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読み終えて、あわてて前巻を見返す。そうだった。
進んでは戻り、繰り返す。巻が進むごとに繰り返しが増える。まるで新しい展開が書けないかのようにも感じてしまうが、模倣して繰り返すから意味があったのかもしれない。また繰り返しだと思っているからこそ、気がつくと取り返しのつかないところまで進んでいるのだろう。
確かにこの雄介はまともすぎる。
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「紅い女」との出会いから、ふたたび元の生活に小田桐は、これまでと同じように奇妙な依頼人たちの持ち込む仕事に対処することになります。
まずは、手首の沈んだ水槽のある家に暮らす我妻克己(あづま・かつみ)という男の罪をあばき、毎夜土を掘る音に悩まされるという森本結奈(もりもと・ゆいな)という女性を助けます。さらに小田桐は、かつて「狐」の事件の舞台となった麗泉女学園の女子生徒・矢賀早小鳥(やがせ・ことり)が、事件の首謀者だった神宮ゆうりの模倣をしていることを知り、繭墨とともに事件の解決に乗り出します。しかし、少しずつ彼は意識がくり返し同じ出来事をたどっていることに気づくことになります。そんな彼に「紅い女」の声が届きますが、小田桐は彼女の呼びかけに応じず、そこで生じたほころびを足掛かりにして繭墨が終わることのない小田桐の夢に侵入し、彼を現実へと連れ戻すことに成功します。
ついに「紅い女」と繭墨の対面が実現し、ここから一気にクライマックスへと突入していくのでしょうか。どのような結末を迎えることになるのか楽しみです。
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終盤にかけての狂気、不気味さの盛り上がりが好感触。前巻の違和感(ラスト)も計算のうちだったのですね。
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雄介の暴走を止め、舞姫と久々津の仲を繋ぎ止め、再び繭墨の下でたまに舞い込む凄惨な事件に関わる日々に戻った小田桐。しかし、何かが違う、どこかに違和感を抱く、何がどう不自然なのか、果たして小田桐は不思議な迷路を脱出出来るのか。
日常に戻ったはずなのに、頻繁に現れる紅い女と巻き戻ったり、早送りされる時間。違和感を抱きながら日常を過ごす小田桐に読者も違和感を抱くという謎な展開。変だと分かっていながら、どういうことか分からなかった私は小田桐と同じで鈍感だ。そして、最後に分かる紅い女の正体。これからの展開で間違いなく小田桐はまた苦労するんだろうなと同情してしまう。