紙の本
今日からキミもSEだ
2010/06/16 12:50
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:くまくま - この投稿者のレビュー一覧を見る
桜坂工兵は就職活動でプライドをズタズタにされた末、ようやくひとつの内定を得る。希望に満ち溢れて向かった会社で見たのは、死屍累々のありさま。そこは、無理なスケジュールであろうと、降って湧いて来るタスクであろうと、持ち前の体力と知恵を武器として切り開くことができなければ生き残れないという、かの有名なシステム業界だったのだ。
初日からOJTとして部署に配属された工兵が紹介されたのは、見た目は小中学生、スキルは一流のネットワークエンジニア室見立華。性格にかなり難ありの彼女から、事前知識も何もなく、いきなり振られたルータ設定作業に、不満爆発寸前の工兵は、果たして立派なSEへと成長できるのか?その第一歩が始まる。
電撃文庫の出版社にはアスキーという名前も入っていたな、ということを思い出した。小さなシステム会社らしくと言おうか、ひどい条件で受注してきて丸投げる社長や、それを受けて半死半生になる管理職藤崎、様々な職歴を誇る事務担当のカモメ、そして謎を抱えた立華と、一筋縄ではいかない人がいっぱいだ。
マーケティング的にかなりターゲットを絞っている感じがするので一般受けするかはメインキャラたちのこれからの展開次第かも知れない。逆に、業界のあるあるネタを取り込んで、その筋の人にアピールするのもひとつのやり方だろうか?
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すらっと読める
2016/02/22 00:58
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投稿者:泉野麻二 - この投稿者のレビュー一覧を見る
さくっとすらっと読めます。
夏海さんの前作である葉桜が来た夏に比べると軽い文体で一人称中心ですからライトノベルらしい作品です。
社会人1年目ってこういうもんよっていう描写、電話であたふたとかコピー機に翻弄されるなどなど…。
専門的な用語をぶッ込んできているにもかかわらず、なぜか読み進められるという。
SEなら基礎中の基礎なことなのでしょうね。
きっとこれよりも数倍ひどくて救えない話がごろごろしているのがSE業界と聞きますから、せめてフィクションの世界だけでもドタバタコメディにしなければ読めたものではないでしょう。
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IT土方を目指す人は、読んでおいても良いかも。
まぁ、ネットワークエンジニアの話なので、プログラマの土方とは、
また別の次元なんですが。
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確かにSEは実際こんな感じ。
ただネットワーク知識がないと1から10までちんぷんかんぷんだと思た。
SEみたいなことをやったことがある人にはおすすめかな
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流石にここまで立場の酷い現場は見たことないケド……新人時代、配属早々自チームのメンバー全員が遅刻してる時(SEの定時勤務は事実上昼頃から終電までなのです)に限ってトラブって緊急作業が発生して、恐る恐る作業する羽目になったりして、しかもそれが金融系大手のシステムだったりするのは、たぶんこの業界ではよくあることであるから、そういう意味では非常に共感できる書物であった。
しかし、ネットワークエンジニアでないからよく分からないのだけれども、彼らの1プロジェクトというのはこんなに太く短いものなのだろうか?デスマの真骨頂は瞬間的な精神的負担ではなくて、バグがバグを呼びもはや何処がバグの根源なのかもよく分からなくなり、修正が仕様変更と絡み合って本来無影響であったはずの想定外の箇所から新種のバグを呼びもはや何が何だかわからなくなり、延々終わりの見えない状況に陥ってしまう神経衰弱的なところにあるように思え、そういう意味では救いのある状況とも言えそうな、言えなさそうな……。
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やっぱ、SEはブラックなんだな。
専門的な内容はさっぱりだったが、終電まで残業がデフォとかオレには無理
だわ。
主人公はOJT済んでも続けることにしたみたいだけど、それは先輩たちの存在が大きいよね。厳しいだけのオッサンばっかだったら絶対辞めてるだろ、コレ。
立華みたいな先輩は個人的に好き。厳しくても認めるトコは認めてくれるみたいな。甘いだけの人よりやる気でるからね。
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SEとか情報系の大学の人だとなんとなく見に覚えがあるんじゃないだろうか。SEの仕事を簡単に説明した内容である。一応ストーリーという流れで。
なので、あまり小説としてはおもしろくない、あとがきに「SEにだけはなるな」とかいてあるけれども、それを促す内容・・・なんだろうか。
あとはまかり間違って主人公みたいなように就活でダマされない様に・・・という警告か。
たぶん現実は女性がほぼ0なんだと思う・・・
まぁでも人生の選択肢誤らないためには、一読しておくと良いと思います。
という私は来年からSE
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ブラックなIT企業に就職してしまっても室見さんが上司なら乗り切れるような気が、、、いややっぱダメかも?
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自分のいる業界の話なのでスラスラと読めました。
が、私の現状とはまるで違います。ひどい業界とは言いますがここまでとは。まぁ実際はこの本のような会社が多いのでしょうか。
私の職場は残業代や休日手当もきちんと付きますし、有給もきちんと取れます。休日出勤も数えるほどしかありません。ずいぶん恵まれた環境でしょうね。その代償にヒリヒリした緊張感や達成感、持てる能力を全てぶつけるような仕事もないような気がします。
本題に戻すと、内容としてはとてもよくまとまっていてリアリティもあると思います。しかし、こんないい先輩や上司に恵まれることはそうはないと思います。
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SE。それもネットワーク系のSEじゃないかぎり技術用語は理解できないと思われる。
ものすごいブラック会社っぷりが描かれているが、全部フィクションだy・・・と言えなくて生々しすぎるww
ドタバタっぷりは面白い
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地の文で!マーク付のツッコミとかしてて、文体が少し古い印象。
内容的にはまぁまぁだけど、中のイラストが雑。
特に男キャラが雑。
ヒロインはテンプレ的なツンデレで可愛い。
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ネット上で話題になっていたので読みました。
ライトノベルでは珍しい「SE」を扱ったジャンルで、キャラクターの性格や展開は紋切り型な部分が多いですが、IT業界の世界が一種の新しいファンタジー世界の役目を果たしているので、サクサク読める割には面白くまとまっていると思います。
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まぁ、IT業界のブラックぶりに焦点を当ててることを期待して(?)読み始めた自分も自分だけど、中身も予想(期待?)通だった。
日本のIT業界=ブラックのイメージや実体は、みんなもう諦めてて変わりようがないのかなぁ。
日本を飛び出せば、コンピュータ系のエンジニアってもっと知的で、待遇もいいのに...。
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専門的な話は明らかに理解させる気がない感じだけど、社会人版ラノベとして王道でおもしろかった。
二巻がでてるとは。読も。
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平凡な社会人一年生、桜坂工兵は厳しい就職活動を経て、とあるシステム開発会社に就職した。そんな彼の教育係についた室見立華は、どう見ても十代にしか見えないスーパーワーカホリック娘で!? 多忙かつまったく優しくない彼女のもと、時に厳しく指導され、時に放置プレイされながら奮闘する工兵。さらには、現場を無視して受注してくる社長のおかげで、いきなり実際の仕事を担当させられることになり―。システムエンジニアの過酷な実態をコミカルに描くスラップスティック・ストーリー、登場。
(「BOOK」データベースより)
以前、職場のシステム運用の部署にいたことがある。その際、SEの方々と一緒にお仕事をしていた。運用担当のSEさんで、私たちの職場に常駐している。それに加え、新規開発もあったので、開発担当のSEさんと一緒にお仕事したこともある。だから、わずかではあるかもしれないが、SEさんたちの仕事をかいま見ているわけだ。そして、その厳しい労働環境も。そのSEさんたちの会社では、心身不調に陥り休む方や、辞めていく方も多くいらしたらしい。実際に、運用担当SEさんでも、携帯は手放せない。どんなに夜遅くであっても、飲み会の最中だったとしても、現場からシステムが落ちたと呼び出しがあれば駆けつけなければならない。そして、その作業はいつ終わると保証されているわけではないのだ。けれど、翌日の営業日までには何とかしなければならない。あぁ、なんというプレッシャー。
うちの相方は大学で情報工学を専攻していた。そのため友人の多くがSEになっているとのこと。なぜか相方は公務員になったけれど(苦笑)。
さて、そんなこんなで「SE」という職業に非常に興味がある私は、その類の本を結構読んでいたりする。SEというか、プログラマの悲哀を綴った「ブラック会社に勤めてるんだが、もう俺は限界かもしれない」など、すっごく悲惨な物語である。
本書は?
タイトルが「なれる!SE」とあるけれど、これを読むとSEになれるわけではない。そういう指南書と思って読むと、思いっきり肩すかしを食う。就職活動に出遅れて焦った主人公が、藁にもすがる思いで選んだ会社がいわゆるIT企業というやつだ。ベンチャーだけどね。そこに現れる同僚や上司がこれまた変わった人たちばかり。仕事中毒でツナ缶好きな中学生にしか見えない優秀なエンジニアや、普通の女性に見えるのにゲーセンで麻雀がやたらと強いパートさん、営業は自分一人でいいからといいつつ何でもかんでも引き受けてくる社長。あぁ、ブラック色たっぷり。しかし。主人公はPCに関する知識はほとんど無い、といっても過言ではない。いきなり先輩から仕事を振られるが、用語が理解できない。日本語に見えないのだ。そんな状態でツナ缶大好き先輩にしごかれ、徐々にこの仕事に不安と愛着とを持ち始める。
前に一緒に働いていたSEさんが言っていたことがある。仕事辞めたいなぁとことあるごとにつぶやいていた人だけれど、「何かを作り出すことが好きなんだ」と。そうなんだろうなぁ。
職場の開発業務に携わったとき、私は画面のイメージとか、大まかなシステムの動きを決めたりしてい���のだが、それが実際にシステム上でその通りに動いているのを見たときは、すごく感動した。嬉しかった。それなりに苦労したからなぁ。問題にぶつかっても、よりよいシステムを作り上げようとして、もっともっと苦労しているSEさんたちにとっては、それが稼働した瞬間の喜びって半端ないだろうなぁと想像だけど、そう思う。
この本に出てくる会社は限りなく「ブラック」に近いけれど、「愛」があるなぁと思う^^