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流行病の怖さを考えて、ぞっとした。利己的な自分の身に置き換え、体力をつけたい、たとえ病にかかっても、回復して生き残りたいと思いながら読んだ。けど、生き残った果てに起きること、感染しないことで起きること、どのパターンも想像しただけで辛い。
少し世界がみえてきたところで終わってしまったので、続きが気になる!!!
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口蹄疫が猛威を振るうそして新型インフルエンザも
記憶にあたらしい2010年5月であれば
昔々のエボラ出血熱などの話より
パンデミックの恐怖は想像しやすい。
一部ハンセン氏病に対する愚策を感じる場面もある。
羊、フェオとともに第1巻で最後に語られた
医師団、救世群、亡霊に触れられたのであれば
これから8巻の間に抗した、深く恨んで隠れた救世群と
六勢力の話があるのだろう。
医師団とチカヤがかかわるのか興味深いが
次はアウレーリア一統とか。
完結まで気長に待つしかないのだが
咀嚼者が何処でどのような形で現れるのかが一番の興味。
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「天冥の標Ⅰ」は植民星メニー・メニー・シープでの話であった。大きな変化が起こるメニー・メニー・シープ。忘れ去られていた過去・・・。今回、話は西暦201X年に発生した謎の疫病と人類との戦いへと遡る。国立感染症研究所の児玉圭伍、矢来華奈子たちの治療、調査活動は続く。しかし、有効な治療法のない未知の強力な感染症による被害は広がる。たとえ回復したとしても、ウイルスが体内から消えない感染者。自然宿主の謎。これらは人類の運命を大きく変えることになるのか。回復感染者である檜沢千茅たち。フェオドール・フィルマンのプログラム内被展開体フェオドール・ダッシュ。これらはメニー・メニー・シープにどう繋がっていくのか。様々な布石が感じられる本作品は、このシリーズ必読なのかもしれない。
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医者って言うのはとんでなくやるせない職業なんだなぁと思います。それと同時に、集団の力の恐ろしさの断片を感じたように思います。
個人の声が黙殺されたり、政治や外交の問題なんかが絡んでくると、事実が捻じ曲げられてしまったり、故意に視点を別の方向へと持っていかれたりするんだな、と改めて思い知らされます。
それと同時に、新聞やニュースを額面通りに受け取ることは、おそらく、無知と変わらない様にも感じます。
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あまりの臨場感に本当に冥王斑という病気が実在するような気がして、セキをしている人をみるだけでどきどきしたり・・・。
舞台が現在に近いのと、いろんな伏線で徐々になぞが解けてきたりと、これからに期待がもてる。
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冥王班の始まりの物語、現代地球でのパンデミックに人類が立ち向かう、でもその正体と、データ上のパーソナリティの正体は?どちらの謎も1巻に繋がると思うとまだまだ途中いろいろありそうだけど、楽しみすぎます。あぁこの名前がアレにつながるんだなぁと想像して大長編の醍醐味が味わえますね。
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シリーズ2作目ですが、どこから読んでもいいって聞いたのでまずこれから。未知のウイルスによるパンデミック。医者と患者それぞれの思い、既得権争いや差別など緊迫感をもって描く一方で、太平洋の島土着の信仰を絡ませたり、この人ほんとこういうのうまいね。
断章の部分を無視すれば、独立した物語として読めるが、シリーズ通して浮かび上がるスケールの大きな物語も用意されている様子。楽しみ!
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第一巻を読み終えてからすぐ第二巻をよんだが、今度は現代を背景としているので、第一巻より感情移入しやすくて読みやすい。
人にすすめるならばこの二巻から読まれることをオススメする。
こちらも第一巻同様一気に読了。色々と第一巻との関係も気になるところではあるが、それはこのシリーズを読了してからとなるのかな。。
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こんどは現代地球でのパンデミック。
医師たちと政府の動き、ウイルス保有者の差別と隔離、とまぁてんこ盛りです。
これを、描ききってしまう力業は凄い。
「冥王班」「プラクテイス」「リエゾン・ドクター」のことの一端が明かされます。
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前作の続きというわけではないようだが、前作の伏線になる作品のように感じた。実際こんなウイルスが存在したら世の中小説以上に大パニックだろう。
病気というものを通した人間の心理などがとても良く描かれていて、思わずのめり込んでしまう作品だと思う。ラストシーンも次の作品を読みたくなるようなうまい描き方だと思った。医学関係の柱に人間模様がうまく絡み合っており、読みやすく自分好みの小説である。
檜沢千茅という女子高生が感染を通して変わってゆく心理描写が、特に印象的。この後どうなったのか、この人物が後の話で再び登場するのか知りたいところだ。
しかし、先は長そう...。
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全 10 巻が予定されているシリーズの第 2 巻。
前作は遠い未来の異星での物語であったが、
今回は一転、現代の地球での物語で、繋がりが見えずに戸惑う。
本作はパンデミックものなのだが、
しっかりと書き込まれており、この巻だけでも納得の作品。
前作との繋がりらしきものも幾つか垣間見られる。
素晴らしいよ、このシリーズ。
今後物語はどう展開して行くのか。
全 10 巻を読み進むのが非常に楽しみだ(まだ第 3 巻までだが)。
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突如猛威を奮いだした未知の病原菌と人類の戦いの話。
天冥の標1巻が円宇宙開拓独立戦争的で、しかもすごいところでぶった切ったものだから、2巻がこれで大いに驚きました。
後書きで言っていた驚きというのはこういうことか。
ただこれはこれで、現実世界に要素が一つ加わることで人間がどのように生き方を変えるかの一面で、かなり興味深く読ませていただきました。
彼の作品の特徴として、女の子がちょっととんでもなくひどい目に遭うというのが印象にあるのだけど、今回のはまた実に格別。
取り返しがつかなくなってから思いが通じていたことが分かるとか、児玉は尊敬に足る良い男だと思うけど、ねじ曲がったしまった筋道を伸ばしなおすのは本当に大変だ。
このお話もこれだけで完結していると言えば言えるけど、やはり10巻のなかの1巻であってほしい余韻の残り方で、1巻の千切れ方と合わせて、早く続きが読みたいところ。
構成力には全幅の信頼を寄せている作家だし、10巻そろった時の着地が、恐ろしくも楽しみです。
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小川一水「天冥の標Ⅱ」を読み始める。小川一水作品は意外と久しぶりかもしれないな。比較的軽快に始まっているけれど、これから大変なことになるんだろう。ちなみに、私はⅠは未読で、Ⅱから読み始めているw
パンデミックもので、科学的な説明もあるけれどくどくない。女たらしでも死ぬ気でお仕事するお医者さんも格好いい。
ヒロイン的なポジションの女の子が17歳なのが、また小川一水は...と思わざるを得ないw それこそ、第六大陸のヒロインなんて最初は幼いからなぁw ハードSF作家であり、相変わらずロリコン作家であるw
小川一水「天冥の標Ⅱ」読書中。まっとうなパンデミック小説を読んでいたつもりが、断章でえっ!いいぞもっとやれ。
パンデミックを軸にして、細かいイベントや人情話なんかのエピソードを入れてきている。読者を飽きさせないこういう配慮は、エンタメ小説として素晴らしい。
小川一水「天冥の標Ⅱ」読了。ラストの展開は何ともやるせない...。そして、展開としてはパンデミックものから、終盤はシリーズ全体に関わるお話に。今後のシリーズでは、閉鎖された社会がどう発展していくか、なんてお話もあるかしら?
この1冊だけでも十分に楽しめるけれども、このパンデミックが発端となって、どの様な話につながっていくのか、やはり気になって仕方がない。てな訳で、やはりⅠの「メニー・シープ・シープ」も読むことになりそうだ。
おそらくシリーズとしては遠大な規模のSF大作になるのだろうけれど、SFに興味がない人でもこの2巻あ楽しめるはず。小川一水作品の中では、SF要素はかなり薄いので、始めて小川一水に触れる人にはいい作品じゃなかろうか。
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1巻以降「登場人物一覧」がついてないのは、「・・・・え、この人この時代からいるのかよ!何者だよ!」とか「どっかで見た名前だな・・・って、ここに繋がるのか!お久しぶりです!」とか、そういう楽しみのためなんじゃないか。という邪推。
表紙が怖い。1巻読み終わってそのまま買いに行ったのでぞっとした。この病気が最終的にどれだけのことになるのか、1巻を読んでいると薄々わかるので。
それにしたって、始まりがこんなことだ、ていう衝撃がじわじわと来る。
状況が悲惨に転がっていくほど描き方が淡々とえげつなく、かといって悪意ではなくて届かない努力がしんどい、という。
生き残った人の闘い、というのはとてもひきつけられるテーマでもあるんだけども、少数派になって邪魔にされて実際に危険な存在で、それでも誇り高く、それでも、という流れが容赦なくちょっと優しくやっぱり容赦ない。
ウイルスや「禊」、防疫の話が、今までほとんど興味を持たなかった分野で面白かった。
最後に立ちあがる彼女が凛々しい、というにはうっすらと黒々と不気味でそれでも間違いなくとても強い、少なくとも間違ってない、と信じさせてくれる、のは希望になるはずなのに・・・・そのあとにくる「救世群」の名づけの不吉すぎる響きが残る。
「彼ら――防疫関係者にとって、これは敗退だった。彼らは長い歴史を通じて、感染症患者の隔離を解消しようと尽力してきたのだ。病人も市民であり、できるものなら健康な体に戻して、それまでの暮らしに帰してやりたい。しかし冥王斑は理想の通じる相手ではなかった。彼らは苦汁を呑んで決断した。混乱する世界に平穏を取り戻すためには、犠牲を強いるしかないと。」
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一巻とは打って変わって、現代と近い、日本のお話。
未曾有の感染症に世界が飲み込まれ、
日本人医師児玉圭吾と、感染者であり、奇跡の復活を果たした會澤千茅がメインで物語が進められる。
ジョプや弥彦、華奈子といった、人間臭く魅力的な登場人物もさることながら、
何より、一巻であまりに謎を残した伏線が、
巧妙に二巻へパスされているのがわかる。
しかし、まだ伏線の謎が解けたわけではなく、言葉の紹介があっただけ、という感じ。
これからますます面白くなって行きそうな予感を残したラストになってます。