話をしていたのが八丁堀の同心だと知って紋蔵の家まで来て、自分の話を聞くように押し付け、聞いたからには自分の頼みをきかなければならないとごね、紋蔵が断わると、逆恨みして、捨吉の子分を騙していかにも紋蔵が許可したように言いつくろって手伝わせ、伝六が身元保証人になってやったのに行方をくらました女を見つけ出してつかまえて番屋に突き出し、その女は夫のある身で夫以外の男の家にいたのでこのままでは二人共死罪になるので、紋蔵が余計なことをしたという悪い噂が奉行所内に広まり、そうと知った捨吉の子分が伝六をつかまえて紋蔵に突き出し、紋蔵は伝六を連れて密通した女の夫のところに案内させ、その夫というのは妻に養われていて、妻が死罪になると暮らしに困るので、紋蔵が妻を助ける工夫を授けてやったところが、その工夫では、その、妻に養われている男は、痛い思いをしなければならないので、ためらっていると、伝六が、言うことをきけば紋蔵が鰻切手で食べきれないほど奢ってくれる、おまえが食べ切れなければおれも手伝ってやる、と、どこまでもずうずうしく、口を添えるのだ!!

ここまでずうずうしく、あつかましいと、気持ちが悪くなる。周囲の出来事に聞き耳をたて目を皿にして、何が何でも取っ掛かりを作って人にまつわりつき、自分がとるべき責任をとることができないことをすまながりもせず、当然のように人に押し付けて労を尽くさせ金を出させて、相手がどんなに迷惑がろうがてんで応えない。気持ち悪い。こいつの気持ち悪さのせいで、他のおもしろい話の感想がふっとんでしまうほどだ。

この短編集の最初の作品には、同心の処世術が解説されている。

> 馘になっても食っていけるだけの賄賂を持ってこい、でなければ危なっかしくって賄賂など受けとれるか、受けとっても割に合わぬと手付はいったのだが、これがまさに紋蔵らが心しなければならない処世の基本だった。

ここで「手付」と言っているのは代官所の役人のことである。奉行所の与力や、定廻りや臨時廻りなどの町に出る同心は、付け届けを受け取るのは当然とみなされていたが、限度を越えて賄賂をとると、罰せられた。だが、与力のなかには、罰せられても、それまでに溜め込んだおかげで、職を離れても悠々と遊び暮らせるという、豪の者もいた。町に出ない、内勤の同心は、もっと厳しく、賄賂をとることを禁じられていた。

紋蔵は付け届けもなく賄賂もとらず、貧しいながらも、同僚と酒を飲んだりしてそれなりに楽しく暮らしているようだが、どうも、奉行所の役人などよりも、人宿の主の捨吉や、老博奕打ちの仁吉、掏摸の元締の喜助、江戸の演劇界を背後で牛耳る顔役の不動岩五郎、などの、「親分」と呼ばれる男たちのほうが、ずっとかっこよく、潔いように見える。文吉が、不動岩の息子を兄貴と呼んで、将来は侠客になる、と決心するのも、無理はない、と思われる。

しかし、紋蔵は、文吉にも、将来、同心の株を買ってやるつもりなのだ。不動岩のところに文吉が入り浸るのをやめさせるために、紋蔵は、わざわざ、仕事を休んで、まずは、妻の里とふたりで、文吉に説教し、文吉の決心が固いことを知ると、不動岩のところに出かけて行って、引っ越してくれ、と頼む。

これまた、当時の演劇界についての解説があるのだが、中村座、市村座、森田座の三座は、八丁堀を挟んで南北にあり、与力同心たちへの付け届けもしていた。不動岩も八丁堀に住み、筆頭与力の安藤覚左衛門ともツーカーの仲。

うちの息子の教育に悪いから引っ越してくれなどという頼み、きいて貰えるはずがない。ちょうどそのとき、大店の後家さんに囲われている役者の家が、町の素人火消したちによってぶっこわされ、騒ぎが大きくなって、不動岩と、火消しの親分とが、一触即発の危機に。双方合わせて何百人もの子分たちが戦えば死人が出る。この事態を、紋蔵の知恵で解決できたら引っ越すとの不動岩の申し出を、捨吉が紋蔵に伝える。

まあ、紋蔵はみごとに解決するのだが、それを喜んで、捨吉が鰻を奢ったところへ、伝六の登場だ。紋蔵は、鰻切手を仏壇の奥に隠しておいて、休みをとって家族みんなで食べに行こうと思っていたのに!伝六めー!!

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2018/09/27 20:46

投稿元:ブクログ

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