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死んだ人間が生き返ってくるという考えられない設定の中、殺人事件が起こる。そして肝心の探偵までもがすでに死者。
設定、シチュエーションの大切さがわかる一冊です。まさに山口雅也の得意とする分野です。
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(裏表紙にも目次にも書いてあるからネタバレじゃないと思うけど)わかっていても、序盤で主人公が殺されちゃう展開には正直ビックリ。ドタバタでコメディっぽい部分もあって、でもしっかりミステリ。殺しても死体として生きてしまう?現象が起きてる世界で、果たして殺人行為に意味はあるのか、と書くと話が難しそうだけど、読んでる最中は素直に楽しめた。
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「犯人は何故被害者を殺したのか」というホワイダニットを扱った推理小説の傑作。なんてたって死人が次々生き返る世界での連続殺人事件なのだから。そして、無類の映画マニアでもある(らしい)作者が描く物語の終わりのシーンは映像的でとても印象深かった。
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山口作品、初挑戦!にして虜になりました。噂はアチコチで聞いていたのですが、ゾンビが探偵をするなんて・・・許せない!と思っていたわけです。だけど、読んでびっくり仰天。面白い面白い。おまけにプロットはしっかりしているし、ラストのフェードアウトがめちゃいいです。泣けましたよ〜。凄いなぁ〜と感心するのは複雑に絡み合ったミスディレクションが解けた時の感動感。気持ちいいんですよ、これまた。
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死者が蘇る世界を舞台にした推理小説。これだけ聞いて、この奇抜な設定に拒否反応を示した人、安心してください。死者が蘇るという一点を除いては、現実のルールを逸脱しない本格推理小説です。 古典的な密室トリックや毒殺トリックも、「死者の蘇り」という要素が一つ加わるだけで、全く先の読めないものになります。 未読の人は是非、ナンセンスな死が渦巻くこの世界に浸ってみてください。
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論理的な推理で解決するお話なんですが、よく楽しめなかったです。登場人物が皆カタカナだったからです。そのせいで人物関係の把握できなくて誰が何を何のためにしてるんだか分らず、しかも状況が掴めないのでトリック?を聞かされてもさっぱりでした。やっぱり論理的推理には読者に理解しやすい、というか簡単な事件の方がいいですね。こう事件、人物関係、状況が複雑だとその論理的推理についていけないです。(まだまだ自分の精進が足りないのか?)
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再読。文庫にして600頁強というかなりのボリュームなので手をつけるのを躊躇ってしまうが、一度読みだしたら止まらない。翻訳調の洒脱な文章で古き良き時代のミステリをなぞりつつも、死者が生き返る空間での連続殺人というなんとも変則的なストーリー。本作を上回るトリックは幾らでもあるが、果たしてこれを凌駕する面白さを有した小説がどれほどあるだろうか。パンク探偵キッド・ピストルズの偉大なる先達が挑む、悲劇にして喜劇、前衛にして古典的、極上の傑作ミステリ。それにしても、ここには死者が多すぎる……!
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ミステリ界の飛び道具、山口雅也ならではの傑作。死体が「生きている」からこその動機やトリックが破綻無く展開されているのが凄い。
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もし本書が「ミステリ差別化」の一作品だとしたら、私は迷わずマイノリティーだとカミング・アウトするだろう。巷の評判についてのレクチャーを受けるつもりはない。センテンスがとにかく長い。しかもくどい。序盤で、「まともに読んでたら途中で必ずドロップ・アウトするぞ」とインプットされてしまったので、読了するため、飛ばし読みと斜め読みを繰り返すしかなかった。こうなれば根比べだ。展開を楽しむ余裕もそんな気もまるでない。流れるように進まなければ、ストーリーに見合うようなスリルもない。ラストは面白かったが、不真面目に読んでても充分理解できるという虚脱感の方が大きかった。処女作品というのはこういうものなんだな。
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日本の本格ミステリの代表作として必ず名前が挙げられるこの本、実は何回か挫折。同一の方向性の西澤保彦には苦労したことがないのですが。
2回完読してようやく判ったような気がする。設定は、死者が甦る事件が多発するアメリカで、埋葬業者一族のドタバタ殺人喜劇といった趣。無論、本格ですから、その設定がルール違反にならないようにして犯人探しが行われます。別に甦らなくても良いのだけれど、今死んだ被害者が状況について証言したりとか通常のミステリではありえないおかしな世界が展開されます。主人公からして、早い段階で死んでしまう(これ裏表紙に書いてあるから書いてます)。自分を殺した理由を考えながら他の殺人事件を追いかける姿は面白くも悲しい。
さて、ドタバタの部分は肌に合わないと読みすすめるのが辛いかもしれません。僕はちょっと合わなかった。犯人探しはこの世界である必然性のある納得感のあるオチですので、頑張って読み進めて、まじめに考えた人は報われると思います。
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ニューイングランドの片田舎で死者が相次いで甦った!
この怪現象の中、霊園経営者一族の上に殺人者の魔手が伸びる。
死んだ筈の人間が生き還ってくる状況下で展開される殺人劇の必然性とは何なのか?
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この本はいたるところで高評価されてます。だけど、は?意味わかんねえから!!
もう途中から飛ばし読みまくりました。
非国民ですか?正直に生きましょうよww
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『このミス1988〜1997 十年間の第一位』ということで、否応なくも期待した作品。
が、本格って自分に合わないのかしらん、と首を傾ける読みずらかった一つとなった。
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長かったでちゅ。
殺人事件が起こりまくり、死者は生き返りまくる。
え。そうきたの?って感じ。たしかに、これが実験的ってこと?
海外ミステリー風味満載。あたしは翻訳系は苦手なので苦痛でした。
やっと謎解きが始まってからは楽しかったけど。
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前半はイマイチ気が乗らず、チビチビと読み進んでいっていたわけだが、中盤に差し掛かったあたりから俄然物語が回り出して、ページを繰る手ももどかしいほどの状態で読了した。
“死者が甦る”なんてイマドキ二流のパニックムーヴィーでも採用しないような舞台装置がそもそも示されているんだけど、そんな荒唐無稽でともすればナンセンスとも思われがちな設定にここまで整合性を与え、“フィクションとしてのリアリティ”を備えた物語を構築するとは、まさに驚嘆の極み、そしてその後に、このような書物に巡り会うことができた僥倖に感謝するのみである!
我々が生きているのと同じ世界を舞台にした“普通の”ミステリーのジャンルに、まさに神業のようなテクニックで“死者が甦る”という因子を完璧に埋め込んでいる。
物語に次元を1つ余分に与え、それが邪魔になるどころかそのおかげでより奥行きのある世界を創り上げていると言えばいいのだろうか。
巧い言葉が浮かばないけれど、とにかく、既存のゲームに新しいルールを1つ追加して、そのゲームをさらに楽しく進化させている、って感じ。
こりゃマンガチックな小説だな、と思っていたら段々とストーリーはシリアスに、そして内包していたいくつもの謎を読者にこれでもかと提示し始め、気が付けば数え切れないほどの大小の伏線が張られており、ガシッと気持ちを鷲掴みにされたまま見事な大団円。
まったくの余談ながら、英米文化に通じているらしい著者の薀蓄や英語を使った言葉遊びも一興。
「作家の創造性のすべてはデビュー作に凝縮されている」という言葉を聞いたことがあるけれど、この本を読んでそんな思いを新たにした。