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・経営者も他の経営者のまねをしているにすぎない。
事例:新聞社は新聞のサイズを小さくすればいいのに、なかなかそうしない。製薬会社のMRも非効率だが、すべての会社がやっているからなくならない。
★全く同感。
・経営が危ないときは、コストよりも売り上げを重視したほうがよい。
・経営が危ないとき、経営者にできることはあまりない。
・ほとんどの買収は失敗に終わる。新聞は買収合戦の勝者を賛美するが、当初の予定より大幅に多い金額を支払うはめになったその会社が果たして勝者なのか。
・アナリストが、この会社を分析対象にする、としただけでその会社の株はあがってしまう。
・無能な研究開発部門でも、他社のスキルを分析するスキルがあるので、持っておくとよい。
・ルイ・パスツール「チャンスは、その準備を整えたところに舞い降りる」
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そんなに(全然?)ヤバくはない。
想像の範囲を超えない。
最近,調子に乗っているなぁ…と感じている経営者等が
戒めのために読むといいのかもしれない。
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「ヤバい経済学」の二匹目のどじょう狙いとおもっていたのだけど、読んでみたら意外に面白かったです。
やってることが「ヤバい」というよりは、今の経営現場で行われていることの問題点をあぶりだすという内容。
特に興味深かったのは次のようなこと。
まず「選択バイアス」、目に見えるデータだけから判断するとダメという話。例えば、革新的なプロジェクトは組織横断的なチームから出るという概念、組織横断的なチームは成功もしてるが、失敗してるものもある。成功している事例だけを調べると誤った結論を導いてしまうということ。
それに、「原因と結果の取り違え」。企業が成功するためには、コア事業に集中すべきという考えがあるが、低迷している企業は、他に儲かるビジネスを探そうと多角化することが多いが、成功している企業は成功している事業に集中するのは普通。つまり、コア事業への集中は成功の原因ではなく結果だということ。
このほかにも、ISO9000は業務の効率性を高めるが、優れたイノベーションは組織のやり方を外れたところから生まれることが多いので、ISOを積極的に導入すると革新的なイノベーションは生まれなくなるとか、顧客の望むものを作ろうとすることは顧客の嗜好を満足するだけで終わってしまうが、真のイノベーションは顧客の嗜好を変えてしまうことだとか、なるほどーっと思われる記述がたくさんあり、目からウロコがたくさんです。
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経営学とあるが、経営についてのノウハウ・ハウツーが書かれているわけではなく、様々な統計からどんな傾向があるかを紹介。さまざまな事例から教訓が得られるのかと思うと、さほどの教訓もなく、結局何を得て、何を残せば良いのだろうかと悩む。
こうすると良くない、ああすると良くないなどトレードオフな話も多いが、最適解は何かもわからず・・・著者も結局は分かってないのでは?じゃぁ何を目的に書いたのだろう・・とさらに分からず。
解答編のないケーススタディの問題集を読んでいるような感じ。
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ビジネス書籍、雑誌、セミナー等でかまびすしく喧伝されている事柄、すなわちビジネスの”常識”が、本当に正しいのかどうかについて、タイトルの軽さに反して、学術的な研究を引用しつつ結構真面目に論じている。
主たるものは、
・企業戦略や意思決定が本当に重要なのか
・得意なものへの集中が本当によいのか
・企業買収は特定の経営者の趣味?
・スター経営者は本当に優秀なのか?
・経営者と取締役の関係
等である。
私自身は経営者ではなく、またビジネス書や雑誌もほとんど読まないが、それでも一般にビジネス界で正しいと言われていることと、実際の企業のデータで検証した結果との違い及びその理由は、組織人としては非常に興味深く面白かった。
ただ、後書きにも書いてあるように、この本を読んだからと言って、ビジネス書等の常識を覆すあるべき経営の姿がはっきり見えてくるかというとそういうものでもない。著者もそこまではデータを踏まえた論述はしていない。
そこら辺はやはりタイトルどおりの砕けた書籍ととらえて、本書で疑問が呈されている常識について、改め考え直すきっかけが得られれば位の気持ちで読むのが正解だと思う。
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・新聞の大きな紙面は、我々にも使い勝手が悪く、実は新聞社にとっても印刷のコストが高い。でもやめない。なぜか、実は18世紀の節税対策のなごり。その税制度は19世紀には廃止されているが、紙面の大きさはそのまま。これを「集団慣性」という。不思議な慣習に誰もが「なんとなく」従う。
・プロスペクト理論。自分が小さな損をするよりも、他の人と同じ失敗をして大きな損をするほうがずっとまし。欧米人にも存在する。
・映画配給幹部が事前にヒットを予想した映画には、より多くの経営資源を投入していた。つまり、そういう映画がヒットしたのは、経営資源を優先的に投入したことが唯一の理由。敏腕経営者の「予言の自己実現」
・「チャンスはその準備を整えたところに舞い降りる」ルイ・パスツール。
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『ヤバい経営学』というタイトルだけれども『ヤバい経済学』とはあまり関係ない。こういうのはビジネス上はありなんだけれどもあまり好きではない。
本書は最後のエピソードに、「裸の王様がいる!」ということだということだ。定説というものを必ずしもそうではないよ、ということで、あまり毒はない。人気があるちょっとした皮肉の効いたブログがきっかけになったらしいが、よくわかる。
例を挙げると、M&Aは大抵失敗する、成功企業がコアビジネスに集中しているのは原因ではなく結果だ、研究開発を持つ利点は他社のまねをしやすくなることだ、長期的な戦略に固執しすぎるな、昔と比べて変化が早くなったわけではない、イノベーションを起こそうとするな、決定しないことがいいこともある、組織改正は目的がなくてもひんぱんにやるとよい、給与格差は業績に悪影響がある、などなど。なぜ、そうかは本を読めばわかる。別に難しいことは何も言っていない。
フレーミングコンテスト、選択バイアス、時間圧縮の不経済、などなるほどねと思うコンセプトもある。
ルイ・パスツールの「幸運は準備しているものに訪れる」(Chance favors prepared mind)を好きな言葉として挙げている。この言葉は自分も好きな言葉だ。そこだけで好感をもてた。
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副題は "世界のビジネスで行われている不都合な真実" ということなんだけれども、まあ、なかなか残念なことが書いてある。"すべては言われているほど合理的でも、体系的でも、効率的でもない。" と。
これまで良いと思ってきたことが、意外とそうでもないことを思い知らされる。例えば選択と集中は、経営合理化の常識的手段だが、うまくいっていない企業が行うと、あとは選択したビジネスがうまくゆくように祈るしかないので、良い手段とは言えないらしい。
話題の経営手法や ISO9000 などの標準化を導入するとイノベーションは減る。そもそもイノベーションは窮鼠猫を噛むのごとく、うまくいっていない時に生まれる可能性が高い。う〜む、経営資源のポートフォリオ戦略なんて、絵に描いた餅ってことか…。(TT)
よくある経営論とは違い、穿った視点から書かれた本書は、読みやすくおもしろいのだが、内容はデータに基づいた客観的事実であり、とても辛辣なものだ。なるほど、不都合な真実だわ…と唸るしかない。
いろいろ常識と思っていたことに別の視点をもたらしてくれたフリーク・ヴァーミューレン氏に感謝。
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小さな新聞紙に印刷するほうがコストが小さいのに、集団惰性で大きな新聞から抜け出せなかった
MR活動の無駄
アビリーンのパラドックス=皆が望んでいない旅行
イカロスのパラドックス=成功体験による自信過剰
ファイアストンとラジアルタイヤ
マーケット・ガーデン作戦
うまくいていないときはイノベーションを起こすチャンス=インデペンデント紙、サウスウエスト航空などの例
会社を大きくしたい衝動=企業買収
時間圧縮の不経済=短期間に詰め込むのは、長期間に渡るよりも非効率的
ほとんどの買収が失敗に終わる、うぬぼれ病のおかげで多額のプレミアムを払うハメになる
全ては自然の出来事の成り行きによる結果
一番成績がいいものは、一番ラッキーで無鉄砲である
アップルにおけるジョブスとスカリー、再びジョブス。役割の違い
女性の経営者全員頭がよく機転が利く。女性はそうでないと出世できない
アナリストは好意的なレポートしか出さない
投資銀行は、企業買収をさせることで利益を得ている
エージェンシー理論=ストック・オプションの正当性
リスクをとったもの勝ち=ストック・オプションによってリスクに積極的になる
カエサルの妻ポンペイアは高潔なだけでなく高潔に見えるように振る舞った=高潔に見えるだけで、価値があがる
企業業績は、予言の自己実現に従う=経営学が自然科学と違うところ
強い企業文化を持っているからといって成功とは限らない。企業文化は硬直化を生む=成功の罠
新しい経営手法は伝染病のように広まる
特許が企業通貨として機能する=パテントシャークの存在
研究開発部門は、効率的に真似をするまたは、真似をするものを見つけることにも存在意義がある=準備している企業には幸運が訪れる
不思議な国のアリスの赤の女王=同じ場所にとどまるためにも全力で走る必要がある
今のビジネスが昔より早く変化している、ということはない
イノベーションを起こすものは、早く死ぬ。
イノベーションは顧客のことを忘れなければ起こせない
顧客は自分がほしいものを知らない
未知のもので、欲しがるものを作りことがイノベーション=フォードの車
イノベーションはラッキーの結果であることも多い
イノベーションは利益のためでなく、利益がイノベーションのため、と考えられないか
チャンスは準備を整えたところにやってくる
決断しないことも重要=流れに身を任せる
サウスウエスト航空は、社員を最優先する、株主ではない。
短期的にはともかく、長期的には社員を優先する戦略が最適
忠誠心や信頼、献身的な労働は一方的なものではなく、社員と企業が与え合うもの。
人間はコミュニティーの一員である利己主義者。
社員の根本的な欲求は、コニュニティに貢献しつつ、自己の欲求を満足すること。
金融危機の本当の原因は、過去の経営の構造的要因と同じ。
職務の細分化と��門化による全体を不可視性。成功による盲目。群集心理。欲深さ=リスク選好性
CSRは儲かるか=企業業績を悪化させるという証拠はない
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イノベーションを起こす企業は早く死ぬ。ほとんど例外なくだ。本当に革新的になりたいのなら、お客さんのことは忘れなきゃいけない。
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久々の当たり。
東洋経済新報社の「ヤバい」シリーズ?という感じだが、もちろん話題となった「ヤバい経済学」とは直接の関係は無い。
「コアビジネスへの集中が強い企業の条件って、単純過ぎない?」「ノウハウのデータベースが悪さをすることもある」「イノベーションを起こす会社は、ほとんど例外なく早く死ぬ」「何度でも組織再編しよう」などなど、普段からモヤモヤと考えていたテーマについて、具体的事例と統計調査を引用して紹介している。
もちろん答えを期待して読むようなものではないが、欧米型マネージメントの常識に対するアンチテーゼで構成されているため、結果的に日本型経営が肯定されている?ように感じられ、面白いだけでなく勇気付けられる一冊であった。
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ビジネスが実際にはどのように動いているか。集団惰性、成功の罠、企業買収病、英雄と悪党の差、仲間意識と影響力。
それって日本の企業の悪弊じゃなかったの? 欧米企業がお手本じゃなかったの?
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経営者のうぬぼれ度やISO9000認証の導入が経営に与える影響など、多くの研究結果を紹介しながらビジネス論を展開している。研究テーマの奥深さに、特にアメリカの経営論に携わる研究者の底辺の広さを感じさせる。
原題は「Business Exposed」、タイトルは「ヤバい経済学」の2匹目のドジョウとのこと。
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「ヤバい経済学」の二番煎じかと思ったら、意外や意外、おもしろかったです。
日々のビジネスにおける素朴な疑問に目を向け、アカデミックな研究を紐解いて、目からうろこを落とさせる―――といったところでしょうか。常識と思っていることを疑ってかかり、別の視点で見ることの大切さを学びました。
タイトルに「経営学」とついていますが、一般生活者の日々の行動にも役に立つヒントがたくさんありました。なので、敢えて私の本棚では「経営・ビジネススキル」にこの本を納めないことにします。
表層的なことに流されるのは危険だ、と説いています。まさにその通りだと思います。
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なかなかおもしろい本でした。経営でみんな何となく思っているが口にされないことなどが言語化され、分析された上で掲載されており、爽やかな読後感さえあります。
<メモ>
・戦略の中の数字は意思決定の材料にはなるが、真実の全てではない。数字は作ることができる。数字は脇におき、あなた自身の感覚と判断をうまく使わないといけない
・お金で買う事ができず、生み出すために多くの時間と労力が必要となり、数字として見えずらいものが、他社との違いを生み出すことが多い。従業員のモラルや評判、企業文化など。見ることも測ることもできないものこそ、育て管理していかなければならない。
・最善の戦略とは全く期待もしていないところから生まれてくることもある。
よりよいアイデアはどこからともなくやってくる。
・業績不振のとき、どんなビジネスであっても、それだけで会社を支えていくには不十分なことが多い。生き延びるために様々な小さな収入源をもっていることが重要になる。様々な収益源を持つことは特定のビジネスへの依存を減らし、リスクを軽減する。調子が悪い会社は大企業との契約を追いかけたり、全く新しい製品や顧客を開拓するべきではない。多くの小規模の会社を狙うべき。たくさんの小さな企業からの売上を重視する戦略は企業の将来に向けた基盤を作ることになる。
・トップに立つ可能性が高い人は激しさや野心のある人。しかしながら、トラブルに巻き込みがちになってしまう。
・経営者が表彰されると、瞬間的に株価はあがるが、その後すぐに株価は下がり、結果的に表彰される前よりも低くなってしまう。期待値を高め過ぎてしまうため、マイナスに働いてしまう。皮肉なものだ。
・優れたリスク管理者は平均リターンが高い正規分布をもっている。ダメな管理者は平均リターンは低いが、分布曲線両端のテール部分が長い正規分布を持っている。このため、最もリターンが高くなるのは、だめなリスク管理者となる。
・アナリストに理解してもらえないと、どんな優れた戦略であっても、評価されず、低い株価になってしまう。ビジネス的には問題があっても、アナリストの気まぐれにつきあい、事業を一つに集中し、単純にした方が株価は高くなる。
・経営者がアナリストに恩を売ることは効果があるだろうか。答えはイエス。アナリストは仕事がしにくくなるため、若干の便宜をはかるようになる。
・高い報酬をもらっている取締役を選ぶことで社長の給料もあがりやすくなる。安月給の取締役が多いと社長の給料も安くなる。
・社外取締役が多いほど嘘も公開しやすくなる
・社内ノウハウを使うと、金太郎飴のようにおもしろみがなくなる。若手の場合のみ有効に働く。
・研究開発部門があることにより、他社のノウハウを流用できるようになる力がつく。
・ビジネスは霧の中で行われている。スピードを落とせばレースに負けるし走りすぎると崖におちる。まわりを走る競合他社をみつつ、適切に勝負をすることが重要
・本当に革新的になりたければ、お客さんのことは忘れなきゃいけない。
本当のイノベーションは顧客の嗜好を変え��こと。
・どう価値を作りだすかはよく考えられているが、なぜそうした価値を作り出せるのかというところは考えられていないことが多い。
・二つの会社の違いを消してしまうと、統合が意味のないものになる、相乗効果が生まれない。有効な違いをしっかりと見出し生かすことが重要。
・組織再編を行い、あちこち動かすのはやるべきこと。はじめは大変だが、コミュニケーションの再構成があり、いろんなところでブレイクスルーがおこりやすくなる。非公式なネットワークをつくったりすることも大事
・組織再編を行う理由 手遅れになる前に過度な権力の集中をとめること、変化に対する適応能力を高めること。
・時間が経つと会社は次第に硬直し、活力がなくなってくる。
・給与格差はやる気をそいでいる。
・2008年の金融危機の原因は職務の細分化と組織の専門化。そして、成功による盲目。
・CSRは企業収益には影響しない。